今、本当にうまくいっている彼と「別れた方がいいのかな」と迷っています

■カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもご覧いただきありがとうございます。

この季節の秋晴れ、爽やかですね。外を散歩するだけで気分が晴れやかになります。そういえば、すくすく育ってくれている我が娘にそろそろ動物園デビューしてもらおうかなぁ、と思っているのですが、この季節はちょうどお出かけに良さそうですね。

さて、今日は一つの恋愛ケーススタディとしてテキストをアップしたいと思います。よろしければお付き合いください。

＊＊＊

例えばこんなケース。

彼から付き合ってほしいと言われて３年。この３年間、彼と私の関係は今も順調でした。
が、実は最近別れたほうがいいのかどうか悩んでいます。

彼はとってもいい人です。ホント優しい人で、「疲れていない？」「無理はしないでね」「君のことが心配だから」といつも私を心配したり、私を優先してくれる人なんです。
私、それまで、素直にそう言ってくれる男性と付き合ったことがなかったから、その優しさはすごく嬉しいし、愛されているなって感じていました。私も彼にたくさん甘えていたんだと思います。

ただ、最近私に仕事でチャンスが来ていて、今まで望んでいたプロジェクトに参加しないか、という打診が。ただ、そうなると、私、地方への転勤しなければいけないんです。

彼には彼の大切な仕事があるから、今のまま付き合えなくなる。
この話を彼にしたら「いいじゃない、チャレンジしてみたら」と。「そうなると私たち遠距離になっちゃうけどいいの？」と彼に話すと、「それがやりたいことだったんでしょ？僕は邪魔したくないよ」と。

彼の言葉は優しかったですけど、私にはとてもショックに感じたんです。
「私と一緒にいたくないの？」と聞くと、「そうじゃないよ、寂しいよ。でも君のやりたかったことでしょ」

その言葉を聞いて、急に信じていた彼の気持ちが見えなくなった、と言えばいいんでしょうか。

今までずっとお互いに仕事を大切にしてきたから、きっと彼はそれを思っていてくれるんだと思います。でも、私のことは？と思ってしまう私がいて、不安な気持ちになり、それから仕事にまで迷いが出てきています。

仕事を取るなら、別れたほうがいいのかな、と迷っています。

■「彼の中のあなた」と「この３年間彼のそばにいたあなた」は違うんですね。

僕はそんなイメージを持つんですけどね。

こういったある意味、男性目線で男前だと思える彼は、きっと優しい人なんでしょう。

しかしこの男性の優しさは時に「彼の中にいるあなた」に対して向けられていることがあるかも？なんて、僕はお話をしますけれどね。

私たちは他人のことを、いい意味でもそうではない意味でも「判断」しているもの。

それは自分自身にも同じで、私はこんな人、彼女はこんな人、とある意味決め打ちしている部分があるんです。

ただ、恋愛でも仕事でも「時間の経過とともに、私の中の向き合う気持ちは変わる」ことが十分にありえる。

ここが不一致を起こすと、いろんなすれ違いが起きる場合もあると思うんですね、僕は。

彼の中のあなたのイメージって、今もずっと「仕事を大切にしている人」なのかなぁ、と。

だから彼は「たとえ僕よりも仕事を大切にしているあなた」であっても、受け入れようとしているのかもしれませんね。

それでも「あなたが好き」と彼は思えるのかもしれませんね。

自分のことより相手のことを優先できる人ならば、全ては自分次第で乗り越えられると思う男性ならば、そう考えても不思議ではないかなぁ、と僕は思います。

ただですね・・・。

この３年、彼はあなたを愛そうと与え続けた。

この３年、あなたは彼のそばにいて、もしかすると仕事よりも大切なものに出会った。

普通に考えるとハッピーエンドになるであろうこのプロセスの中で、「別れ」を想起させる理由があるとしたら、おそらくそれは「お互いの自立」であり、「変化への気づき」とその部分のコミュニケーション不足なのかもしれませんね。

