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それでは今日のコラムです。いつもながらニッチなコラムですがよろしければどうぞ。
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恋愛カウンセリングの中で、「今までどこかさみしさを抱えていて、パートナーを得ることでその感情を手放したい」と感じている方とお会いすることがあります。
言い換えるならば「パートナーができればもう寂しくないかも」という期待がちょっと強い場合ですね。
だから、本当はタイプじゃない人をパートナーに迎え入れたり、好きになったり(その後で悩むことになったり)、無理をして婚活や恋愛をしてより恋愛に関して苦手意識を強めていった、なんてお話を伺うこともあるんです。
※ちなみに、ご相談いただく方の中に寂しさにまつわる意識がないこともあって、意識されていることは「恋愛がうまくいかんのです!」という部分だったりすることが多いのですけどね。
このような場合、その方は今まで寂しさの中で頑張ってこられたということになるわけです。
つまり、寂しさを抱えていることがダメなことではないわけですよね。
ただ、寂しさゆえに、その解放だけを目的に恋愛をすると、なぜか関係は良くならないという切ないお話もあるんです。(寂しさの解放が恋愛の目的の一部になることはあり得ると思うのですけどね。)
なぜなら、その時パートナーは寂しさを解放するためだけに存在していて、パートナーと向き合っている状態になるとは限らないからです。
また、これはちょっと複雑な話なのですが、自分自身が寂しさの解放を目的にして恋愛を捉えているときに、パートナーが困っていたり悩んでいたりする状況に出会うと、つい「パートナーが悩むのはきっと寂しいからだ」と思い込んでしまい、積極的に関わろうとしてしまうことがあるのです。
もちろんパートナーが寂しさゆえに悩んでいるならば問題など起きないのでしょうが、人が悩む理由は多種多様ですからね。パートナーは「今はそっとしておいてほしいだけだった(別に今の恋愛に不満がなかった)」なんて状態だった場合、相手が関わりを拒絶するしかなくなって関係がこじれた、なんて話もあるぐらいです。
これまた難しい話なんですけど、要は「人は自分の行動動機を使って相手の行動動機を推し量る」なんてことがあるって話です。
つまり「私だったらこうするのに(こうしてほしいのに)」という気持ちだけを使って人を判断すると、相手のことを理解しそこねるってことでもあります。
これはパートナーのことを理解したい気持ちは確実に存在するのに、それがうまく伝わらないケースの一例です。いや、切ない。
そう考えると、自分がどのような意識、視点からモノを見てパートナーと接するかも大事だということですね。
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さて、少し視点を変えていきましょう。
実はですね、信じられないかもしれませんが、愛するパートナーよりも「自分の寂しさ」を優先している、そんなタイプの方と出会うことがあります。
んなことありえねーっしょ、と思われる方がいても不思議ではないかも?と僕なりに推測しているのですが、しかし実際に僕自身がそんなケースを扱わせていただいたことがあるのです。
これ、どういうことかといいますと
「そもそも寂しさを抱えていて、寂しさがなくなって幸せな気持ちで満たされることへの期待を持たなきゃ、これ以上寂しくならないだろう」
とお考えになる方がいる、ということなのです。
つまり「親密感や絆が手に入らなかったときのダメージを緩和するために、自ら寂しさを選び、親密感を期待しないようにする」という戦略とも言えるのですよ。
それぐらい「良いものを期待して失望するぐらいなら」なんて思いがそこにあるのかもしれません。
その結果、期待よりも寂しさ、より良い出来事よりもそうではない出来事を想定して恋愛をする、なんてことが起きるのです。
このとき、いくら自分を愛してくれるパートナーがいたとしても、自分が選ぶのはパートナーの愛や親密な関係ではなく、「でもさ、いつかはこの関係も終わるんじゃない?」的な発想や寂しさだったりするわけです。
これは失望を避けるために失望を想定するなんて考え方でもあるわけで、冷静に考えてみると誰よりも自分が希望を感じられず、ちょっとしんどくなる発想なんですよね。
ただ、それでも失望して悲しい思いをすることの方がリスキーだと考えるとしたら、まぁ愛する人よりも寂しさを選択する場合があっても不思議ではないな、と僕は思うわけでございます。
そして、そういったお気持ちも大切に扱わせていただくべき気持ちの一つ、と考えています。
ただ、もし自分がパートナーや仲間、友人など人から向けられた好意よりも、自分の寂しさを優先してしまうとしたら。
それこそ心の奥底で願っている親密な関係を得ることだけでなく、目の前にいる人の好意などを自ら選ばないということになってしまい、その結果「自分は人の好意を拒絶している」という意味での罪悪感を感じてしまうことにもなるのです。
だから、余計に「自分は一人になる(寂しさを感じる)」ことにもなる。
このような状態を僕は「寂しさがパートナーになっている」なんて表現することがあります。
そして、もしクライエント様がこの状態を改善したいと希望されるときには、「寂しさ自体は悪いものじゃないですし、寂しさが教えてくれることもたくさんありますよね。ただ、これからは寂しさよりも大切な人を選べる私になっていきません?」なんてご提案をさせていただくことがあるのです。
※ちなみに、ここで感情レベルでの対処策を考えるならば「抱え込んでいる寂しさと向き合い、徐々に解放していく」となることが少なくないでしょう。
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最後になりますが、僕たちって何故か理由はわからないけれど「寂しさを感じている自分を恥にすること」があって、なかなか「寂しいんだよねー」と人前でいえないケースも少なくないんですよ。これは友だちが少ないことを人に知られたくないと思う気持ちに似ているのかもしれません。
要は親密な人がいないことを恥ずかしいことや劣等感のシンボルにしてしまうことがある、という話なんですけど。
そう思う理由の根っこを僕なりに推測してみると、「他の人ができていることができない自分にダメを出している」のかもしれないなと思います。
どこか「他の人は何ら苦労なく恋愛できているのに、私は・・・」といったお気持ちになるのかな、なんて想像しています。
このように自分を責めることで自分の寂しさを封じ込めてしまう方も実際にいるようです。
その方法がいいかどうか、僕には判断できないことではあるのですが、ただそこからの抜け道がないわけではないと思いますよ。
その一歩目は、自分が抱えている恐れ(寂しさへの恐れ)をちょっとだけ超えて、人との関わり、つながりを増やしていくこと。
例えば、自分を愛してくれる人がいると理解して、その人にありがとうと言える自分になれれば、より親密な関係を得る方向に進めますしね。
そもそも寂しさを抱えている人はご存知なのだと思います。寂しいということがどれだけ切ないことかを。
だとしたら、それを使って人を理解し、手を差し伸べていかれればいいのだろうと僕は思います。
が、それを実現するためには、自分が寂しさを抱えたままではあまりうまくいかないのです。
自分からつながる。人の気持ちを受け取る。そういったプロセスが状況を好転させる鍵になると僕は思いますよ。
今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
\この記事を書いた人/
心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)
カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」
「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のみなさんにリピーターが多い。
そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。
年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。
口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。
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