毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案を、池尾昌紀・池尾千里、夫婦でさせていただいています。
今週は、私・池尾千里が書かせていただきます。
お読みいただけたらと思います。
涼しいのか、暑いのか、
揺れ動いておりますね。
台風は、大丈夫だったでしょうか。
季節の変わり目、
気温差もありますので
どうぞ、ご自愛くださいませ。
前回の私がお当番の時に、こんな告知をしておりました。
以下
珍しくテーマ予告・・
次に私がお当番の時には、男性が感じやすい「俺がわるい」という罪悪感について書いてみようと思います。
男性は、すぐにここに落とし込んで、「もう別れる」「離婚だ」「出て行け」という極論に、ひとりで到達してしまうんです。女性にしてみたら、
「はっ????????」
ですよね。これに困っている女性は、たくさんいらっしゃると思うのです。
どうしてそうなりやすいのか、その傾向と対策について、お届けしようかなと思います。
今回は、告知のとおり、男性の「罪悪感」について書いてみたいと思います。
パートナーシップでご相談を伺っている時に、もう何回、クライアントさまの口から聞いたことか、そして、私が繰り返したかわからないほど、出てくる会話があります。
私「ご主人(彼)は、罪悪感をお持ちなんですね。」
クライアントさま「罪悪感?!そんなものが(あの人に)あるんですか?!」
罪悪感というのは、「自分が悪いのだ」「申し訳ない」というもので、何か自分に落ち度がある場合に感じる、誰しも、感じたことのある感情のひとつです。
罪悪感の大きさと態度
例えば、百均のお店で陳列されたグラスに、バッグが当たってうっかり落としてしまった。
売り物なのに割ってしまった。こんなケースがあったとします。
そうすると私たちは、慌てて店員さんを呼んで、謝ったり、お代をお支払いしようと考えたり、後片付けを手伝おうとしたりしますよね。
これは、非常にわかりやすい、自分が原因で起こったことで、こちらが悪いと感じているから、起こした行動です。
では、こんな違いがあったらどうでしょう。
百均のグラスを割ってしまった場合。
デパートに入っているお店のグラスを割ってしまった場合。
美術館に展示してあるアンティークグラスを割ってしまった場合。
百均なら、「すみませんでした。お支払いします!」
すぐ言えるのではないでしょうか。
デパートだったら、どうでしょう。
「カード支払いならいけるかな」と心配になるでしょうし、すぐには「お支払いします」って言えないかもしれません。
美術館の展示品だったら、どうでしょう。
値段もつかないような、貴重なものだったとしたら、どうしましょう。
「お支払いします」なんて言葉は、なかなか出てこないのではないでしょうか。もしかすると、言葉を失って、謝罪の言葉さえも出てこないかもしれません。
もしくは、
「だいたいなんで、こんな展示の仕方をしているんだっ!!」
と謝罪とは真逆に、自分を責めるのではなく、相手への抗議が始まるケースもあるかもしれません。
これって、どう違うのでしょうか。
百均、デパート、美術館。
だんだんとグラスのお値段や、価値が高くなるにつれ、罪悪感が大きくなっていきます。
そして、その時に私たちがする行動は、罪悪感が大きいほど、謝ることができなくなったり、自分の落ち度をきちんと認められなくなり、悪い態度になっていくことがあるということなんです。
悪い態度の心理
男性パートナーの言動の中にも、こういった悪い態度を見て、腹を立てている女性は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
話し合いなどのテーブルに着かない。
無反応だったり、無関心だったりする。
怒り始める。
悪い態度の代表的なものではないでしょうか。
グラスを割ってしまった時と同じことが起こるのです。
例えば、朝、「洗濯物を干しといてね」と頼まれていたのに、昼過ぎに、妻が帰ってくるまで、洗濯物が洗濯機の中に置いたままで、忘れていた場合。
「ただいまー」と妻の声を聞いて、「洗濯物忘れてた!」と思い出したとしましょう。
慌てて、ベランダに持ち出して干しながら、
「お、遅くなっちゃったな。ごめんごめん」くらいは、咄嗟に言えるのではないでしょうか。
「ちょっと、うとうとしちゃって」なんて、ほんとはスマホゲームしてたんだけど、妻を怒らせないために、ちょっとした言い訳なんかもできるかもしれません。
これは、洗濯物だからですよね。
罪悪感が小さいわけです。
では、これが、「浮気」だったらどうでしょう。
もう誤魔化せない証拠を掴まれてしまったら、しかも、これで3回目だったら!
