浅野
カウンセリングサービス心理カウンセラー浅野寿和です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

さて、今日もまたニッチなコラムをお届けします。よろしければどうぞ。

 

 

○彼の中に「私はきっといない」と思うことってあります?

パートナーシップに関するカウンセリングの大半は「パートナーとの衝突が増えて困っている」というお話なのです。

もちろんどのような事情で衝突しているのかはそれぞれなんですけどね。

その中でも「きっと彼は(彼女は)私を愛していないでしょう?」というお声を伺う機会があるわけですね。

あまりに愛のない態度、激しい衝突、もしくは無関心な態度を見ては「この人の中に私はいない(私の中には彼がいるのに・・・)」と感じる方がいっしゃるというわけです。

もちろんパートナーと分かり会えないとなればそう感じることもあると思うのです。それがいい悪いという話をお伝えしたいわけではないのですよ。

また、実際に気持ちがなくなってしまっているパートナーさんだっているでしょう。この場合、残念なことかもしれませんがその場合は関係を続けることが難しくなるかもしれません。

が、多くの場合は「まだ気持ちがあるからケンカする」なんてことが多いようです。

が、たとえそうであっても実際にケンカしていれば「この人は私のことを愛していない」「この人の内面にはきっと問題がある」なんて風に感じやすいのかもしれません。

その結果、相手の気持ちを知りたいけれど、実際に確かめることが怖くて何も聞けない、なんて状態になることもあるでしょう。

(だから、いつも孤独感や満たされない思いを抱える恋愛を続けたり、人によっては「どこか影のある感覚」に酔うように、孤独の中で恋を続けている人もいないとかなんとか。)

そんなお話を伺うたびに僕の頭をよぎる、あるバイアスがあるんですね。

 

 

○「行為者ー観察者バイアス」

心理学には「行為者ー観察者バイアス」という言葉があります。

「行為者ー観察者バイアス」とは、他人の行動については内面に原因があると考えやすく、自分の行動については原因が自分の外側にあると考える傾向のことです。

例えば、パートナーの中に愛がないと感じやすいう理由をこれに求めてみるとすると

「パートナーの問題はその人の内面にある(この人には愛がないのだ)と考えやすく、自分がケンカに至る行動動機は自分の外側にある(愛してもらえないから辛いのだ)と考えやすい」

となります。

とくに「今の自分が感じていることが全て(真実)」と感じやすい人ほど、このバイアスの影響に気づきにくい可能性がありそうです。

もし、自分がこのバイアスに沿って物事を眺めているのだと気づくには、メタ認知(自分の認知に対する認知)が必要とも言え、いわば自分を俯瞰して見つめる必要があるんですよね。

もしくはちゃんと話し合える第三者の客観的な意見を聞いて考えてみるか、ですね。

(とはいえ、その第三者もこのバイアスに沿って物事を見ている場合(しっかり事実を検証せず「それってあなたの問題なんじゃないの?」や「そんなの気にし過ぎだよ」的な意見しか言わない人の場合)、また別の意味で大変なんですが・・・)


このとき起こりやすい問題は「そのケンカがどちらか一方の要因で起きているのか、それとも二人の相互作用の中で起きているのか(環境的要因含む)の判断か難しくなること」でしょう。

例えば、日常の中で強いストレスがかかっている状態になっている方、恋愛とは別の悩みを抱えている方などの場合ならば、相手を思う気持ちはあれどそれをうまく表現できない場合もありえると思うのです。

そもそも強いストレスがかかっている状態とは緊張状態、闘争状態ともいえるので、とにかく気を張っていないと持たないですし、非常に疲れやすいわけです。

それがパートナーとの喧嘩の理由にも十分なり得ると考えられるのです。

が、その態度を見て「相手の中に愛はない」と感じるなら、自分の中にそりゃもう救いのない状況がイメージされてしまうわけですよね。

その結果、ガンガン相手を責めたり、相手に愛がないと思いこむことで自分を責めまくったとしたら、それは仕方のないこととはいえ、ちょっとしんどい話になりやすいわけです。

※なお、恋愛や夫婦関係に至る動機は人それぞれで、いわば自分のための恋愛しかしない人もいるだろうとは思います。それがいいかどうかは別の話なんですけどね。

 

 

○パートナーの中に愛のないかどうかは、確かめたほうがいいことかもしれない

が、もし、相手にあなたを思う気持ちがあったときがちょいと問題になりやすいわけですよ。

お互いの中にある何らかの誤解などの事情から、気持ちがうまく伝わらなくなっている場合、この行為者ー観察者バイアスはかなり厄介、いや、関係をぶっ壊す理由になるだけでなく、自分自身の価値を落とす理由になりかねないな、と僕は考えています。

なぜなら、相手の本当の気持ちを確かめるまえに、「相手は私を愛していない、それは間違いないことだろう」と推測し、その前提で行動してしまうわけですから。

また、相手には愛がないと感じているならば、余計に「私のことをどう思ってるの?」って聞きにくくないですか?

返ってくる反応への予測すれば、相手の気持ちを確かめる前の段階で「そんなこと聞きたくない」と思うでしょうからね。

だから、私は愛されない、愛されてもいないんだ、と強く思い込んでしまう方もいるとかいないとか。

もちろんそう感じるならばとても辛いものだと思うのです。そのお気持ちは開放されるべきことなのだろうと思います。

ただ、パートナーの中に愛のないかどうかは、コミュニケーションを測って確かめたほうがいいことかもしれないですね。

また、認知バイアスは誰にでも起こり得ることで、ついつい「相手に愛がないのだ」「自分は悪くない(相手の問題だ)」と感じてしまうものとも言えます。

が、この事実を知っているか知らないかで、パートナーシップの質が少し変わるかもしれませんね。


今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

\この記事を書いた人/


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」

 

「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のみなさんにリピーターが多い。

そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。

 

口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。

 

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