みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。
今週は、大野が担当させて頂きます。
人生がうまくいっていない時は不安を感じるものですが、上手くいっている時でも不安を感じることがあるようです。
むしろ、上手くいっているときほど「白いシャツについているシミ」を探すかのごとく、不幸探しをしてしまうことも。
なぜそれほどまでに、上手くいくことをこわがるのでしょうか?今日は「幸せから逃げたくなる心理」について一緒に考えていきましょう。
◎幸せは居心地が悪いもの?
上手くいっている時の不安といえば、「マリッジブルー」がわかりやすい例かもしれません。幸せの絶頂にありながら、なんだか不安な気持ちがおさまらずにモヤモヤとしてしまう。
今まで散々苦しい思いをしてきて、ようやくつかんだ幸せであればなおさら「幸せ過ぎてこわい」と感じてしまい、「本当にこれでいいのかな?」などと考えてしまうのです。
幸せであることに居心地が悪いなんて変な感じがするかもしれませんが、人間の心理としてはもともとそう考えるようにできているのです。
私達は不安を感じることで、何かが起きた時のことを想定し、対応できるよう準備することで生き延びてきましたし、人生を前に進めてきたのです。
不安を感じることは人間に備わった機能であり、不安を感じにくいことのほうがむしろ危なっかしい生き方だともいえるのです。
つまり「私がこんなに幸せであってはいけない」「上手くいきすぎてこわい」と感じるのは、ごく普通のことであり、まるでブレーキが故障した車にのっているようなこわさを感じているのです。
だから、良いことが起こったときほど不安になったりします。そして、「このまま上手くいくわけがない。どこかで必ず失敗するだろう」と思うと、本当にそのとおりになるのです。
上手くいっている自分を否定することで、「やっぱり上手くいかないよね」という現実を作り出しては、どこかホッとしている自分がいる。
つまり、私達はもともと、上手くいっているときほど上手くいかないことを、幸せなときほど不幸なことを感じるようにできているのです。
「見知らぬ天国よりも勝手知ったる地獄」なんて言葉があるぐらいですからね。
◎自分には幸せが似合わないと思っていませんか?
なぜ私達がこんなにも上手くいくことや幸せになることこわがるかというと、理由はひとつしかないのです。それは、『失うことがこわい』から。
幸せを失うことがこわい。最高を失うことがこわい。恋人を失うことがこわい。成功を失うことがこわい。
せっかく素敵な恋人ができても、「この人もそのうち私のもとから去っていくに違いない」と思うと、せっかくの幸せをあじわうことができなくなるのです。
それどころか、相手を試すようなことをしたり、わざわざ去っていくようなことを仕向けたり、本当は別れたくないのに別れ話を切り出したりなんていうことをしてしまう。
「ちょっとぐらい不幸なほうが自分らしくて安心する」なんて、幸せになりたいと思いながらも、「自分には幸せが似合わない」と思っている人も多いようなんです。
◎ある女性の例
先日も、私のもとに深刻そうに悩む女性がいらっしゃいました。でも、話を聞けば聞くほど「それは、上手くいっているのでは?」としか思えないのです。
彼女がそう感じてしまうのは、彼女の生い立ちのなかに、こんな事情があったからです。(※ご了承を得て書かせて頂きます。)
彼女はシングルマザーのお母さんのもとに生まれ、お母さんはとても苦労をしながら彼女のことを育ててくれました。
「お母さんは苦労ばかりでかわいそう」という思いから、彼女は自分が楽しそうにしたり、幸せそうにしたり、ラクをしたりすると、なんだかすごく「悪いこと」をしているような気がしていたのです。
自分が楽しくなりそうになると、何の楽しみもなく私を育ててくれたお母さんの顔が思い浮かぶ。そして、「私だけが良い思いをしちゃ悪いな」となんだか喜べなくなるのです。
お母さんと同じように苦労をして、お母さんと同じようにしんどくて、お母さんと同じように頑張っているほうが、いい娘でいられるような気がする。
お母さんみたいにしんどそうな顔をして「人生は大変なものだよ」と言っているほうが、お母さんと一緒にいられるようで安心してしまうのです。
そうすると、その言葉のとおりに、苦労が多くて、しんどくて、いつも頑張らなければいけない人生が作られていくのです。
そんなことをしなくてもいいことぐらい、理屈のうえではわかっているのです。でも、彼女のなかには、お母さんの苦労は「私のせい」と思っているところがあったのです。
私は、彼女に言いました。「あのね、今、あなたには幸せになる順番が回ってきているんですよ。幸せから逃げちゃダメだよ」。
彼女には、お母さんの苦労でなく愛を受け取るセラピーをしました。
「これほどまでに幸せになることに遠慮があるなんて…」と彼女は気がついてくれましたが、とくに苦労性なお母さんをもつ人のなかにこのパターンがあることが多いのです。
これをお読みのあなたにも当てはまるかも?親孝行な娘であるほど陥りやすいパターンでもあるので、参考にしてくださいね。
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