浅野

カウンセリングサービス心理カウンセラー浅野寿和です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

では今日のコラムです。よろしければどうぞ。

 

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これはカウンセリングやセミナーで比較的よくお受けするご質問。

「男性心理と女性心理の一番の違いってなんですか」

一番の違いと聞かれると僕もうーんと悩んでしまうのですが、『最も分かりやすい違いは「感情の扱い方」ではないでしょうか』とお伝えすることがあります。



一般的に女性は自分の感じた感情を「誰かと分かち合いたい」「共感してもらいたい」と思う傾向が強いと言われています。

もちろん常に例外はあると思うのですが、例えば仕事で辛いことがあったときに、「あのね、今日、〇〇なことがあったんだ。本当にショックで・・・」と、彼につらい気持ちをわかってほしいと思うことってないでしょうか。

いわゆる恋愛心理の中には「恋愛感情とは相手と身も心もひとつになりたいと思うもの」なんて考え方(あくまで考え方ね)がありまして、それはいいときだけでなく、落ち込んでいるとき、辛いときも気持ちを分かち合っていたいと思うものだと思うのです。

もちろん分かち合いたいのはネガティブな気持ちだけではなく、ポジティブな気持ちも分かち合いたいと思うものでしょうね。

喜び、嬉しさ、楽しみ、充実感、爽快感、さまざまな感情と分かち合いたいと思われる方は少なくないのではないでしょうか。


一方、一般的に男性は感情を感じること、また、自分の感情を処理するということが苦手だと言われています。

だから、ポジティブな感情ならまだいいのですが、ネガティブな感情についてはとかく「感じたくない」「なんとか感じないような手立てはないものか」と考えることが多いようです。

この男女の反応の違いが、恋愛の中でのトラブルの理由となっている場合が少なくないものなんですね。


例えば、女性がちょっと辛そうにしているだけで「なんでそんな顔してんの?」「その考え方が悪いんじゃないの?」と、まるで辛そうにしている女性が悪いと言わんばかりの態度を取る男性がいるのです。いいか悪いかは別にしてね。(すべての男性がそうではありませんけど)

この男性の言動を心理的に見つめれば、「感じたくない感情」や「自分でどう処理したらいいか分からない感情」を感じている女性を見て、その感情に触れたくないと思うので警戒している、という風に理解することができるのです。

が、恋愛の中でこのように冷静に捉えることのほうが難しいのではないでしょうか。

だから、「辛い気持ちのときに彼に辛く当たられた」「夫は私の気持ちを何も分かっていない、本当に冷たい」といった切実なお声となり、それをカウンセリングの現場で伺っている、と考えています。

大切な人と気持ちを分かち合えない、分かってもらえないって本当に切ないですよね。

「それはつらいよね」とか「よく頑張ったね」などと言ってもらうだけでいいのかもしれないんですけどね。


また、その男性がネガティブな感情を感じないようにとしか考えていないなら、おそらく自分にも「辛いよな」「それでもよく頑張っているよな」なんて声をかけているわけではないのでしょう。

むしろ、「辛いと感じるから辛い」「嫌な気分にならないように最善に手を尽くす」と考えていることが多いような、そんな実感が僕にはあります。

それぐらい多くの男性には自分の感情を強く抑圧する傾向があるのですね。

そして、いかにネガティヴな感情を感じないか=「自分は成熟している」と思い込んでいるフシがあるのです。

心が成熟している状態とは、何かしらの感情を我慢できることだけを指しているわけではなくて、たとえば「自分と他人の違いを認め受け入れることができる」とか「他者に寛容である」「相手の気持ちを推し量ることができる」といったことも含まれているものです。

が、強さを価値と感じる男性にとっては、何かしらの出来事で落ち込んでベッコリ凹んでいるのはヘタレで、感情を切り離してでもネガティブな気持ちにならないようにできる自分に価値があると考えている人も少なくないんです。

