男性の優しさの表と裏

■カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもご覧いただきありがとうございます。

さて、僕の職場でもある名古屋・鶴舞駅前にありますカウンセリングサービスの名古屋カウンセリングルーム。

この周辺は名古屋市内でも桜の名所で有名なんですよね。この季節になるとお花見にたくさんの方がいらっしゃいます。今年も見事に桜が咲き誇っています。いや、本当に美しい。桜を見るだけでなんだかジンと、そしてホッとしますね。

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それでは今日のコラムです。よろしければお付き合いください。

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僕のもとにいただくパートナーシップのご相談。その大半が「分別があり、女性からもそれなりに『理解がある』『優しい』男性」とのトラブルなんですね。

今までの関係はうまくいっていた。しかしある時を境に急転直下、彼の言動が変わってしまった。

そんなお話が多いのです。

僕自身、カウンセリングで女性のクライエント様のお話を伺う中で、「なるほど、この男性には優しさがあるよな」と感じることもしばしば。

これは、女性の目の前で対立する男性に優しさを感じるかどうか？という話ではなくて、その男性のココロの中に優しさがあるんだろうな、という意味ですけどね。

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ただ、この男性の「優しさ」。

この優しさにも意外と種類があるというと妙な表現なんですが、いろんな心理の影響が見えるケースも実際にあるんですね。

その男性の優しさが、「心から向けられた優しさ」なのか。

それとも「男性の中の禁止や葛藤の影響によって生まれている優しさ」なのか。

その違いなんですけどね。

前者の優しさの場合、それは男性の意志と包容力を伴います。だから、男性の優しさを感じる女性はとても安心し自分のことを任せることができる事が多いでしょう。

しかし、後者の優しさの場合。男性の強い意志と努力を伴います。だから、確かに男性の優しさは感じるけれど、全てを任せようとまでは感じにくいこともあるかもしれません。

だから後者の場合ほど、傍にいる女性が少し違和感を感じるのです。たしかにこの人は優しい・・・けれど、どこか無理しているような、そんな雰囲気が伝わってくるのです。

典型的なケースは、普段はすごく人がいいし優しい人なんだけど、特定の人を毛嫌いしてボロクソに言っている、とか。車の運転となると人が変わったように暴言を吐く、とか。

そういった事例が典型例でしょうか。

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では、この優しさの質の違い、特に後者タイプの優しさは、どこからやってくるのでしょうか？

この話、いろいろな心理の見立てができる話ですが、今回は「毛嫌いしている男性像」の話をしたいと思うのです。

つまり、普段は優しい男性の心にある影の部分になにがあるのか、なのです。

いわゆる「優しい男性」のご相談を伺うとこういったお話をしてくださる方がいます。

「とにかく偉そうなやつが嫌い」
「自分の力で人を振り回す人が嫌い」
「謙虚さが足りない人間が嫌い」

いや、こういった方、少なくないと思います。いいか悪いかは別にして。

これはその男性にとっての、「力のある男性」に対するイメージなんです。ちょっとネガティヴにふれているんですけどね。

すると、自分はこんな男にはならないぞ、と反面教師的に捉えるようになる男性もいて、その結果「自分が偉そうにしない」という行動を取るようになる。同時に「偉そうな自分」はそのココロの中で禁止されるんですね。

だから優しい男性が出来上がる。

しかし心理学にある「禁止は欲求を作る」の法則から、その男性の「偉そうで自己中心的な要素」は消えているわけじゃない。だから漏れるんです、ふとした時に。

それは怒りや不満、といった形で漏れ出ることがありますね。それが車の運転の時に出てきたり、「自分の毛嫌いする人間≒偉そうな人、自分勝手な人」に向けられるのです。

そういった男性を見た女性から「彼の中に何か闇の部分があるような気がして」というお声を伺ったり。

急に彼が「君は本当にワガママだ」と言い始めた。態度が変わった、冷たくなった、どうして？というご相談を僕に伝えてくださることもあるわけです。

そんな時、もちろんその男性の心の揺れの程度で今後の展開も変わるのでしょうか・・・

「その男性は、努力で優しさをキープしている人なんですよ」

なんてお話をします。

心の中に「こんな自分はありえないと感じる要素」があるから、常に優しさを持つ努力をしているタイプ、と言えばいいでしょうか。

だから、その本人もすっきりしないし、時に自分の優しさをくじかれるとものすごく怒りが出やすいのです。誰しも頑張っていることにダメ出しをされるとイラッとしますものね。

ということで、後者タイプの男性を怒らせると「君はワガママだ」「優しさがない」なんて言い始めるわけですが、それこそ彼の「努力」のありかなんです。

そこには受け容れたくない自分、がいるんですね。

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ちなみに、前者の「ココロから優しさを与えている男性」は、どこかで「どんな自分にもOKを出し、禁止をあまりしていない」事が多いものです。

嫌うものが少ないから頑張る必要があまりない、といいますか。だから自分にも人にも寛容なんですね。

つまり、偉そうにしている人がいても「それなりの事情があるんだろう」と考えて接する力があるので、自分がその要素を嫌う必要がないわけです。

だから本当の優しさは、「自分の向けられたものを受け取っただけ、人に与えられるもの」と考えることもできます。

自分が自分に向けた優しさ、人から向けられた優しさ、双方を受け取るということ。

つい自分に厳しくしてしまう大人な私達だからこそ、覚えておきたいことですね。

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最後になりますが、あなた自身が優しさを持とうと努力されているなら、その自分に。

あなたの周りで、頑張って優しくしている人には、スゴイね、と優しさを向けてあげてください。

その優しさが、心からの優しさを持つ材料になってくでしょうから。

そして、もしあなたが、後者の優しさをもつ彼をこじれ、その関係性を修復したいなら、彼の努力を理解し、あなたが優しくする方がモアベターな選択のようです。

その男性は「自分がワガママで自分勝手な人間だ」と思われることが心外なので怒っているのです。

だとしたら、彼はどれだけの優しさを「頑張って」あなたに向けようとしていたのでしょう。その彼の動機の有無はあるにせよ、あなたなりに受け取ってあげることも愛情かもしれませんね。

今回は以上です、最後までご覧いただきありがとうございました。

【この記事を書いた人】

心理カウンセラー 浅野寿和（あさの・ひさお）

・カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区担当」

※この４月から福岡まで活動範囲を広げます！

恋愛・パートナーシップカウンセリングの臨床数を多数保有。「恋愛」「婚活」「結婚」「ご夫婦の問題・関係性」などを男性・女性の心理面からバランス良く分析し解決に導くカウンセラー。屈託のない語り口と、明快な分析、なぜか笑いが絶えないカウンセリングが好評で高いご予約率・リピート率を誇る。

「心理カウンセラー浅野寿和」オフィシャルブログ