カウンセリングサービス、心理カウンセラー浅野寿和です。
いつもありがとうございます。
それでは今日のコラムです。
いつもながらニッチなコラムですが、よろしければどうぞ。
◯彼ができるとつい甘やかしてしまう私・・・
例えばこんなケース(架空のケースと思ってご覧ください)。
「私って、好きな彼ができるとつい甘やかしてしまうみたいなんです。
好きな人が望むことは叶えてあげたいと思っちゃうんですよね。
友達からも『〇〇はもっと自分の気持ちとかやってほしいことを彼に伝えたほうがいいよ!』と助言をもらうのですが、つい彼のことを優先したくなるんです。
ただ、その結果というか、今までの彼に平然と浮気されたり、放っておかれたり、と散々な恋愛ばかり繰り返しています。
もう悲しい恋愛はしたくないです。
でも、好きな人ができるとつい彼を受け容れてあげたくなってしまうんです。それが間違っているんでしょうか?
もし、いい恋愛をするために私が気づくといいことがあればアドバイスをお願いしたくて、カウンセリングに来ました」
*
いわゆる「好きな人のことを受け容れてあげたいという、まるでマリアのような思いを抱くがゆえに、彼が散々にわがままな態度を示すようになってしまった」なんてケースの典型例でございますね。
そもそも大好きな人のことを受け容れてあげたいと思うこと自体にに何ら問題はないと思うのです。
僕が知る素敵なご夫婦はお互いが「相手のことを受け容れたい」と思いながら過ごされていることを知っていますし、相手をまるっと受け入れることができるなら、それは素晴らしいことだと思います。
が、悲しいけれど、今回のケースのように、彼が自由に振る舞いすぎて傷ついてしまうこともあるようですね。
このような恋愛に隠れた課題はどこにあるのでしょう、という話を今からまとめてまいります。
よろしければお付き合いください。
◯思い浮かぶのは「お中元の法則」
このようなお話を伺うと、僕の中にふと浮かびあがる考えがあるんです。
それが「お中元の法則」です。
お中元の法則とは、絶対に喜ばれるお中元には法則があるという都市伝説的な話ではなくて
「相手がお中元として送ってくれたものは、相手の好みを示している」という考え方です。
例えば、相手が麺類をお中元をして送ってくれたなら、相手が麺類が好きである可能性が高い、ということなのです。
お中元ってよほど相手のことを熟知していない限り、相手の好みにピタッと合わせることって難しいものじゃないでしょうか?
だからこそ、多くの人が「これならきっと相手に喜んでもらえるだろう」と思えるお品を選ぶはず。
ただそれは「自分が好きなもの」でもあるはずなんです。
逆に、自分が大嫌いだと思うものを相手に送るって、相手の好みを知っているなら理解できますけど、それって嫌がらせじゃないでしょうかね?
