毎週月曜日の「恋愛テクニック」は「カップル・カウンセリング」と題して、パートナーシップの問題の修復やもっと幸せな二人になるための提案をしていきます。
担当は「池尾昌紀」「池尾千里」の夫婦カウンセラー。夫婦で毎週交代で発信していきます。
「月曜日:カップル・カウンセリング」のコーナーを、どうぞお楽しみに!
◎カップル・カウンセリングの詳細は以下をご覧ください。
>>>「カップル・カウンセリグ」って何?
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今回の記事は以前の記事の続きになります。
>>>「自分の気持ちが言えない夫が感じていること」
カップルカウンセリングでよくあるケースとして、私が創作したお話です。
カップルカウンセリングは、カウンセラーは私たち夫婦二人のカウンセラーがお話を伺いますが、ご相談に来られる方はカップルでなくとも、お一人で来られる方もおられます。
B子さんもそんな中の一人。結婚していますが、彼女だけでカウンセリングに来られます。
彼女のそもそものご相談は「無口な夫にうんざり。この先、一緒に暮らしていく気になれない。どうしたらいいんでしょう。」というものでした。
この悩みを毎月カウンセリングでお話伺って、数ヶ月が経ったある日のこと。
ある時、夫が今まで発したことのない言葉を言いだした。
その意味がわからない、とカップルカウンセリングに来られたのです。
夫が彼女に発したセリフは、たった一言。
「車で送ってやろうか?」
これだけ。
B子さんは「どういう意味なんでしょう?」「なぜ急に、こんなことを言い出したんでしょう」「お願いしていいものでしょうか?」と困惑しきり。
今回は、こんな話になった流れを書かせていただきます。
夫は本当に無口で、なかなか自分の思っていることを話してくれない。
子育てのことや、夫の実家との付き合いや、パート先での悩みなど、相談をしたいことがあって話をしても「それでいいんじゃない?」くらいしか言ってくれない。
だから、段々と夫を当てにしなくなっていった。
B子さんは、こう言っていました。
夫がこんな態度では、頼りにしようがないし、自分でやるしかない!と思うのは無理がないことですよね。
明らかに夫の態度が悪いわけで、妻の池尾千里などは「そんな夫だったら、やってられないよね!」とご相談者と意気投合して、私を睨むわけです。こっちはいい迷惑です。いえ、我が家でも思い当たる節があるからですが・・・。
しかし、一緒に夫の悪口を言っていても、ご相談者がすっきりしてないんですね。
本当に夫が悪いだけなら、こんな感じにはなりません。
私たちの心は、明らかに相手の態度が悪い時に、相手の悪口を言っていてもすっきりしないことがあります。
そうした場合は、自分にも悪いところがある、と自己攻撃している場合が多いのです。
「こんな態度の夫を責められないと、自分を責めていることでもあるんですか?」
そう話を振ると少しずつ自分の話をし始めてくれました。
B子さんは、夫にすごい遠慮と罪悪感があったんです。
それは、夫との結婚の直前にマリッジブルーになり、何ヶ月も夜が眠れないほど悩んだ。
元彼とよりを戻した方がいいのではないかと、元彼と会うようになり、浮気に発展した時期があった。
途中で、やっぱり夫のことが好きだと気づいて、元彼とは別れて、夫と結婚した。
しかし、その罪悪感がいつまでも消えていなかった、のです。
人の心は、自分を責める気持ちがあると、相手の態度が悪かった時に「どうせ私が悪いんでしょ!」と腹が立つことがよくあります。
怒りで自分の罪悪感を感じないように守っているんですね。
B子さんも、夫が自分の話を聞いてくれなかったり、夫が思っていることを話してくれないことを、表面的には夫に腹が立ちながらも「自分が悪い」と責めていたのでした。
「どうせ私が悪いのよ」という思いは、どんどん夫を遠ざけます。
夫の態度が悪い時に、いちいち罪悪感を感じてしまうからなんですね。
確かに、浮気をしたことがいいこととは言えません。
しかし、マリッジブルーになって何ヶ月も眠れなくて悩んでいる時、人の判断能力はとても落ちてしまいます。