だから、ネガティヴな感情を分かち合おうと女性が近づいても、受け入れないどころか、自分の成功体験を女性にも押しつけようとしてしまうことが起こります。



と、ここまで「男性はネガティブな感情を切り離したいと思っている」と書きましたけど、実は多くの男性が大切な人と素晴らしい感情、心地よい感覚を分かちあうことが大事だとわかっていらっしゃるのですよ。

つまり、恋愛も夫婦関係もいい気分ときはいい関係になれるのです。

ただ、恋愛感情というものはプラスの感情だけで構成されているわけじゃありません。愛憎という言葉に代表されるように「プラスとマイナスの感情」が入り混じるものです。

つまり、感情に慣れていない男性は、このマイナスの感情(ネガティブな感情)を苦手にしているのですよ。

その感情を感じたくないと思うだけでなく、誰かと分かち合うなんて発想すら持てない人もいるのです。

だから、ご相談の中でこんなお話を伺うことがあるのです。

「私の彼はずっと悩んで一人で答えを出そうとしているんです。私もいるのにどうしていつも自分勝手に自己完結しちゃうんでしょう。」



もし、あなたが彼と気持ちを分かち合えないことで悩んでいるなら、こう考えてみてください。

その彼は「ネガティブな感情をどう感じないようにするか」ばかり考えているのではないか、と。

そもそもネガティブな感情を切り離せず散々悩んでいる自分のことを「分かってもらえる」と素直に思える人はあまりいないといえます。

そこで「感情を分かち合えばいい」と理解しているのは、恋愛上手で経験豊富な人や、家族などによっぽど愛された人、また自分自身が挫折経験などで追い込まれてどうにもならなくなったとき、人に助けてもらったなどの経験をしている人だと言えるでしょう。

だから、男性は誰かに自分の辛い感情に寄り添ってもらう経験を通じて「相手の感情を理解する・受け止める」ということを学んでいきます。

これはあまりいい例えではないかもしれませんが、たまに「既婚者のほうがなぜかモテる」なんて話を聞くことがありますが、その理由をあえて考えるなら、既婚男性は夫婦関係の中で女性に「気持ちを理解してもらった」という経験を積み、そこから「気持ちに寄り添うことの意味」を知り、かつ「女性の気持ちに寄り添うことで関係性を向上させる」ことを学んでいるから、と考えることもできそうなのですよ。

だから、あなたの無理のない程度でいいので「彼のネガティブな感情を理解したり、認めてあげたりすること」からはじめてみてください。

すると、徐々に「気持ちを理解することの意味」を男性が学び、あなたの気持ちを受け止めようとすることが増えていく可能性がありますよ。



ただ、この例外もありまして、例えば優等生キャラ、エリートさん、ロックマン(超自立男子)の場合はそれに当たります。

このタイプの男性は、とかく失敗しないように(ネガティヴな感情を感じないように)必死で生きている側面があるので、そもそも感情自体を「信頼できない」「無駄なもの」と考えている人がいるといえます。

 

だから、付き合っているんだから(夫婦なんだから)お互いに気持ちを分かち合おうよと提案されても「そんなの無駄、なんの意味があるの?」と考えそうなんですね。
 

もし、あなたのパートナーがこのタイプの方だった場合は、ネガティブな感情に寄り添ってもあまり目に見える効果は得られないかもしれません。このときは、いかに「ポジティブな感情を分かちあうか」を考えてみてください。それで男性がネガティブな感情になれるわけではありませんが、「感情を分かち合うことの意味や重要性」を理解する事ができる可能性があるのですね。

このあたりのことを少し頭の片隅にでも置いておいていただくと、彼とのコミュニケーションがうまくいくようになるかもしれませんね。


今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

【この記事を書いた人】


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区担当」

 

「恋愛」「結婚」「ご夫婦の問題」などを男性・女性の心理面からバランス良く分析し解決に導く人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションは目からウロコと評され、なりたい自分になれると人気。屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。20代〜40代のみなさんにリピーターが多い、年間約400件の個人面談を行う、ちょっとだけ予約が取りにくいカウンセラー。

 

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