池尾昌紀

毎週月曜日の「恋愛テクニック」は「カップル・カウンセリング」と題して、パートナーシップの問題の修復やもっと幸せな二人になるための提案をしていきます。

担当は「池尾昌紀」「池尾千里」の夫婦カウンセラー。夫婦で毎週交代で発信していきます。

「月曜日:カップル・カウンセリング」のコーナーを、どうぞお楽しみに!

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先週「池尾千里」 が書いた記事「夫婦なんてこんなもの」の続きを、私、池尾昌紀が男性心理から見ていきたいと思います。

◇先週の記事はこちらへ!>>>「『夫婦なんてこんなもの』という心理」


例えば、こんなご相談。

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夫の浮気が発覚。

すったもんだの末、私たちはやり直すことにしました。

そう決めた直後に、夫が会社の大きなプロジェクトリーダーに抜擢。

毎日、たくさんの会議や出張で、家に帰る時間もないほどです。

おかげで収入は増えましたが、気まずさが残っているので、
私の方からは話しかけられません。

こんなに気に病んでいるのに、夫はまるで何事もなかったかのように

働いています。

夫は何を考えているのでしょうか。

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このケースは私の創作ですが、こんなケースで男性はどんな心理でいるのでしょうか。

今回は、その一例を考えてみたいと思います。

◎経済力で家族を守ろうとする男性

前回の記事で、池尾千里が女性が縛られている観念について書いていました。

観念というのは、私たち誰もが、それぞれに持っているルールのようなもの。それには、強い縛りがあります。

「~であらねばならない」「~せねばならない」


といったような、厳しいルールです。


女性が日本的な女性らしさという観念に縛られているように、男性も観念に縛られています。

その代表的なものが「経済力で家族を守る」というもの。


男性は、個人差はありますが、感情を感じるのが苦手、という傾向があります。

また、男は泣くもんじゃない、みたいな感情を表現することが男らしくないという観念に縛られていることも多い。


すると「妻には申し訳ないことをした。そのお詫びに何かしなければ」という罪悪感を抱えた時の行動が、「優しい言葉をかける」という感情を表現するやり方よりも、「今まで以上に一生懸命に働く」というやり方に向かいやすくなります。


今回のケースでは、夫は新しいプロジェクトリーダーに抜擢されて、そのために猛烈に仕事をしているわけですが、その心理には「仕事でがんばって罪滅ぼしする」という、名誉挽回のチャンスにしている可能性があるんです。


◎諦めてしまう前に相手に聞いてみる、という手段

でも、妻からしてみたら「そんなことより家族と一緒にいる時間を作ってよ!」「だったらそう言ってよ!」みたいに思いますよね。


伝えてくれなければ、わからないわけです。

ただでさえ、二人でやり直すことにしたばかりの不安な状況。

妻の気持ちも「本当に夫は私とやり直すことに決められたのかな?」と不安になります。

いくらプロジェクトリーダーになって忙しいとはいえ、ただ仕事に打ち込まれては、こうした不安は大きくなるばかり。

もしかして、自分に興味がなくなったから、仕事ばかりしているのかな?という思いが膨らんでいきます。

そんな月日が蓄積されていけば、当然、もう期待なんかしないでおこう、と諦めの境地になっても仕方ありません。


でも、ここで大切なポイントは「推測だけで諦めてしまう」のはもったいない、ということです。


しかしながら、夫にどう思っているのか、何を考えて日々、仕事に打ち込んでいるのか、その気持ちを聞くのはとても勇気がいること。


なぜなら、もし、推測通り「二人でやっていく気がなくなった」なんてことがわかってしまったら、もう立ち直れないほど傷ついてしまうからです。


もう傷つきたくない、という思いが、夫との距離を作ってしまうのですね。
けれど、たとえ女性から見て「夫の愛を感じられない」けれど、夫は単に「仕事でしか愛情表現できない」と思っているだけだとしたら。


こうした、男は仕事で家族を守ろうとする傾向があることを念頭に置きながら、さりげなく夫の気持ちを聞いてみる機会を作ってみることが、この不安を減らします。


夫がゆっくり休める日があれば、そのタイミングで、たまには二人で呑みましょうか、などど誘ったり、いつもがんばってくれているからと気軽なイタリアンに出かける計画を持ちかけたり。


そうしてゆっくり話せる環境を作っていつも一生懸命働いてくれてありがとう、のお礼から入っていきましょう。


そして、仕事がいつひと段落するのか、あなたの体が心配、とか。

話題をふっていきます。

大切なのは、その中で、とてもありがたいけど、がんばり続けられると私も苦しくなる、寂しくなる、と自分の気持ちを「そっと」伝えてあげてみてください。

その上で、そんなに一人でがんばらないで。一緒にがんばっていきたいんだ。

そんな言葉を投げかけながら、夫の気持ちを聞いてみてください。


ダイレクトに言いすぎると、責められてると勘違いされるので注意が必要です。


お前は子どもか!

なんでいつも私から働きかけないといけないんだ!


そう腹がたつのも当然ですが、感情については「男性には小学生の繊細な男の子」と思って接することが有効です。

何せ、男性は「男らしさ」という厄介な観念に縛られていますから。


そんなセリフ言えるはずがない!と思われる方も多いと思います。

言えない場合は、手紙作戦が有効。


普段のお礼やあなたの気持ちを手紙に書いて渡してみましょう。

そのことで、彼の心が緩んでくる場合もあるのです。


あなたが不安なように、相手も不安。

自分だけじゃなくて、相手の気持ちも同じかもしれない。

そう思うことが、行動に移す勇気をくれます。


今回のお話が少しでもお役に立てたら幸いです。

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この「カップル・カウンセリング」のブログ連載では、男性心理を「池尾昌紀」が、女性心理を「池尾千里」が担当し、「男心」「女心」を解き明かしていきます。


合わせて「男心」「女心」を理解しあった二人が、どのように問題を乗り越えていけるのか、という事例を紹介しながら、恋愛・夫婦問題で悩んだり、恋人が欲しい!方へのアドバイスを発信していきます。


手っ取り早く「男女の心理が知りたい!」という方は下記の記事をご覧ください。

>>>「こんな時の『男心』『女心』がわからない!」シリーズへ


また、夫婦の関係性についての記事は、下記をご覧ください。
>>>
「夫婦のラブ・クリニック」

今後の「池尾昌紀」「池尾千里」の「カップル・カウンセラー」によります、男女関係改善のためのブログをどうぞお楽しみにしていただけたらと思います。


次週は、新春1月4日(月)は妻、「池尾千里」が担当します。
どうぞお楽しみに!


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