■男性の中には「女性の思い・願いを叶えたい、自分のせいで妨げることをとにかく避けたい」と考える、ある意味できた男性がいらっしゃるわけです。

そして、男性もその発想で恋愛してうまくいくことが多ければ、「この方法が正しい」と感じているし、そこに自信の根拠を持つことだってあり得るわけです。

ただ、このような正しさを持つと、その他の選択肢や、相手の気持ちの変化には若干鈍感になる可能性があって、なかなか彼の愛の形が変わらない、ということも考えられる。

まぁ、この３年の間、そして今も「二人の間でうまくいっている愛し方」では、相手が不安になるんだよ、と自発的に気づくこと、かなり難しいかもしれませんしね。

つまり、もしかするとあなたの最も愛すべきモノが「仕事→彼」にシフトしていることが、彼に伝わっていないと、こういったお悩みが起きるのかもしれない、と僕は思うのです。

特に男性は「仕事への愛」ってめちゃめちゃ理解できるのでね・・・。それは大切にしようよ、と悪意なく思う自立男性って意外と少なくないのではないかなぁ・・・と思います。

＊＊＊

この話を読んで「えー３年も一緒にいれば、私の気持ちの変化に気づくんじゃないの？」と思われるかもしれないですね。

いや、気づく人もいるかもしれないですよ。
だから、気づかない人もいると思うんですね。

こう、「私の善意は二人の変化を隠す」じゃないですけど。
それがいい悪いじゃなく、そもそも「うまくいっている関係性」の中では、大きな気持ちの変化は邪魔だと思いません？（笑）

多くの方が、「今が変わらないでこの幸せが続けばいい」と願うでしょうから。

だから、僕はこう思うこともあります。

あなたにとっても「この転勤の話が出るまで、あなた自身の気持ちの変化に気づいていたのでしょうか？」

■ということで。

もし仮にあなたと彼のプロセスがこのような形になっているのであれば、今、あなたの気持ちにちゃんと気づいて、そのコミュニケーションを行うことが、求められていることかもしれませんね。

その結果、分かり合えないことがあって「別れ」を考えるならいいですが、

そこを確かめないまま「別れ」を切り出すと・・・こういった男性って「何も言わず、わかった」といいそうなので、僕ならばそのあたり、ちょいと考えますね。

こう、いわゆる「できた優しい男性（強いオトコ）」は、その包容力で「自分が傷ついても相手を優先する」といえばかっこいいですけど、

んー本音を見せないというか

一気にリリースしてくるといいますか、

驚くほど「グイグイ引っ張ってこない」といいますか・・・。

彼もきっと切ないでしょうに、あなたのために忍耐しそう、といいますか。

そうなると、彼は自分の内面に引きこもって、そのダメージが癒えるまであなたと関わろうとしなくなるケースもあるといいますか・・・。

よく女性の皆さんからのご相談で「彼は辛くないんでしょうか」というご質問をいただきますけど、えー「そりゃ辛い」と僕は思いますよ。辛いけど耐えるところにもまた、男性なりの思い・意味がある。

そこで「私の気持ちは○○で、それは誤解なんだよ」と言えるのは、ある意味「そばにいる女性だけ」といいますか。

逆に、その姿を見て、やっぱり私の不安は当たってた・・・と、あなたもダメージを受けたり、あえて割り切ろうとしたときに、本当に切ないことが起きるといいますか。

もし、そうなってしまう恋愛があるとしたら、それもプロセスなのかもしれませんが、カウンセラーとしてこの段階でご相談をいただいたと仮定すれば

「まず彼のことをなんとなく理解してみましょう。

ちゃんとあなたの気持ちの変化を受け止めて、彼に伝えましょう。

できれば彼に分かるように伝えたいところ。

あなたのいちばん大切な気持ちを隠さないでくださいね。」

というご提案になりますね、多くの場合は。

その彼の気持ちを確かめることが不安であったり、本当に彼の気持ちが読み切れないのであれば、まぁ一度カウンセリングで気持ちの整理、不安の解消・・・もアリなのだと思うんですよ。そういったご相談、僕の場合は多くいただくので、いつでもどうぞ～と思っています。

ただ、一番彼のことを知っているのはきっとあなたなので、あなたの感覚を信頼していただいてもいいのかもしれませんね。

＊＊＊

ということで今日のまとめは

「恋愛でもパートナーシップでも、私や相手の気持ちの変化って知らない間に起こる」ということ、少し心の隅にでもおいておかれるといいのかもしれませんね。

今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。