浅野

カウンセリングサービス・心理カウンセラー浅野寿和です。

 

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

それでは今日のコラム。よろしければどうぞ。

 

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例えばこんなケース。

『最近付き合い始めたカレ。付き合いはじめはうまくいっていて、とっても幸せだったんです。

それが私の気持ちを伝えたことから急にマズい雰囲気になっていき、どうしたらいいか分からず悩んでいます。

彼はガツガツしていない穏やかで優しい人。私を強く求めてくるタイプじゃないんだけど、いつも私と会えることを喜んでくれているようでした。

ただ、私は「次、付き合う人とは結婚を」ってどこか決めていたんですよね。だから彼を選んだ部分もあるんです。

以前彼にも、なんとなく結婚について聞いてみたら「望んでいる」的なことを言っていたので私も安心していたんです。

だから、少し前に「ねぇ、私達の未来のことって考えてる?」と何気なく聞いてみたんです。きっと彼も前向きな気持なんだろうと思い込んでいたところもあると思います。

すると、急に彼の態度が変わったんです。笑顔がなくなったと言うか、落ち込んでいると言うか、私の質問を嫌がっているようにも見えました。

それから彼からのLineも電話も少なくなくなって、会う回数も減っていきました。今では私からLineしないと連絡も取れない状況です。

私も不安でネットや動画で調べたりして、彼にいろいろLineや電話で伝え続けていたんです。

でも、彼の様子は変わらない。

私にとっての安心材料は、彼はまだ「私のことは嫌いじゃない」と言ってくれるところです。ただ、なんとなく楽しめないというか、お互いが気を使い合っている雰囲気は消えません。

彼のことは好きだし、一緒にいたいと思うけど、彼に嫌われちゃったのかな?という不安が消えません。

できれば彼の前で笑顔でいたいし、彼のことも大切にしたいと思うんですけど、一体どうしたらこの感じを変えることができるのでしょう?』

***

さて、そもそも「私、彼に嫌われるかも?」「彼が嫌がることをしちゃったかも?」と感じているとき、自分で自分に『あかんやん、私』とツッコんでいる状態だといえます。ミスを許していないし、後悔し続けている状態です。

 

やっちゃったことは取り消しがきかないこともある。あー自分のバカバカ!と思うこともあるかもしれない。

 

けれど、大切なのは「その後どうするか」。


だから、意識の向きとして「自分の不安を見て、彼を見ていない」状態を続けることは得策じゃないんですよね。

 

そもそも二人で幸せになりたいと思った自分を否定しなくていいんじゃね?と僕は思っちゃうのです。

 

そう切り出した自分は自分でいいじゃないですか。悪気なんてサラサラないのでしょうから。

 

そこを否定したら自分が痛い(ときに激痛)でしょ?と、まずはお伝えしたいわけです。



とはいえ、「私、こんなことしちゃった、彼にどう思われているだろう?」といった気持ちになること自体、僕は自然なことだと考えていますし、そう思うからダメってお伝えしたいわけじゃないんです。

人はそのように「人にどう見られているか」を気にするものです。


ただ、それは彼も同じなのかもしれませんよ。

 

今回のケースで言えば、彼は彼で「自分のこと」を彼女に知っていて欲しいと思っていた。

 

けれど、結婚の話が出たときに「自分の(結婚への)不安を隠したい」と感じたのかもしれない。

そう思ったときに、彼はちょっと心を閉ざしたってことなのかもしれません。

 

つまり、彼は今「あなたにどう思われているのか」を気にしていて、その不安を握りしめているってことじゃないかな、と僕は思うのです。

 

だってねぇ、結婚のことで引いちゃった自分って、ちょっと勇気がないような感じがしますもんね。



だから、今回のようなケースでは、「結婚がしたい」と口にしていた彼は見栄をはっていたのかも?とも考えられますよね。

結婚のことを前向きに考えたいとは思ってたことは確かで、だから「いつか結婚したい」と思っていた。

 

しかしそれが現実になると急に不安が湧いてきた、というように考えることができそう。

 

まぁ願望と現実は違いますからね。

そんなときに、不意打ちのように結婚について質問されたので、どんと不安を刺激された。

それは安らげる彼女との関係に対する暗雲のようなもので、今後もやっていけるのかな、といった不安に繋がった、みたいなね。


もちろん、多くの場合、結婚後もうまくやっていける人が多いと思うんですけどね(^^;

 

だから、今まで二人がいい感じに付き合えていたから「これからも大丈夫」と思えるかというと、意外とそう感じない人も多いのではないか、というのが僕の意見です。

 

それぐらい僕たちは「愛されること・うまくいくこと」を望んでいながらも、「愛されなくなること・うまくいかなくなること」に意識を向けていることが少なくないようです。

 

もちろんネガティヴ視点を上手に使い、よりよい関係を目指す材料にするなら超前向きです。

 

