男女は「違う」をベースにパートナーシップを組む方法

毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーシップの問題の修復や、もっと幸せな二人になるためのご提案をさせていただいています。

担当は「池尾昌紀」・「池尾千里」の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信しております。今週は、池尾千里が担当です。よろしくお願いします。

パートナーがこんな場合ってありませんか。

全然わかってない

何を考えているのかわからない

言葉が少なすぎる

実はこれ、女性からだけでなく、男性からもよくお伺いするものです。

女性と男性がお互いに理解し合うというのは、「人間同士なんだから、わかりあえるものでしょ」というものをベースにしながらであっても、なかなか難しいもののようです。

確かに「人間同士」というところでは、女性も男性も同じです。心があるのも同じですね。もっと言えば、心があるということは、「誰かのことを理解してあげたい」という優しさや愛情といったものもあるわけで、パートナーシップというのは、ここでつながり、これが二人にとってのガッチリとした絆となります。

「人間同士」は同じでも、女と男は全然違う

女性と男性の肉体的な違いは、もちろんあります。

そして、それぞれの考え方や感じ方がも全くといっていい程異なります。

にもかかわらず、「同じ」をベースにパートナーと一緒にいると、「あれっ？」と思うことが、どんどん出てきます。そんなパートナーとの「違い」を穏やかな気持ちで「あなたはそうなんだね」と、すんなり受け入れられる状態なら、なんら問題はないわけです。

ところが、一緒にいる時間が長くなり、たくさんの「違い」に出会ううちに、当然受け入れ難いことが出てきます。でも最初は、気を悪くするんじゃないかしらと気を使ったり、わざわざ言うことでもないしと引いたり、たいしたことじゃないと黙って受け入れていくことも、実際多いのではないでしょうか。

ひとつふたつとやり過ごしているうちに、小さな我慢が積もり、そろそろ溢れてしまいそうな飽和状態のままで、パートナーと穏やかに過ごすことって、とても難しいことです。

「同じ」をベースにしていると出てくる、違和感はこれなんですね。

「同じはず」の限界

こんなに愛し合っているんだし

こんなに長く一緒にいるんだし

結婚してるんだし

人間同士だし

いろんな理由をみつけて、うまくいくはずだと、わかりあえるはずだと、パートナーはきっと私と同じだと、思い込もうとしても、闇雲に「違い」を受け入れることには、やがて限界が来ます。

パートナーとの距離を置くことで、なんとかやり過ごそうとする場合もあるでしょう。

でもこれでは、パートナーと離れてしまうわけですから、お互いに相手のことはもっとわからなくなってしまいます。

また、我慢が決壊し、怒りが吹き出して大喧嘩、なんていう場合もあるでしょう。

喧嘩は必ずしも悪いものということはありません。本音を言い合える絶好のチャンスともいえますが、一歩間違えれば、お互いに傷だらけになってしまうコミュニケーションでもあります。結果、大きな溝を作ってしまい、修復に膨大な時間を要したり、最悪な場合、修復不可能になってしまったりします。

二人の関係を穏やかな、良いものにするために、ちょっとずつ飲み込んだものが、やがて関係を崩壊させてしまうものになるかもしれないなんて、いったい誰が望んでいるのでしょうか。

そもそも女と男は「違う」をベースにしてみる

では、パートナーと私との「違い」や「ズレ」とは、どのように付き合っていけばいいのでしょうか。カップルカウンセリングで、よくお話しするのが、「国際結婚」だと思うといい、というものです。

「日本人同士の結婚」と「国際結婚」。

全然違いますよね。

もし、お友だちに国際結婚をした方がいたら、あれこれ聞いてみたくなりませんか。結婚式はどうやってやったの？から、言葉はどうしてるの？ご飯はどんなものを食べるの？あちらの国のご両親はどんな方？などなど、ちょっと聞いてみたい素朴な疑問がいっぱい出てきます。

全然違う文化圏同士が、どう折り合いをつけて、生活しているのか興味出ますよね。

お友だちとパートナーは、当然いろんな「違い」をベースに二人の場所を作っていき、つながりを強めていったはずですよね。そこには、そもそも「違う」ところから、二人にとっての心地の良いものを選択したり、折り合いをつけたり、妥協点をみつけることもあったかもしれません。

しかしながら、そもそも「違う」ということがベースにあったのなら、「違う」ということに、ひどくがっかりしたり、傷ついたり、希望を見失ったりすることは、うんと少ないと言えるでしょう。

「違う」から、どうすればいいかなと工夫するほうへ進みやすいのです。

実際、国際結婚ではない場合は、そんなに割り切ってとはいかないかもしれませんが、それでも、パートナーは私とは違うし、お互いに受け入れ難いものがあるのは当然なこと、と思っておくことで、それは、お互いを傷つけ合うためにあるものでは決してなく、どう折り合いをつけていくか試行錯誤することで得るものが、何かあるらしい、というメリットの側面にフォーカスするのがいいのではないでしょうか。

自分にないものを、パートナーが自分の人生に持ち込むということは、何にも代えがたい、パートナーシップにもたらされる「贈り物」といいってもいいでしょう。

私の人生を何倍にも豊かにするものですから。

お役に立てれば嬉しいです。

池尾千里