浅野

カウンセリングサービス心理カウンセラー浅野寿和です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

では、今日のコラムです。いつもながらニッチな話ですが、よろしければどうぞ。
 

○彼の心の隙間を埋めることは愛なのか。それとも・・・。

恋愛やご夫婦のご相談をいただくということは、やはり「今の関係が幸せではない」ということなのでしょう。

もちろんご相談者さまが今まで歩んできたプロセスを僕がどうのこうの判断することはいいことではないと思うので、どのような恋愛や夫婦関係であったとしても、その方のプロセスを否定することはしないわけですよ。

が、いわゆる「パートナーとの関わり方」が、今の幸せではない現実を作っていることも少なくない、と僕は感じています。

それが間違っているという意味ではなく、お互いの距離を作るような作用をもたらしているという意味ですね。

 

 

 

○例えばこんなケース。

「私って癒着系なんでしょうか。どうしても彼のことが心配になってしまうし、彼の心の隙間を埋めてあげたいっていつも思うんです」

癒着という言葉が出てきているあたり、かなり恋愛心理などを学んでいただいているのかしらん?と勘ぐってしまう自分がいるのですけど、それは別にして。

ときどき「彼の心の隙間を埋めてあげられること」に若干偏った評価をしている方に出会うことがあります。

いわば「彼の心の隙間を埋めてあげられる私でありたい」という思いが強いわけです。彼の心の隙間を埋めることが手放せない状態といいましょうか。

この場合、もちろん彼の性格や好み次第ではあるのですが、二人の関係がぎくしゃくしてしまうこともあるようなんですよ。



まぁ人は人の役に立ちたい生き物であり、誰かのためになっている自分に一定の存在価値を感じるものかもしれませんよね。それにいいも悪いもないのだと僕は思います。

時には「自分にないもの(得られなかったもの)を相手にあげられる自分」に価値を感じることもあるじゃないですか。

例えば、幼い頃に親が厳しくて優しくしてもらえなかったから、自分の子供には優しくするとかね。

それって自分が得られなかった何かを痛みとして伝えるのではなく、与えるものに変換しているわけですから、それはそれとして素晴らしいことと見ることができそうです。

ただ、もう少し別の考え方で見つめると、次のようなことが言えるのです。

「私の中に心の隙間がある(寂しさなど)」
→「彼の中にも心の隙間がある」
→「私が埋められない心の隙間を使って、彼の心の隙間を理解し埋めていく」

こんなことが起きても不思議じゃないわけですよね。

このとき、意識としては「私は自分が得られなかったものを彼に与えている(愛している)」となるんじゃないでしょうか。

だから、「私は彼を愛している(実際に心の隙間を埋められている)のだから」と言った気持ちになり、自分を肯定する材料になりえるような気がしますよ。

人によっては「たぶんね、私じゃないと彼はダメなんだと思う」なんて感じちゃうかもしれませんしね。

もしこのようなことが実際に起きていたとしても、他人が「それは愛じゃない」とは言えない話かなーと思います。

が、このとき意識しておきたい部分があるとしたら

「自分の気持ちが満たされているかどうか」「二人の関係がいい方向に向かっているか」なんですね。

 

 

 

 

 

○彼の心の隙間を埋めることが私の隙間を埋めることになっていると

実はですね。

このとき「彼の心の隙間を埋めてあげられる」という私で居続けることが目的になっていると、自分の心は満たされないことが少なくないんですよ。

このとき、「彼の心の隙間を埋めている理由」は、彼のためではなく、「彼の心の隙間を埋めることで自分の心の隙間を埋めたいと願っている」という場合が少なくないからです。

平たく言えば「彼の心の隙間を埋めていないと不安」「彼の役に立っていないと不安」があるということです。

そこまで彼を愛せている自分には確実に価値があるはずなのですが、なぜかそれがうまく感じとれていないのかも、と言いかえることもできるでしょうか。

つまり、彼の心の隙間を埋めてあげることに何ら問題はないにしても、それができない私になれば、おのずと自分の心の隙間も埋められなくなる、ということです。

このとき、彼は「あなたに純粋に愛されている人」というよりは「心の隙間を埋めてもらうことであなたを喜ばせる役割を担った人」になりかねないのです。

この状態を僕が学ぶ心理学でいうところの「自立(与える側)依存(受け取る側)」の構図で見つめるならば、「彼が依存側」「私が自立側」となり、この構図が変わらない状態となっている可能性があると言えます。

この自立と依存が変わらない関係はどこか停滞します。停滞とは何も変わらない感覚がするということであり、変化、成熟している感じ、生産性、発展性、生殖性などを感じないってことでもあります。

実はパートナーシップそのものを成長させていくには「循環」が必要なんですよ。自立と依存の循環がね。循環しない関係ほど「なんかつまんない」となりやすいのです。

もちろん「彼に愛を贈る・与える」という行為は、相手のためになされることであり、価値あることです。

が、それを続けても何故か幸せではないと感じるなら、そこに停滞した感覚はないかをチェックしてみるといいかもしれませんね。

そして、もう少し自分自身の価値についても受け取ってみるといいのかもしれませんよ。

 
 
 

\この記事を書いた人/


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」

 

「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のみなさんにリピーターが多い。

そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。

 

口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。

 

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