が、その不安を自分ひとりで抱えて解消しようと悩んでいる人も少なくないものです。

だから、普段は気丈に振る舞ったり、相手に大丈夫なんて態度を示すけど、実は不安や怖れが消えずに悩まれているのではないか。

それぐらい、パートナーにはどこかで「自分はこんな不安を抱えているんだ」という部分もわかってほしいけど、しかしなかなかそれが言えずに一人で頑張っている人も少なくないのではないか。

それが僕の経験からくる実感なのです。



もし、この彼の状態が、たった一人で不安を抱えていて、その不安を彼女に見せないようにしているのだとしたら、二人に足りないのは親密感とコミュニケーションです。

そして、彼が不安ばかり見ている視点を少し変えられるようなヒントを差し出してあげてもいいかもしれません。

不安が強い人は、不安を感じることに対して「そんなことは無理かも」「できないかも」と考えているものです。

 

そう思う人ほど「問題や幸せは一人で努力して掴むもの」と考え、時間をかけて一人で不安を解決するのでしょう。

それも間違っていないと思うのです。

 

が、二人で生きるという考え方ではないですよね。

つまり、彼はあなたの前で「一人で頑張って解決しなきゃいけないことがある」と思っているから、反応が減ったり、距離をおいたのかもしれません。

その彼に対してどう向き合っていくか、がポイントなんです。



ちなみに、こういったタイプの彼にはこんな話をすると意外と効果的かもしれません。

「人生の転機では不安になるし悩むもの」

「結婚するかどうかってめっちゃ悩ましいし不安になって当然」

 

いわば「ビビる・ヒヨるのはそれぐらいの転機が来ているんだ」って認識を共有するのです。


なぜなら、多くの人が「愛し続ける覚悟」について考えるから。

だから悩むんですよね。その悩みを蹴飛ばしてどうする?が僕の意見です。


ただ、どこか真面目な人や失敗したくない人は、今の時点で満点の回答を出したがるので一人で悶々と悩むのかもしれませんよね。



また、彼に「悩むのはしゃーない」と伝えても、こちらも不安を隠していると(相手に不安を解消してもらいたいと取引したくなっていると)相手に「無理している」「なにか隠している」とサトラれます。

 

君も僕と同じじゃないか、と思われるんです。だから相手は動かないなんてことも起きる。

 

ここでは「自分は大切なものを失うかも」「愛されなくなるかも」という不安を手放して、相手の不安(感情)に共感できるかどうかが鍵なのでね。

だから、こちらも不安を一人で抱えないこと、不安にこだわらない自分になること(手放すこと)、不安を行動動機にしないことが大切ですよね。

例えば、「今、彼にどう思われているんだろう?」「彼にはこう思ってほしい」という思いは、愛情とも解釈できますが、不安のほうが強いなら、これは一つの執着です。未だ別れていないのに相手に執着しちゃってるんですよね。

こうなると、相手の気持は見逃すし、相手もあなたに「なんか辛そう、悪いな」と思ってしまう可能性が大。

だから、自分の不安、迷い、悩みを解消しておくことも重要なんです。

例えば、私を誰に支えてもらうか、自分がどんな不安を手放して、どんな自分を信じていけばいいのか、どう相手を愛してあげようか、そのあたりを学んでいくといいかもしれませんね。



最後になりますが、人生の転機って怖いし、やっぱり悩むものじゃないでしょうか。

 

例えば、転勤・転属でも不安は感じることもあるし、引っ越しをするだけでも緊張感を感じる人もいますよね。今までの職場に新しい人員が配置されるだけで不安が出てくることもあるでしょう。

 

それぐらい変化には不安がつきもの。

だからしんどいし、不安だし、どうなるだろう?と思うもの。

でも、それは確かにしんどいけど、恥ずべきことでもなんでもないのではないでしょうか?

 

ある意味、自分がそう感じるんだからしゃーないですよね。

 

もちろん解決したい問題かもしれませんが、そう感じることがダメってことじゃないとお伝えしたいわけです。

そもそも人が悩むのも自由ですし、前に進む怖いと思うことは恥でもなんでもないですよ。

だから、「前に進みたいけど、でも・・・」という気持ちを否定しないことも重要ですよ。

それは自分に対しても、相手に対しても、ですけどね。

 

そこを否定し合うパートナーシップって妙じゃないですか?

つまり、不安や悩みを抱えている人に接するときに大切なのは「解決してあげること」より、「寄り添うこと」ですよ。

 

「悩んでいたっていいじゃない」「悩んでくれてありがとね」と思える私になれるかどうか。

そもそも人が迷うのは、何かを成し遂げたいと思うから。成し遂げる意味を感じないことで悩まないし迷わない。

 

それは私も相手も同じ、と一旦捉えてみる。


その上で「さて、どんな自分でいようか」と考えることもまた前向きな選択肢かもしれませんね。

 

 

 

 

【この記事を書いた人】


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区担当」

 

「恋愛」「結婚」「ご夫婦の問題」などを男性・女性の心理面からバランス良く分析し解決に導く人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションは目からウロコと評され、なりたい自分になれると人気。屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。20代〜40代のみなさんにリピーターが多い、年間約400件の個人面談を行う、ちょっとだけ予約が取りにくいカウンセラー。

 

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