「ごめん」って、謝れるでしょうか。
「ごめん」で許されるとは、とても思えないものを、言えるはずもありませんよね。
夫の罪悪感は、洗濯物を干し忘れた時よりも、何百倍も大きくなっているはずです。
もしかしたら、だんまりを決め込む人もいるかもしれません。
「詮索ばっかりするんじゃない!」
「おまえのそういうところがうんざりだ」などと怒り始める人もいるでしょう。
どんどん悪い態度になっていきます。
妻にしてみたら、呆れるような態度ですよね。
でも、グラスの時と同じことが心理的には起こっているのです。
この時、妻にしてみたら、この反省のない悪い態度の裏に、「罪悪感」があるなんて、なかなか思えないはずです。
そりゃそうですよね。
でも、「自分が悪い」が大きければ大きいほど、こんなふうに感じるのです。
「どんなことをしても、許してもらえるはずはないのだ」
「どんなことをしても、この罪は償いきれないだろう」
美術館の割れたアンティークグラスが、もう元には戻らないのと同じように、もうどうにもならない、手の打ちようがないという絶望のようなものが、男性の心の中には、立ちはだかっているようなのです。
すると、もう何もしないという態度になったり、
「もう止めてくれ!」といった心理が、大きな声になったり、怒りのように激しいものになったりするのですね。
まるで反省のない態度の下にほど、男性には「絶望的に大きな罪悪感」があると、女性のみなさんは、覚えておかれるといいと思います。
なぜ、「離婚!」とか極端な結論になるの?
男性と話していると、「なぜ、そうなる??」と不思議に思うことが、女性にはたくさんあるのではないでしょうか。
その中のひとつに、ダメとなったら、すぐ「離婚」とか「別れる」とか、極論に達し、すっかり諦めてしまう思考ではないでしょうか。
男性は、先述のとおり、罪悪感を感じ、それが、大きな罪悪感ほど、それを「どう償おうか」というところが追いつかないようなのです。もう「許されない」という考えに辿り着いてしまうと、「何をしても無駄」「もう触れてくれるな」になってしまうようです。
女性が、何度も詰め寄ったり、責めたりしているうちに、関係の修復の余地がなくなってしまうことは少なくありません。
妻(彼女)に責められる度、妻(彼女)を見る度、ひどい罪悪感を感じるとなると、会いたくないし、話もしたくないというふうになってしまうからです。
テーブルにつかない男性に腹が立つかもしれませんが、彼らは、「何をしても許してもらえないだろう」というところで、絶望しているのです。
女性が求めているもの
しかしながら、罪悪感を持つ男性がすぐに諦めてしまう、というやり方に反し、女性は、全然違うやり方を持っています。
まず、ひとつは、男性が感じている「何をしても許されない」という考え方は、女性には、必ずしも当てはまるわけではありません。
女性が、怒っている時に、一番欲しているのは、
「私のことをわかって欲しい」というもので、共感を求めていることが少なくありません。
それは、女性にとっては、「男性に償って欲しい」というようなものとは違います。
「ただ、私が辛かったのをわかって欲しい」ということであり、「苦しい思いをさせたね」とわかってもらえたり、心を込めて「ごめん」と言ってもらえることなんです。
この部分を抜きでは、女性の怒りはおさまらないわけですが、逆を言えば、これがあれば、女性は許そうとか、やり直せそうという、希望を持てるのです。
(そもそも、女性は男性に比べて、何かあっても、いきなり別れるなんていう選択肢はないことが多いです)
でも、男性は、心に寄り添う、共感や、言葉で謝ることでは、済むはずがないと信じているのです。
そのくらい「自分の罪は重い」と思っています。
ですから、女性は、そんな男性に、自分が求めているものをもらえるように工夫する必要があるんです。
男性は、何もしなくても、パートナーが笑顔でなかったら、元気がなかったら、「俺が幸せにしてやれていない」という罪悪感を持ちます。
女性が、何も責めていなくても、そんなふうに感じているのですから、何かしら、責められたとしたら、居ても立っても居られないような気持ちになるのは想像がつきます。
男性が罪悪感を持っていることを覚えておき、無闇に刺激しないことで、なるべく穏やかに過ごせたり、話ができるようになるんです。
