いつもご覧いただきましてありがとうございます。
では今日のコラムです。よろしければどうぞ。
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○もっと気軽に接してもらいたいのに、周囲から真面目だと思われる私
例えばこんなケース。
「私は昔から周囲からは真面目な人として見られているようで、そんな自分がいいと思えないんです。自分では自分のこと普通だと思っているのですが、昔っからそうで、学生時代も社会人になってからも同じように見られるようです。
別にファッションにも興味あるし友達と遊びに行くことだってあります。いつも真面目にしているわけじゃないのに、どうしてこんな風に見られてしまうのでしょうか。
これじゃいいなと思う人がいても、向こうから好きになってもらえないんじゃないかと不安です。今までにそんな経験もしてきましたし、なんとか今の自分を変えたいんです。」
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この話を言い換えれば「スキがないと言われる」といったお話にもなるのでしょうね。
お話を伺っていると、どうしても真面目という言葉を聞いたときの「カタイ」感覚が嫌だとおっしゃる方がいます。だから人から好かれないのではないか、とお考えになるので、「自分はそんな人間じゃないのに、どうしてそんな風に見られるの?」という疑問が生まれるのでしょう。
いわば、自分が感じている自分と、人が見ている自分とが違うことが「私をいうものを見てもらえていない」「私の思いは伝わらない」といった感覚を刺激しているのかもしれません。だとしたらそれはそれでとても切ないことですよね。
○どうして人から真面目だと思われるのか?
では、今回のケースのように「どうして学生時代も、社会人になってからも、人や環境が変わっても真面目だと思われる」のでしょうか。
この場合、ある心理の影響が強いからだと考えることができます。
「真面目だと言われがちな人の内面にはたくさんの禁止がある」
実際、真面目な人ほど禁止が多い(強い)ものですし、僕の経験上、真面目だと言われる方のカウンセリングをさせていただくとそう感じますよ。
僕たちの欲求の中には、いわば「やっていいこと」と「やっちゃいけないこと」があるわけですよね。具体的な例は省略しますけど。
真面目な人って、この「やっちゃいけないこと」をしたくなったときの欲求の扱い方が「禁止」である場合が多いんです。
「こう感じちゃいけない」「こう思っちゃいけない」という考え方といえばわかりやすいでしょうか。そういった発想が強いままなんですね。
逆に「あぁ、自分は今こんな欲求を感じているんだな〜」と自分の気持ちを認めて、でも「それは選択しないよ」と選んでいるわけじゃない方が多いんです。
決められたルールはきちんと守ります、とか、いいものはいい、悪いものは悪い。そんな判断が強めなんですね。
ただ、その分だけ人から「判断が強い人」と思われやすくなります。いいか悪いかは別にしてね。
みなさんもこんな経験ないですか?
例えば、すごく真面目な上司に語りかける時って、あまり曖昧なことは言えないなと思ったり、しっかり内容を決めてからじゃないとまずいなって思ったことないでしょうか。
その時、なぜいいづらいと感じるかというと、自分の意見(思い)を受け止めてくれるとは感じられず、判断されそうだと感じるからではないでしょうか。
もちろんこのように感じているるのは自分であって、上司の問題ではありません。
もし上司側が「どうして俺には気軽に語りかけてもらえないんだ?」と思っているとしたら、それは上司側の課題ですね。
その時、見つめるべきは「ん?自分としては至って普通なのだけれど、もしかして自分って判断が強い人のように思われているのか?」という視点なんですよね。
どこか禁止している自分が多くないかどうかを見つめ直してみるようなイメージです。
○隠れているのは「ワガママな私」
また別の角度で見てみましょう。
そもそも真面目ということは悪いことではないのです。真面目が悪いことなら不真面目が正義になっちゃいますから、それはそれで困りますよね。
だから僕は「真面目であること」は価値です、といつも言い切っています。何ごとにも誠実に前向きに取り組める力があるということでもありますからね。
ただ、真面目な人ほど「ワガママな自分」というものを禁止していることが少なくないんですよね。ここでのワガママは「ルール・規範・人の意見に沿わない自分」を指すことが多いのですけれども。
つまり「ワガママな自分=人の言うことを聞かない自分」のように感じている人も少なくないってことです。
だから、カウンセリングでも真面目な方から「自分は至って真面目なつもりなのに、周囲からワガママだと言われます」とか「自分でもそう思うんですけど」といった言葉を伺うことにもなるんです。
それぐらい「ワガママ」な自分を隠している。
わがままな自分を出さないように気をつけている。
こうなると、周囲の人から「私が何を考えて、何を感じているのか」がわかりにくくなる場合があり、だから周囲から若干「どう関わったらいいのかわからない人」担ってしまう可能性もあります。
普段から人の意に沿わないことはまずいと考えすぎていたり、自分の意見や欲求を禁止しすぎていると、こうなってしまうわけですね。
○今までの自分を否定せず、自分や周囲に喜びを与えてみる
では「もっと気軽に接してもらう」にはどうしたらいいでしょうか。
まずは、真面目な自分、今までの自分を否定せず、まぁそれが自分なんだよね、と認めることからはじめてみてはいかがでしょうか。
今までの自分を否定しすぎると辛くなるだけですし、真面目なコト自体悪いことではないのですから、自分を責める必要はないわけですよね。
ただ、自分の「わかりやすさ」を作るために「自分や周囲に喜びを与えてみる」意識を持つことは必要かもしれません。
自分が喜びを感じ、楽しめることを行うことって大切ですし、ぜひ自分を喜ばせることは実行してみてほしいのです。
ただ、自分一人だけで完結していると、どうしても自分の世界にはまりこんでしまい、あなたがどういう人か伝わりにくくなります。
なので、自分と誰かが楽しめることを見つけるといいですよ。
こちらから「自分の好きなこと」を表現し、誰かと共有する。そういった経験を通じて自分らしさを表現できるようになりますから、「へーそういう人だったんだね」と相手はあなたを理解し、警戒心を持たれにくくなります。
ただ、いきなりそこまでの行動ができなくとも、例えば「私はこんな事が好き」「こんなときに楽しい気分になる」「実はこれが苦手」といった表現するだけでも、人はあなたに近づきやすさを感じるでしょう。
それこそわかりやすさを感じるからですね。
これは相手に合わせる意識を持つのではなく、自分はこんな人なんですよ、と表現することにほかなりません。
そして、自分を表現する経験を積むことで、相手の自己表現も大切にしたいという気持ちを感じやすくなりますよ。
こうなると「私は人から警戒される」という意識から、お互いの興味や関心、存在を大切にし会える気持ちを共有できることにもつながります。
自分のことを伝えるのはワガママではありませんよ。人の意に沿わないことでもありません。自分からわかりやすさを作る意識を持つことで、もっと気軽に接してもらえるようになれるでしょうね。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
【この記事を書いた人】
心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)
カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区担当」
「恋愛」「結婚」「ご夫婦の問題」などを男性・女性の心理面からバランス良く分析し解決に導く人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションは目からウロコと評され、なりたい自分になれると人気。屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。20代〜40代のみなさんにリピーターが多い、年間約400件の個人面談を行う、ちょっとだけ予約が取りにくいカウンセラー。
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