仕方ない理由があった、という解釈では、なかなか納得できないものですが、止む得ない状況があり、深く反省して、今もこんなに悩み続けていること。
そして、結果的に、夫を選び、二人で家庭を作って、子育てをし、家庭を守り、働いてきたことは、間違いのない事実。
これこそ、夫への愛情の証です。
まずは、今までがんばってきたこと、そして、こんなに悩みながらも、夫と一緒にやっていきたいと思っている自分の愛情に気づくこと。
そう、私たちはアドバイスしました。
すると、B子さんは、今までの支えが取れたこともあって、ポロポロと涙を流されました。
自分の中にある愛情に気がついた瞬間だったのです。
そして、自分を責めないこと、小さなことでいいから夫へ何かしらアプローチをすることを提案しました。
夫に対して、挨拶をする、顔を見て話す、優しく気づかいをしてみる。
無理ない範囲で、少しずつ。
このアプローチが段々と夫の態度を変えていきます。
ある時、B子さんは、最近仲良くなったお友達から自宅にお茶に誘われました。
ところが、このお友達の家は、駅から遠く、公共交通機関で行くには不便なところにありました。
車なら簡単に行けるのですが、B子さんは自動車免許を持っているものの、ペーパードライバー。
何年も車を運転していないので、車で行く自信がありません。
そのことで、困っていたところ、突然、夫から言われた言葉が冒頭の「車で送っていこうか?」という夫の発言だったのです。
そこで、私たちは、こんな風に夫の言葉を通訳したのです。
***
最近、妻の様子が変だ。
前は無関心だったり、口うるさかったのに、
あまりイライラしてないみたいだ。
俺のことなんてどうでもいいと思ってるみたいだったのに、
時々、顔を見て話してきたり、優しい言葉や態度をしてくる。
前みたいに暗い顔が少なくなったけど、何かいいことあったのかな?
ん?
何か困ってるみたいだぞ。
こないだ、友達の家に誘われたって言ってたな。
その家が駅から離れてるのかな。
車で行けば簡単なのにな。
***
B子さんは、私たちの夫の言葉の通訳を聞いて、夫が自分を責めていると思い込んでいただけで、実は、自分への愛情を持ち続けていたことに気づかれました。
「もっとわかりやすく言えばいいじゃないの!」とプリプリ怒りながら。
その通り。いくらなんでも不器用すぎますよね。
でも、夫からのこの言葉は、長い間、誤解をし続けていた二人の関係性が具体的に大きく変わり始めたことを意味していたのです。
私たちは、B子さんに、今後は夫の言葉や態度について、「実は自分を愛してくれているかもしれない」という気持ちを感じながら、受け止めてみてください、とアドバイスしました。
「そんなこと、今更、うまくできるかなあ」と言いながらも、B子さんは晴れやかな顔で鶴舞の名古屋カウンセリングルームを後にされたのです。
今回のお話が少しでもお役に立てたら幸いです。
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この「カップル・カウンセリング」のブログ連載では、男性心理を「池尾昌紀」が、女性心理を「池尾千里」が担当し、「男心」「女心」を解き明かしていきます。
合わせて「男心」「女心」を理解しあった二人が、どのように問題を乗り越えていけるのか、という事例を紹介しながら、恋愛・夫婦問題で悩んだり、恋人が欲しい!方へのアドバイスを発信していきます。
手っ取り早く「男女の心理が知りたい!」という方は下記の記事をご覧ください。
>>>「こんな時の『男心』『女心』がわからない!」シリーズへ
また、夫婦の関係性についての記事は、下記をご覧ください。
>>>「夫婦のラブ・クリニック」
今後の「池尾昌紀」「池尾千里」の「カップル・カウンセラー」によります、男女関係改善のためのブログをどうぞお楽しみにしていただけたらと思います。
次週は、5月9日(月)は妻、「池尾千里」が担当します。
どうぞお楽しみに!
池尾千里のプロフィール&ブログ
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