浅野

カウンセリングサービス浅野寿和です。いつもご覧いただきありがとうございます。

さて、先日名古屋で「カウンセリングサービス感謝祭」を開催させていただきました。本当にたくさんのお客様にお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

僕もその場で、初めて心理学にふれていただく方向けの講演をさせていただいたのですが、今日はその講演のエッセンスを含めてコラムを書いてみようと思います。
 

講演を元にしている内容ですのでちょっと長くなりますがよろしければお付き合いください。

***

カウンセリングをしていると「パートナーと分かり合えない」というご相談は形を変えたくさんいただきますが、その中でも今日は、

『彼に「君は僕のことを本当に必要としているとは思えない」なんて言わちゃいました』

というケースを想定して書いてみたいと思います。


■男性と女性の違い。それはココロもそうですが、そもそもの生きる選択・プロセスレベルでの違いもあるよなぁ、と僕は思うんですね。

意外と男性は、この世に生を受けてから、まず学校に行って、そして社会に出て、結婚し、家庭を作り、子供を持ち・・・というプロセスに、そんなに選択肢が多く用意されていない場合が多いと僕は思うんです。

学校に行く:勉強
その後のプロセス:基本的に仕事

そんなに簡単に割り切れない部分もあろうかと思いますが、しかしどうやらこの流れのまま、であることが多そうです。


一方女性の皆さんは、そうではない部分があるのかもしれませんね。

特に社会に出る辺りからのプロセスは、男性とは違う「選択」の連続のような気が僕にはしているんです。

社会に出て、結婚するかどうか。
もし、結婚したらどこで住むか?子供はもつのか?
子供を持つとしたらどのタイミングで持つのか?
その後、主婦になるのか・仕事を続けるのか?・・・

僕が今、さっと思いつくだけでコレぐらいの選択があろうかと思うんです。その都度、生き方をどうするか?という葛藤が生まれても不思議ではないな、と僕は思うんですね。

だから、例えば、恋愛一つにしても、男性と女性では、持っている観念も違うことって多いと思うんです。


特に男性は、結婚しようがしまいが、仕事がメインになっている人が多いのかもしれないんです。

しかし女性は、結婚するとなると、今まで培ってきたキャリアだけでなく、お友達・環境など、いろいろな覚悟・選択を迫られることが多いのではないでしょうか。・・・こう書いたのは僕は女性ではなくオトコであるから、なんですか。

となれば、自分自身がどう生きるか?を深く考えざるを得ない女性のみなさんがたくさんいても不思議ではないし、だからこそ「パートナーとの関係性」も「今まで培ってきたキャリアなどの財産をどう扱うか」がとても重要になることも、あくまで僕の経験上理解させていただける気もします。

しかし、この感覚は男女で共有できているわけじゃないことも多いので、男性は女性の葛藤や普段の振る舞いの理由を理解できないこともあるかもしれませんね。


そんな状況にある女性の皆さんからいただくご相談として

『彼に「君は僕のことを本当に必要としているとは思えない」なんて言わちゃいました』

・・・これは個人的にズシンとくる重みを僕も感じざるを得ないお話でもあるんですよね。


例えば、必死に恋と仕事を両立させている方であれば、私の生き方、と、恋愛・結婚という部分のどちらに心の支えを求めるべきか、という葛藤をお持ちの場合もあるでしょうし。

もう彼との未来を・・・と、決断仕掛けているときに、パートナーから拒絶をされたとすれば、心の拠り所、気持ちの置き場を失ってしまった感覚がやってきても不思議ではないと僕は想像するんです。

だから、どうして彼はそんな話をしてきたのか?という悲しみだけじゃなく、彼が理解不能だ、という感覚にもつながるかもしれません。


しかし、こういったお話をしてくださる女性の皆さんのお話には、ある意味一つの傾向がある、とも感じていて。

『それでも彼を愛している』

というお話をしてくださる方がとても多いのです。


この話、僕がまだ経験不足で未熟だった頃は、無価値感や執着か?なんて思っていた時期もありました。実際にそういうこともあり得るのかもしれません。

しかし、今、お話をじっくり伺ってそのお心を見つめさせていただくと、時になんとも頭が下がる思いがするといいますか。

あなたは彼をそのレベルで愛せるんですね・・・と感じることも多いんです。コレは心理学だけではなく、僕が女性の皆様から教わったことでもあるんですけどね。

その葛藤や不安の中でも、彼を愛するという選択ができるってすごいことだ、と素直に感じるんです。



■そこで考えるべきはコレかな、と思うことがあるんです。

それが包容力について。

いわゆる男性的な包容力は、「パートナーに何も苦労させていない」というカタチになることが多いようです。

一方、女性的な包容力は、「すべてを受け入れる」「疲れたり、どこか傷ついた相手を受容する」というカタチになることが多そうです。

コレは心理学でいうところの、男性性・女性性の違いなのですが、この「包容力」という愛の形を一つとっても、男女では違うし、その言葉の意味も、解釈の仕方も違うんですよね。