*
この考え方を今回のケースに当てはめるとしたら・・・
この女性は「彼を受け容れてあげたい」という気持ちが強く、それが良いことと感じているわけです。
だとしたら、彼女自身が「彼に私のすべてを受け入れて欲しい」と願っている可能性がある。
なので
「彼が私のすべてを受け入れてくれるまで、私は彼のすべてを受け入れてあげたくなる」
なんて気持ちが隠れている可能性があるんじゃないかな〜
と僕は思うのです。
だとしたら、彼を受け容れたいという気持ちは素晴らしいとしても、その裏に隠れているのは要求、もしくは駆け引き、となる。
もう少し突っ込んで考えるなら
「私という存在が愛する人にまるっと受け容れられるまで、私は人を受け入れ続けます」
という誓いがあって、それが辛い恋愛になると犠牲となってしまう、なんてことも考えられるのかな、と僕は思うのですね。
だから友達が「ちゃんと言いたいことは言ったほうがいいよ」と言うのでしょう。
それは彼女がつらい思いをしているからこそ、の言葉なのかもしれない。
しかし、彼女の中で「私がまるっと受け入れられる」ということを望み続けているなら、私がまるっと受け入れてもらえなくなるような行動(ここでは自分の気持ちを伝えること)は取れない、いや、取ることは自分の望みに反する、ということになってしまう。
それぐらい彼女にとって「まるっと愛される」ということが望みなのかもしれないな、と僕は考えるのです。
また、彼女が好きな男性のこともまるっと愛してあげたいだけなら、おそらく「私が愛することで喜んでくれる人」を選びたくなるかな、と僕は考えちゃう部分があります。
そう考えると、彼女が、自分の気持ちに甘えてしまう彼ばかり選んでいるということは、「まるっと愛される」ということはなかなか実現不可能なことだと深層心理で感じている可能性について考えるんですね。
もし、愛してくれなそうな彼からまるっと愛されたなら、それは奇跡と呼べるような出来事。
そんな風に彼女が愛されることが奇跡なら、奇跡を起こすために自分勝手に振る舞う彼は必要になるのではないか。
そんな読みを僕はしてしまいますね。
◯ただし、彼女の行動や気持ちが悪いものだとは全く考えないのです
ただ、僕は彼女の行動や気持ちを悪いものだとは全く考えません。
むしろ、まるっと愛されることをが願っているのであれば、彼女がまだそれを得られた実感が無いのではないか、と考えるんです。
これはあくまで仮説でしかないのですけど、もし、彼女が普段からいい人・いい子の役割やヒロインの役割を演じていて
「いつも人のお世話する側・行動する側に回っていた」なんてことがあるとしたら。
おそらく恋愛の中だけじゃなく、今までも「まるっと愛されたい」という気持ちを抱え続けていても不思議ではないかも、なんて風に考えるんです。
そして、もし彼女自身がまるっと愛される経験をしていないのであれば
その気持ちを甘いだとか、甘やかし過ぎだとだけ解釈するのは、僕はちょっと違うと考えるのです。
それぐらい彼女は「まるっと受け止めることの価値」を知っているのではないか、と思うのです。
が、未だ満たされていない気持ちがある分だけ、まるっと愛されたことがない男性を受け容れすぎてしまい、自分が傷ついてしまうという課題として表面化しているのかもしれません。
◯親や家族との関係性に着目する
そもそも「まるっと愛する」というテーマは、恋愛以前の、親や家族との関係性の中で登場しがちなもの。だから、もし実際のカウンセリングであるならば「親御さんとの関係」であるとか「子供時代の過ごし方」などについてお聞きするかなーと思うんです。
そもそも恋愛観や恋愛の中ででてくる愛情の形やニーズなどは、親や家族関係の影響を受けるものなので。
もしかすると彼女は平気なふりをしながら、ずっと寂しかったのかもしれないし、親や家族ですら寂しいとか愛してほしいと言えなかったのかもしれないな、なんてことを僕は考えるんですけどね。
だから、今もまるっと受け入れることはできても、自分を受け容れてほしいと言えないままなのかもしれない、とかね。
まぁこの先の話は、実際のカウンセリングで扱わせていただくような話になりますね。
◯いい気分でいられない恋愛には何かが隠れている
いかに人を愛するか、は人それぞれで価値観が違うものなんでしょう。だから、愛し方に違いはあれど優劣なんてつけられるものではない、と僕は考えているんです。
ただ、もし自分がどれだけ愛しても、自分自身が、そしてパートナーがいい気分でいいられないなら、そこには何らかの課題が隠れていると言えるかもしれません。
その課題を扱い、自分自身の気持ちや考えを整えることで、お互いがいい気分でいられる関係を僕たちは望むようになるんじゃないでしょうか。
それこそが愛し合える人を選ぶということなんだと僕は思うのです。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
\この記事を書いた人/
心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)
カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」
「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のリピーターが多い。
そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。
年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。
口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。
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