浅野

カウンセリングサービス心理カウンセラー浅野寿和です。

 

いつもごらんいただきありがとうございます。

 

では、今日のコラムです。今回は執着と手放しに関する一つの考察です。

 

よろしければどうぞ。

 

 

恋愛のご相談をいただく中で、どうしても避けて通れない話題。

 

それが執着と手放し。

 

執着とは「何かにしがみついていて、自由を失った状態・自分らしさを見失った状態」です。

 

多く問題になるのは「自分の気持ち」や「自分らしくない何かか」に執着して、「愛を与えられない状態「愛を受け取れない状態」になり、どんどん相手や自分自身を縛り、自由を失っていくことにあります。

 

その執着に対応するメソットが「手放し」です。

 

手放しとは「自由を与える」ということ。もちろんそれは相手に対しても、自分に対しても向けられるものです。そして手放しを突き詰めて考えると、「愛を選ぶ」ということになるんですね。

 

ただ、この執着と手放しは、なかなかアタマで考えているように思ったようにいかないことがあります。

 

実際、手放しを決意したつもりでも、更に自分らしくいられなくなったり、強い喪失感から再度「もし願いが叶うなら相手にまた戻ってきてほしい」といった取引について考えてしまうこともよくあることなのですよね。

 

ここが手放しの難しさかな、と僕は考えていたりします。

 

しっかり自分に対しても、そして相手に対しても、愛を選ぶかを見つめるプロセスは欠かせないものだろうな、と思うのです。

 

 

○手放したつもりが手放せていなかったという恋愛事例

ある女性は、とても相性が合う相手と恋愛の関係にあったのですが、急に彼の心変わりで別れることになりました。

 

彼女は何度も関係の修復を試みましたし、お互いに話し合ったのですが、しかし彼の気持ちは変わらりませんでした。

 

何度話し合っても平行線。そんな時間を過ごすうちに、彼女は悩んだ結果、彼との別れを受け入れ決断したのですね。

 

が、その後で「どうして別れることに同意したんだろう。こんなに辛いなら別れたくないといえばよかった」と強く思うようになったのです。

 

もちろんこのような後悔が一時的なものなら、これもまた一つの喪失にまつわる(自然な)感情のプロセスと言えるのかもしれません。

 

が、彼女のその思いは、その後数年の間、彼女を縛り付けるものになっていたんですね。

 

数年の間、彼女は全く恋愛する気にもならず、むしろ恋愛を避け、どこか異性に好意を向けられても怖がるようになってしまったというわけです。

 

その間、彼女は「そんなに相手のことを好きだとは思えないけれど、無理してでも恋愛したほうがいいのかな?」と何度も恋愛関係を持ってみたそうですが、全て短い時間で終わってしまうのです。

 

そこで彼女自身が「この状態はちょっとおかしいのではないか」と思い、実際にご相談にこられたというケースだと思ってみてください。

 

 

 

○その決断は手放しだったのか、それとも犠牲だったのか

多くの方が別れを決めるとき「覚悟して彼を手放した」と思うものだと思うのです。

 

もちろんその思い自体は勇気ある決断で、その気持ち自体何ら間違いではないのかもしれない、と僕は考えています。

 

しかしなぜか「彼を手放せていない」ということもあるようなんですね。

 

別れた後で、彼との別れや、彼との思い出に執着し、むしろ別れに同意したことをずっと後悔しすることも起こるようです。

 

また「彼に嫌われたり、彼が苦しんでいたり、自分自身もNOを突きつけられながら一緒にいることはできない」と考えていると、自分のためにも別れを選択したほうが良いと思うこともありますよね。

 

しかし、どこかで自分の気持ちを整理することをすっかり忘れてしまうと、別れた後で、ものすごい喪失感や自信喪失感に襲われてしまうこともあるわけです。

 

これは特に「自分を後回しにして相手を優先することが癖になっている人」に多いパターンと言えますね。

 

 

○我慢強い人が抱える執着と手放しの難しさ

さて、このような後悔や執着に悩まれる人って、とても我慢強い人が多いようなのです。

 

普段はしっかり者で、律儀で、努力家で、他者に対しての気遣いができる人に、このような傾向が見れると僕の経験上思うのです。

 

普段から辛いときに辛いというのではなく、ぐっと堪える人が少なくないといいますか。だから、好きだという気持ちも、別れの不安や痛みも我慢できてしまう人が少なくないんです。

 

また、我慢強い人って、自分の気持ちを後回しにして、全て蓋をしてしまうことも少なくないんですよね。もちろんそれがいいかどうかは別にして、少し犠牲的な発想を持つことが少なくないのですよね。

 

だから「彼が別れたいと思っている」という事実を優先して、自分の気持ちを抑え込み、彼に伝えるべき気持ちや、自分自身の今の気持ちを心の闇の部分に葬り去ろうとする人も少なくないわけです。

 

ただ、実際は心の闇の部分に葬り去ったと思っても、しかし彼を思う気持ちが湧き出してくるわけです。

 

