池尾昌紀
毎週月曜日の「恋愛テクニック」は「カップル・カウンセリング」と題して、パートナーシップの問題の修復やもっと幸せな二人になるための提案をしていきます。

担当は「池尾昌紀」「池尾千里」の夫婦カウンセラー。夫婦で毎週交代で発信していきます。

「月曜日:カップル・カウンセリング」のコーナーを、どうぞお楽しみに!

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◎「見た目どおりの中身とは限らない」という視点

よく、映画や小説などの物語では、見た目や立ち振る舞いと内面にギャップのある登場人物が出てきます。


「一見、やたらチャラチャラしているのに、実はその内面は、繊細で真面目な男性」とか。

「気が強くて、きちんとしていて、主義主張ができるのに、実はその内面は、心優しくて弱さを隠している女性」とか。


こうした男女が、ドラマの中で衝突しながら、その内面を知ってお互いに惹かれ合っていく・・・。


ありがちなストーリーですよね。


確かに、そんな風に出会ってドラマチックに展開する恋愛が、そうそうあるわけではありません。

でも、見た目と内面にはギャップがある、というのは、意外と多くの人に当てはまるところがあるのではないでしょうか。


この視点は、頭でわかっていても、実際に、誰かと新しく出会っていく時には、意外と忘れてしまうことが多いようです。


例えば、先に書かせていただいた「一見、やたらチャラチャラしているのに、実はその内面は、繊細で真面目な男性」。


このタイプの男性に、ある女性が出会ったとしましょう。


最初は外身や立ち振る舞いから入っていきますから、「なんだこのチャラチャラした奴は!」と初対面の印象は最悪。

ところが、一緒に仕事をしているうちに、意外と真面目に取り組む姿勢や、時折みせる、少年のように無邪気なところに、段々、心惹かれるようになっていったとします。


そのうち、仕事が終わっても飲みにいったり、お茶にいったりするようになるのですが、なんせ、キャラが軽いので、いつも茶化しているようにしか見えないし、私のことを女性として見てくれているなんて思えない。


時々、「もしかして、私のことを恋愛対象として意識してくれてるのかな?」という言葉や態度がチラッと見えることもあるのですが、「私の思い込みだわ。だって奴はチャラいんだから!」と自らを戒めるとします。


でも、実は、彼が恋愛感情を持っていて、彼なりに一生懸命アプローチしていたとしたら。

もったいないことをしている、と思いませんか?


こうした思いをこの女性が持つのは、当然ですよね。

だって、彼の態度がわかりにくすぎるから。

自分の思い込みじゃないかと感じるのも無理はありません。


でも、実際の恋愛のご相談を受けていて感じるのは、こうした時は、相手を好きな気持ちで一杯一杯になってしまって、相手のことを冷静に見られなくなっているケースも多いのです。


また、こうした場合、心理的には、「もし思い込みで私に恋愛感情がなかったとしたら、傷ついてしまう」という怖れが出ます。

ここに、過去の失恋だったり、裏切られた経験などの傷があったりすると、この怖れはさらに大きくなってきます。


私たちは、過去に囚われながら、今を見てしまうものです。

また、傷つきたくないあまり、最悪を想定して心の準備をしてしまう傾向もあるようです。


そうなってくると、目の前の人を客観的にみられないのは、ある意味、当然とも言えるのです。



◎「相手も私と同じ感覚でいるかもしれない」という見方

ところで、この女性自身はどうなのでしょう。


実は、その女性は、先に例をあげた「気が強くて、きちんとしていて、主義主張ができるのに、実はその内面は、心優しくて弱さを隠している女性」だったりすることがあります。


もちろん、恋愛の傾向というのは、ケースバイケースなのですが、チャラチャラしてて軽い奴!に惹かれる女性で、こうしたタイプの方から、こうしたお話を聞くことがあります。


恋愛感情を持つ相手というのは、「自分のタイプと反対の人に惹かれる時」と、「自分に似たタイプに惹かれる時」がありますが、「反対のタイプだと思っていたけど、実はよく似ていた」というケースも多いのですね。


