■カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもありがとうございます。
さて、皆さんはどんなお盆休みを過ごされましたか?
我が家は久しぶりに実家に戻る時間を作って家族で過ごしておりました。ただ、実家には僕の甥っ子・姪っ子もおりまして、彼らはもう元気いっぱい暴れまわる感じなんですねー。実家でゆっくり過ごすどころか、遊び相手に任命され疲労困憊。遊ばないと「なんでー」と笑顔で一切こちらの話を聞かずにゴリ押ししてくる彼れのパワーに圧倒される時間となりました。
ふー子供はいろんな意味で偉大ですね。
それでは今日のコラムです。よろしければお付き合いください。
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いわゆる「人にヘルプを出さない男性」との恋愛・関係性に関するご相談をいただくことがあります。
一人で考え、一人で結論を出す彼・夫。悩んでいても悩みを口にしない彼・夫。
いろんな事を一人で抱え込んでいるから、更に一人になっていたいと思う男性と、うまく関われないでいるといったご相談ですね。
中には「私といても彼は楽しそうじゃない」「彼のために何もしてあげられない」という切ないお気持ちだけでなく、「どうして彼は・夫はこんなに頑固なんでしょうか」というご質問までいただきます。
そこで、あえて男性・女性の心理の違いから、どうして男性は助けを求めないのか?という部分を導き出すなら、男女で心の安定を図る方法は違う、という部分でしょうか。
女性はどこか人とつながることでココロ・気持ちの安定を図る側面がありますが、男性は一人になることでそれを図る傾向がある、とも言えます。
また、男性は同性の友人とのつながりをとても強固にしますが、だからといって助ける・助けられるという関係を作らない人もいます。
特に僕にご相談をいただくような案件で登場する男性ほど、まぁその内面を人に見せることがないようですね。
一言で言えば、強く生きることにこだわっているとも言えますが、見方を変えれば、人にその内面を見せることが怖い、傷つくようなイメージを持っている男性が多いようです。
だから、責任に応えること、人をサポートすることには、意識が向くのですが、「自分にも同じ目が周囲から向いている」という部分の意識がすっかり抜け落ちていることも意外と多いようです。
そんな男性が作る恋愛や夫婦などの関係性は、どこか一方的。自分が与える側に回っていないと意味が無いぐらい感じているんですよね。
だからなかなか「ありがとう」の一言も言えない、という方も実際にはいらっしゃるようです。
■そういった男性と僕がお話をさせていただくとき、こういったお話をさせていただくことがあります。(以下、会話の一例とお考えください。)
浅野(以下、ア)「例えば、あなたが信頼できる人をイメージしてみてください。それは誰でしょうね?」
クライエントの男性(以下、ク)「会社の同僚の〇〇、学生時代からの友人の△△、あとは、家族かな。妻(彼女)もそうですね。」
ア「なるほど。では、そんな仲間や家族が助けを求めていると知ったら、あなたはどうしますか?」
ク「んー。助けになりたいとは思いますよ。」
ア「素晴らしいですよね、そう思えるって。では、あなたがそう思っていると知ったら、仲間や家族はどんな気持ちになるでしょうね?」
ク「んー考えたことないですね。でも、嬉しいって思ってもらえればいいですよね」
ア「そうですよね。そう思ってもらえれば」
ク「うれしいですよね」
ア「もし、あなたの仲間、例えば同僚や友人が、あなたに対しても同じように思っているとしたらどうでしょう?」
ク「いい仲間、友人を持ったな、と思いますね」
ア「ですよね。なんか嬉しくないですか?」
ク「実際にはあまり迷惑をかけられないですけどね(笑)」
ア「その気持ち、よくわかりますよ、個人的に。大切に思う人には迷惑かけたくないですよね」
ク「そうですね。自分のせいで迷惑かけると悪いなって思いますしね。」
ア「もし、友人が今大変な状況で、実際、助けが必要だけど、『お前に迷惑かけられないから』と一人で耐えていたらどう思います?」
ク「んー、・・・その気持ちもわかるのでそっとしておくかもしれませんね。でも何かあれば相談には乗りたいと思いますよ。」
ア「それ、あなたの家族やパートナーさんの気持ちそのものじゃないですか?」
ク「え?」
ア「あなたの気持ちもわかるので、あなたが一人で悩んでいてもそっと見守ってくれている人ってたくさんいませんか?という僕からの質問なんですけどね」
ク「・・・。」
ア「もし、そんな人があなたの周囲にいたとしたら、どんな気持ちになります?」
ク「・・・ありがたいですよね。でも、自分のことで悩まないでほしいなとは思いますよ。」
ア「では、あなたの友人や家族が、あなたに対して『あなたに心配してもらいたくない、悩んでほしくない』と一人で悩んでいたら、あなたはどう思います?」