これは自分自身にとってどれだけ大きなできごとが起きたのか、ということを示しているのだろうと僕は思うわけです。だから、その事実を受け止めることがなかなか難しくなっていた、という状態を示しているのだろうとも思うのです。

 

もちろんそのできごとを受け止められないことを批判的に見ているわけではなく、むしろこの数年間ずっと苦しんでいたのはその方自身なのだろうな、ということですよ。

 

 

○本当の好きではなく、彼を引き止めるための好きを叫んだ自分が許せない

さて、このようなケースでよく登場する「過去の恋愛への執着の理由」の一つをご紹介しますね。

 

それが「別れを決断した時、本当に彼のことが好きだという表現ができず、彼と別れたくない一心で、引き止めるために好きだと言っていた自分」です。

 

「本当の好き」ではなく、「彼を引き止めるための好きを叫んだ自分」ですね。

 

これはどこかで「自分の気持ちをちゃんと伝えることに怖れを感じていた」ということを示しています。

 

そして、どこか本当に相手のことを考えたいと願った人ほど、そこに事情があるにせよ、本当の気持ちが言えず、つい嘘をついていた自分を許せないでいることが少なくないんです。

 

それはまるで「私は彼のことを愛していないし、自分のことしか考えていない。彼に嘘をついて気持を変えようとした」といった思いに近い感覚を覚える理由にもなるんですよね。

 

もしそうだとすれば、まず今の自分が許せないですよね。

 

だから、その状態で本当に好きな人のことを思うこともまた難しいと思うのかもしれません。

 

「本当に自分は好きな人を愛せるのか」という疑いが入ってしまい、これがその後の恋愛に響いてくることも結構あるある話なんですよ。

 

 

ただ、僕はこのように考えるのです。

 

「そのようなピンチに陥ったなら、誰しもそうなる可能性もあると思いませんか?」

 

「もし、嘘をつくように彼を引き止めたことで苦しむのはきっと自分。でも、言い訳という意味じゃなく、それぐらいしてでも彼を失いたくなかった、本当に好きだったのもあなたではないでしょうか」

 

「だから、今からでも(カウンセリングというツールの中で)『本当に彼のことが好きだった自分』を見つめてみてもいいのではないでしょうか。本当に「好き」なら、まず「好き」という気持ちを認めていいんじゃないでしょうか。」

 

つまり、引き止めるための好きを伝えててしまうほど必死だった自分は、本当に彼のことを好きだった自分だったのかもしれない、と理解できないだろうか、と僕は思うのです。

 

もちろん、そこで嘘の好きを伝える必要があったか、というと、きっとそうではなかったのでしょう。

 

純粋に素直に好きといえばよかったのかもしれない。

 

しかし、そう伝えても彼の気持ちが変わらないこともまた怖いし辛いものですよね。

 

だから、つい本当の気持ちを伝えない、本気にならないということもあると思うのです。

 

それぐらい多くの人は本当に愛する気持ちが伝わらないことで傷つき、自信を失うこともあると思うのです。

 

ただ、その自分を覆い隠すように「私が嘘をついた」「私は愛せない人間だ」という観念を持つようになるとしたら、その後の恋愛に多大な影響を及ぼす可能性は否定できないと思うのです。

 

これこそ罪悪感がもたらす影響だと僕は思うのです。

 

 

そしてこの罪悪感こそ真実ではなく、間違った思いなのだろうと僕は思います。

 

むしろ、そこにあるは喪失感であり痛みではないでしょうか。

 

そう思うので、僕自身、多くのクライエントさまに、どうか自分の気持ちを大切にして、辛い気持ちを解放しながら、本当の自分を見つめていただければなと思いながら、サポートをさせていただいているところです。

 

一時的には見つめたくない感情と出会うこともあるかもしれません。だから彼を手放せないし、自分を許せないこともあるかもしれません。

 

しかしそれでも本当の自分を見つめようとすることができれば、おのずと相手の幸せを願える自分に戻れるものです。

 

ここでは、ちゃんと愛せない、手放せない、ということではなく、その今の自分がなぜ手放せないのか、についてしっかり見つめることが大切なことだろうな、と思うのです。

 

 

最後になりますが、手放しにおいて最も重要なポイントは「自分や相手の幸せを願える本来の自分に戻ること」です。

 

そもそも僕たちにはそのような「何かを手放す力」が備わっているのですよ。つまり「いくら大切なものであったとしても、今、苦しいなら、そして問題があるなら手放したほうがいいということは分かっている」ということです。

 

だから手放せないことで悩むのですよね。

 

そう考えると、何かしらの執着心た痛みが示すものは「本来の自分に戻りましょう」というサインであり、「手放し」とは本来の自分に戻っていくプロセスの目的地、と言えるかもしれませんね。

 

 

 

\この記事を書いた人/


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」

 

「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のみなさんにリピーターが多い。

そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。

 

口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。

 

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