このケースでは、きちんとしている女性にとっては、相手の軽さは頭にきますが、その反面、その自由さや明るさが羨ましいと感じる場合があります。

さらに、その内面まで見ていくと、お互いが「繊細でシャイで優しい心の持ち主」であったりします。

自分に持っていない魅力に惹かれる一方、内面では、共通する部分を持っているから、相手を好きになる。


恋愛のご相談では、こうしたケースがとても多いのです。


そう考えてみると、役に立つ視点があります。

それは、「相手も私と同じ感覚でいるかもしれない」という見方です。


この見方をしていくためには、相手の内面と自分の内面の共通点を探っていく必要があります。

相手と会話をしていく時に、内面の共通性がないか、という視点で見てみます。

この視点を持ってみていくと、「あ、この場面でのこの振る舞いは、私に似ている」といった気づきがある場合が出てくるのですね。


もちろん、こうしたことをやっている時でも、自分の思い込み、勘違いである場合だってあります。

恋は盲目、というように、相手のいいところばかりが目に入ったり、自分と似ているはず、という思い込みが客観性を失うこともあります。


そこで、おすすめは、共通の友人に手伝ってもらう、ということです。


私の恋愛を応援してくれる人がいてくれるのが心強いですが、そこまででなくても、人間関係を円滑にするために相手のタイプを知りたい、という切り口で相手のことも、自分のことも知っている人に意見を聞くというやり方でもいいと思います。


そうすることで、第三者の目が入りますから、思い込みの部分を減らすことができます。


ただ、こうしたやり方を逆手に取って近づいてくるタイプの人もいるので、注意が必要なところはあります。

第三者の意見は、こうした「もしかしてだまされているかも」という思いを確認するのに役立つことがあります。


お話の続きです。

もし、表現方法は正反対でも、内面は似ているとしたら、彼の発言を「もし自分だったらどういう気持ちでこの言葉を話すだろう」と考えてみましょう。


シャイな方には多いのですが、思っていることと反対の言動をついしてしまうことがあります。


もしあなたが、本当の気持ちを隠したり、恥ずかしさのあまり、茶化したり、ごまかしてしまうところがあるとしたら、あなたの本心は実際の言動を反対に翻訳しないとわからないことになりますよね。


相手にも同じことが言えるかもしれないのです。


実際のところはわからないのですが、「もし私だったら」あるいは「もし相手の気持ちが言動と反対だったら」という問いかけをしてみてください。


いってみれば、相手の言葉を反対に翻訳しながら聞く、みたいな感じです。


そうすることによって、今までと違った相手の姿が見えてくることがあります。


茶化してばかりいるけど、実は照れているみたいだ、とか。

乱暴な言葉を言うときは、優しさを隠している時だ、とか。


それが相手の理解につながります。

また、相手の気持ちが理解できたら、次に、どのように言ってあげたら喜ぶのか、どうアプローチするとシャイな壁を抜けていけるのか、が見つかることがあります。


これが、相手との距離を縮めていくヒントになることもあります。


今回のお話が少しでもお役に立てたら幸いです。

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この「カップル・カウンセリング」のブログ連載では、男性心理を「池尾昌紀」が、女性心理を「池尾千里」が担当し、「男心」「女心」を解き明かしていきます。


合わせて「男心」「女心」を理解しあった二人が、どのように問題を乗り越えていけるのか、という事例を紹介しながら、恋愛・夫婦問題で悩んだり、恋人が欲しい!方へのアドバイスを発信していきます。


手っ取り早く「男女の心理が知りたい!」という方は下記の記事をご覧ください。

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また、夫婦の関係性についての記事は、下記をご覧ください。
>>>
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今後の「池尾昌紀」「池尾千里」の「カップル・カウンセラー」によります、男女関係改善のためのブログをどうぞお楽しみにしていただけたらと思います。


次週、12月7日(月)は妻、「池尾千里」が担当します。
どうぞお楽しみに!

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