ク「それは・・・」
ア「なんとなく僕のお伝えしたいこと、ご理解いただけましたでしょうか」
ク「・・・なんとなく(笑)」
ア「支え合うってこういうことなのかもしれませんよ。お互いに好意や信頼を否定し合うのではなく、信頼しているから相手の思いをちゃんと受け止めておくこともまた、大切なことかもしれませんよね。
一人で悩まないという言葉の意味って、ここにあるのかもしれませんよ。
ただ、オトナになった僕たちは与えたい生き物だから、人を心配したりサポートするのは上手なんだけど、相手の同じ思いを受け止めるのが苦手なのかもしれませんよね。」
ク「確かに。でも、それ得意な人っているんですか?」
ア「そう思いますよね。僕も同じように思うことがありますよ。
ただ・・・例えば、自立している人ほど苦手かもしれませんね。人に助けを求める=迷惑をかける(罪悪感を感じる)と感じている人も少なくないですからね。人によっては、人の助けを借りるって情けない、恥、と思う人もいますしね。
コレが誤解なんですよね。人をアテにすること自体は恥でも迷惑なことでもない。
でも何故かそう感じてしまうから、つい人の手を振り払い、自力にこだわりたくなるんです。ま、恥をかいたり情けないと思うことを受け入れるって難しいじゃないですか?だから、誤解もあるけど、多くの場合、きっと悪意なんてないんでしょう。むしろ誤解の上に成り立った善意というか。
でも、信頼って、相手を信じるだけじゃなく、相手の好意を受け取ることもその一つなんでしょうね。
その視点が持てると、もしかするといろんな人との関係が良くなることもあるんですよね。」
ク「そうなんですね・・・でも難しいな。一人のほうが楽ですから」
ア「そうそう、一人でいれば誰にも迷惑かけてないと思いますし、自分も恥や情けなさを感じなくていいですからね。
でも、あなたの仲間や家族、パートナーさんが、私は迷惑だからあなたをアテにしたくないと思っていたら?」
ク「だとしたらショックですね(笑)」
ア「そうですね。お互いいい関係でいられる人がいるなら、どちらの存在も迷惑でも悪いわけでもないはずですよね?
しかし、私たちはついそう感じてしまうことがあるのかもしれません。ポイントはあなたの思い・感情です。そう分かっていてもなかなか情けないところを人に見せられないのかもしれませんよ。」
ク「そうですね。」
ア「だから、ここまで理解した上で、あなたの仲間や家族、パートナーに『ありがとう』という感謝を使ってみるといいかもしれません。
するとあなたの感情も、相手の感情も満たされやすいですよ。感謝はお互いを幸せにしますし、お互いの意味をちゃんと肯定しますからね。」
ク「なるほど。」
ア「その言葉が聞きたくないですか?あなたの仲間や家族から。」
ク「そうですね。」
ア「自分が大切な人の役に立っているとみんな知りたいのかもしれません。だから『ありがとう』は有効なんです。自分の情けないところをいきなりさらけ出すよりも、より簡単な自己開示かもしれませんし。そこから始めてみるといいのかもしれませんね。」
迷惑をかけられないという善意は、どこかで人をアテにすること=相手への負担をかけたくない、結果、自分が全なるものではなくなることが怖い、いう思いから来ているのかもしれませんよね。
それはそれで一つの思いの込め方なんでしょうが、そう思っている人、意外と多いのかな?とこの仕事をしていると感じます。特に、自己概念がネガティブになるので、どうも苦しさを作ることもありそうです。
だから「ありがとう」が言えなかったり、一人で頑張っちゃうのでしょうけども。
もちろん何でもかんでも人に依存することも、いろいろ問題がでてきます。が、人に全く依存しないこともまた問題が生まれる理由になる。大切なのはその「バランス」なんですよね。
そして、こういった男性ほど、意外と自分をその内面で疑っていることが少なくないもの。だから一人というスタンスを貫いている部分があるようです。
だから、そういった男性にも「ありがとう」は効果的だと考えられますよ。これは自分も相手も愛ある存在だと認めることにもつながりますからね。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
【この記事を書いた人】
心理カウンセラー 浅野寿和(あさの・ひさお)
・カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪地区担当」
「恋愛と男性心理」「あなたの自信を培う(恋愛・婚活など)」「パートナーシップや家族の問題解決」「より深いパートナーシップを紡ぐ」のジャンルで高い評価をいただく。どこか屈託のない語り口と、明快な分析、なぜか笑いが耐えないカウンセリングが好評で、高いお客様のリピート率を誇る。
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