毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーシップの問題の修復や、もっと幸せな二人になるためのご提案をさせていただいています。
担当は「池尾昌紀」・「池尾千里」の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信しております。今週は、池尾千里が担当です。よろしくお願いします。
最近、妻がイライラしている。
帰宅しても、ツンケンしている。
話しかけても、言葉が短い上、なんか怒ってるみたいな気がする。
食器を洗う音も、ガッシャンガッシャン騒々しい。
こどもたちにも、口うるさいことこの上ない。
ずーっとガミガミ、すごい血相で怒っている。
妻がトイレに入って、バッタンとドアが閉まったと思ったら、
「はぁぁあ~」
と、ものすごいため息が聞こえてきた。
気をつけろ、俺。
刺激しないように、細心の注意を払って距離を置け。
そうっと、別の部屋へ移動せよ。
「はぁぁあ~」
また、妻のため息が聞こえる。
危ない危ない。
と、なんだか様子のおかしい妻に気を使いながら、お過ごしの夏の夫たちへお送りします。
本日の記事は、「夏休みに子どもと過ごす妻について」です。
こどもたちが夏休みに入り、1日中、家にいる状態の家庭の妻たちは、なかなかに過酷な日々を過ごしています。
毎日学校に行っているこどもたちが、エネルギーを持て余したまま、家でごろごろ、もしくは、飛び回っているのですから。
お昼ごはんを作るのも大変だし、家にばかりいてもと、外に連れ出せば、家のことは片付かないし。
こどもの宿題だって、たくさん持ち帰っていますから、放っておいては、期日までにうまく片付きません。
気にかけて、時々は見てやらねばなりません。
こどもの相手をするのは、なかなかエネルギーを使うのです。
妻の様子がおかしいのは、そんな日々に少々くたびれているからです。
でも、休んでいる時間もないのです。
「ただいま~」
夫が帰ってきた時、妻に笑顔がないのもそのせいです。
にっこり「おかえり」って言ってあげられないことが、いいことだとは、もちろん思っていません。
でも、心に余裕がないのです。
夏休みで、毎日こどもがいて、大変。
子育て、大変。
家事が、大変。
そう思っているのですが、と同時に、そんなこと言っちゃいけないとも思っています。
だって、母だし、妻だからです。黙って、ちゃんとこなすのがよいはずです。
でも、余裕がなくて、もうイヤーってなってしまいます。
夫の前で、妻が悪い態度を取る時。
ぶっきらぼうだったり、笑顔がなかったり、大きなため息だったり、洗い物がガッシャンガッシャン騒がしかったり、ぶーぶー文句ばっかり言ってたり、そんな時は、妻は心の中でこう言っています。
「気がついて!」
夫だって、そんな悪い態度の妻に、腹を立てたくなるかもしれませんね。
外で働いて、疲れて帰ってきて、その態度は何なんだよって。
そりゃ、そうですよね。夫の言い分もありますよね。
でも、妻も、1日がんばっていました。全部放り出してしまうこともなく、なんとか今日もがんばりました。
こどもたちが眠って、妻とふたりになったら、ちょっとこんなふうに声をかけていただけないでしょうか。
「夏休みで、こどもたち、大変だろう。」とか。
「毎日、ありがとう」とか。
妻は、もしかしたら、何か話し始めるかもしれません。
こどもたちのことかもしれないし、今日行ったプールのことかもしれないし、スーパーでの買い物のことかもしれないし、ご近所さんのことかも、いや、ちょっと最近太っちゃった話しかもしれません。
でも、「うん、うん」って、聞いてあげて欲しいんです。
気の利いた言葉は、必要なくって、
「へえ、そうなんだ。」
「大変だったね。」
くらいを言ってもらえたら、妻は、随分と晴れやかな顔になることでしょう。
たぶん、それだけで、また妻は、明日もがんばれてしまうのです。
気にかけてもらった、大変だってわかってもらった、それだけでも、妻は気分いいんです。
大荒れの妻が発信しているメッセージは、初めは実のところ、そんなに難しいものではないのです。
ただ、辛い気持ちに気が付いて欲しくて、わかって欲しいだけといってもよいくらいです。
でも、夫が妻から、距離を置いて、放っておいてしまうことで、夫に対して、素直になれなくなったり、すっかり腹を立ててしまったり、諦めてしまったりすることで、コミュニケーションは、どんどん取りづらくなります。二人の関係性が、怒りや悲しみ、諦めのせい難しくなってしまうんですね。
素直に、自分の言葉で、想いを伝えるというコミュニケーションは、「余裕」があまりにもない時には、難しくなってしまいます。伝える言葉に、怒りやニーズがくっついてしまうと、相手は責められているような気持ちになりますから、素直に聞けなくなってしまうのですね。
日頃から、小さな日常の出来事について、こんなことがあったよ、その時、こんなふうに感じたよ、そんなたわいもないコミュニケーションが、相手を理解することにつながります。もし大きな問題が起きた時にも、対処できる基盤となるのです。
夫は、妻は、こうすると悲しいだろうな。こうすると、喜ぶだろうな。
それがわかると、お互いを大切にできます。絆というのは、こうやって強くなっていくのです。
今日の記事を「そうそう」と大きく頷き、「この記事を、夫に読ませたいくらい!」と呟きながら、読んでくださった皆さん。是非、夫が、そそくさと避難してしまわないように、(なるべく)優しくしやすい態度で、いらしてくださいね。そして、わかって欲しい気持ちは、不機嫌な態度で示すより、易しく、理解しやすい言葉で伝えるほうが効果がありますよ。
そういう私も、カリカリ余裕のない時は、決まって、洗い物が手から滑り落ちます。
夫が別室へ安全確保のために姿を消さないよう、十分気を付けたいと思います。
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この「カップル・カウンセリング」のブログ連載では、男性心理を「池尾昌紀」が、女性心理を「池尾千里」が担当し、「男心」「女心」を解き明かしていきます。
合わせて「男心」「女心」を理解しあった二人が、どのように問題を乗り越えていけるのか、という事例を紹介しながら、恋愛・夫婦問題で悩んだり、恋人が欲しい!方へのアドバイスを発信していきます。
手っ取り早く「男女の心理が知りたい!」という方は下記の記事をご覧ください。
>>>「こんな時の『男心』『女心』がわからない!」シリーズへ
今後の「池尾昌紀」「池尾千里」の「カップル・カウンセラー」によります、男女関係改善のためのブログをどうぞご愛読いただけたらと思います。
今回の記事がお役に立てれば嬉しいです。
次週、8月9日(月)は夫、池尾昌紀が担当します。
どうぞお楽しみになさってくださいね。