特に自立されている方~自分の意志で相手を愛すると決めている方~ほど、この違いによってすれ違ったり、葛藤される方が多いようです。


つまり男性は、あなたに負担をかけたくない、自分のオトコとしての不足感を感じたくないと思っている。

しかし女性のみなさんが、それぞれお抱えになる葛藤ゆえに、決められないことがあったとき、その姿が男性の不足感を刺激する。

そんな構図が見えてくることがあります。

何が言いたいか、といいますと、女性の葛藤や愛情のカタチを、男性は男性の愛の形、包容力の視点で見ている、ということ。

つまり、男性と女性の葛藤が違うことはなんとなく理解していても、目の前のパートナーの葛藤を理解するときに、その判断材料に使うものは、「自分の愛の形」なのでしょう。

だからすれ違うし、見て感じているものも、その悩みの理由も違う、ということ。

お互いに愛はあるし、見つめている方向は同じであっても、しかし思いが重ならないことってありえるのだろう、そう僕が感じることが多いんですね。

これは「相手に自分自身の葛藤を伝えない」、そんな思い合っている二人がそこにいるのではないか、と僕は想像するからです。

あくまで想像の域を脱していないことではありますけれど、しかし実際の臨床例ではそういった事例は多いです。


ただ、この自分自身の葛藤を表現することが、あなたの中で「愛とは真逆のこと」「更に傷つくこと」という認識があると、なかなかできないかもしれません。

あなたの今までのプロセスで、自分自身が葛藤し不安を抱えていること自体に「恥」「劣等感」を感じていると、これもなかなか抵抗感の前に、開示できないことにもつながります。

そもそもは自立し、人に負担をかけない生き方を追求しているからこそ出て来る成功法則が、どこか逆の意味合いで作用するイメージですね。



■この関係の中で、いい意味で不足していたのは「自己開示」かもしれません。

そして、男女の違いが生む「分からない」部分をそのままにしているのかもしれません。

私たちの学ぶ心理学では、自己開示することも、分からないことがあることも、何ら恥ではないと考えています。

ただ、怖いんですよね。自立されている方にとっては、とても勇気がいることなのです。

そんな時、心理学がお役に立てることは、その心のケアや、勇気の醸成のサポートになることもあります。

例えば男性心理一つとっても、「分からないが分かる・埋まる」は怖れを軽減する作用があります。自己開示も、そもそもカウンセリング自体が自己開示のエクササイズになっていることもありますしね。

 

しかし、わからないままにしておくと、怖れはもっと増します。

すると、この「分からない」や「怖れ」に対して、何らかの答えを僕たちは出したがります。怖いのは嫌だから。


そこで最も早く出せる答えが「私が悪い(のかも?)」なのです。


妙な話ですが、わからないことを前にして、私が悪い、と自分を責めると、それで話の筋が通り、ある意味不安が軽減するんです。

ただ、その結果、自分を責め、そのうちに相手が悪い、何が悪い、と考えてしまうことがありますね。僕たちは人を責めているときだけ、自分を責めなくて済みますからね。

 

もちろんそれは私たちが毒だからではないんです。私が苦しい、からそうなってしまうものなんですよ。

しかし、結果的にあなたの愛する人をあなたが責めてしまうとしたら、ここにどんな感情のループが待っているのか、想像していただけると思います。



あなたにも葛藤し、悩み、不安になることがあったのではないでしょうか?

簡単に決められないことがたくさんあったのではないでしょうか?

あなたが愛していなかったということではないのではないでしょうか?

そこにある事実に、あなたの気持ちにも、ゆっくりとちゃんと向き合ってみませんか。

今はまず、あなたの心のケアと、今、できることを行うことではないでしょうか?


ご相談をいただくと、そんなお話をさせていただくことも実際にあるんですね。


ただ実際は、お互いにうまく思いを伝えられずにいる関係性のご相談って、いわゆる「関係性のデットゾーン」の様相を呈していることも少なくなく、そうなれば分かり合える可能性はどうしても低下してしまいます。

また、ある考え方によれば、「愛し合ったけれど別れてしまう二人がそこにいるなら、それもその二人のプロセスである」と捉えることもできるのかもしれません。

僕もプロセス思考の心理学を学んでいるので、この考え方を否定している立場にはいないんです。

ただこの考え方は「あなたの選択が今の現実を作っている」という考え方の上に成り立っています。

もしそうであるならば「二人がもっと分かり合える、誤解が解けるような手段・知識・癒しを手にする」ことが、今起きるなら、それもあなたの一つのプロセスなのかもしれない、とも考えられないか?と僕は思うのですよね。

***

と、話は長くなりましたが、そんなことを考えながら昨日の感謝祭で講演させていただいていたんです。

ただ、今日の話は講演の中でこの流れでは話していません。30分ではちょっと喋りきれないので別のカタチで話をしておりました。

この話が何かあなたのお役に立てれば、と思いながら、なんだかまとまらない話になってしまいましたが今日のコラムを終えたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

【この記事を書いた人】


心理カウンセラー 浅野寿和(あさの・ひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪地区担当」

 

「恋愛と男性心理」「あなたの自信を培う(恋愛・婚活など)」「パートナーシップや家族の問題解決」「より深いパートナーシップを紡ぐ」のジャンルで高い評価をいただく。どこか屈託のない語り口と、明快な分析、なぜか笑いが絶えないカウンセリングが好評で、高いお客様のリピート率を誇る。


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