そのためには、女性ばかりが我慢するということではなく、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、ご自身のケアをしたり、ガス抜きや、お休みを取り入れることで、心の余裕を作っておくことがとても大事です。
余裕がないと、イライラするし、爆発的に怒りが噴出!攻撃が止まらなくなる、なんてことになって、男性の罪悪感を大いに刺激してしまうことになりやすいですから。
イライラは、なんとなく相手に伝わるものです。
今にも怒り出しそうな人の近くには、誰も近寄ってきませんよね。
夫の浮気問題が勃発しているのに、心に余裕を作るなんて、どんな難題だと思われるかもしれませんが、何かに取り組もうとする時に、心がパンパンの状態ではうまくいかないんです。
しなやかなアイディア
ふたりの関係をどうしていくのかについては、男性にはアイディアがもうないという状態なわけですから、女性であるあなたが、アイディアを出してみるしかありません。
まちがっても、
「どうしたらいいか、あなたが考えてよ!」
などと投げてしまわないようにしましょう。
彼が、テーブルに着くどころか、離婚届に判を押したものが、翌朝、テーブルに置かれているかもしれません。
女性であるあなたにも、少し余裕ができて、男性のほうも、少し落ち着いた様子が見られるようになったら、どうして欲しいのか、具体的に伝えてみましょう。
場合によっては、直接でなくても、手紙や、メールとかでもいいと思います。
男性は、そんなことをして何になるくらい思っているかもしれせんが、かまいません。
「聞くだけでいいから、気持ちを聞いて欲しい」
「ひと言でいいから、きちんと謝って欲しい」
そして、それが叶ったら、ちゃんと「ありがとう」を伝えます。
「聞いてくれて、ありがとうね」
「謝ってくれて、ありがとう」
許してあげてもいいかなと思えれば、「もういいよ」と伝えてあげるといいですが、まだ、難しそうなら、感謝だけ伝えます。(嘘も無理もしませんよ)
そして、リクエストを伝えます。して欲しいことを伝えるんです。
これは、なぜかといえば、男性は許してもらえないと思っているのです。
「これをしたら、許してもらえる」なんていう発想はないわけです。
「これをしたら、許してあげる」
というものを、リクエストします。
もう二度としない約束でもいいですし、プレゼントという手もあります。
ちょっと高いアクセサリーでも、フレンチでも、旅行でも。
そして、ひと区切りさせる印にします。
それは、いつまでも腹を立てている私や、夫(彼)に償い続けさせる私を、ひと区切りさせるためのものです。
あなたが、夫(彼)ともう一度、やり直そうと思っているのでしたら、是非お試しいただけたらと思います。
この発想は、男性の考えの中には、生まれにくい、女性ならではの、しなやかなアイディアです。
こうすると私を助けることができる、私の役に立つことができるよと教えてあげる方法です。
罪悪感とは、愛のないところには生まれません。
人間の中の良心や愛とは、誰にもあるもので、それ故に罪悪感をも生むのです。
あなたに許してもらえないと思うほど、申し訳ないと感じる心について、もう許してもらえないのだから、消え去りますと決めようとする心を、引き止められるのは、パートナーであるあなた以外にはいないでしょう。
男性の中に発想がないことに、立ち向かうには、たった一人でやろうとせずに、是非誰かのサポートやフォローと共に、取り組んでいただくのがおすすめです。
男性の持つ罪悪感について、知っていただくことで、パートナーシップのヒントにしていただけたらと思います。
お読みくださってありがとうございました。
池尾千里
9/1(日)に開催されました「名古屋感謝祭2019」。
ご来場いただきまして、ありがとうございました。
現在、みなさまからお寄せいただきました、
ご質問にお答えするアフターリレーブログを
スタートしております。
参加カウンセラーたちがお答えしていきますよ。
是非、お読みくださいませ。
【名古屋感謝祭2019★アフターリレーブログ】はたのえり>>>
【名古屋感謝祭2019★アフターリレーブログ】平島愛深>>>
次週、9月16日(月祝)は、池尾昌紀が担当します。
どうぞお楽しみになさってくださいね。
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