■カウンセリングサービス の浅野寿和 です。いつもご覧いただきありがとうございます。
■さて、今日のテーマはこちらです。
真面目、いい人。そんな彼の盲点。
例えばこんなケース。
とても誠実、謙虚、真面目。ちょっと不器用で気が利かない人。でもそんな彼だから私は好きになったんですよね。彼と私はもう彼氏彼女みたいな関係だったと思うんです。
一緒にいる時間も長いし、二人で遊びに行ったり旅行に行ってもまるでカップルにしか見えない。
私は嬉しかったんだけど・・・その時の彼の表情が今も忘れられないっていうか。強張っていて苦笑いするような感じで。
そう。彼はずっとまだ二人が付き合ってるってことを曖昧にしたままだったんですよね。私も「私たち付き合ってるよね？」って聞くことが怖くてそのままにしてきたんですけど。
もちろん一緒にいるとすごく安心できるし楽しい。彼もそう言っているんです。私も同じ。だから形にこだわらなくてもいいのかなぁ？とも思っていたんですけど。
でもやっぱり彼の口からちゃんと聞きたくて私から彼に聞いてみたんです。
そしたら彼が「ごめん」って。
「え？」って私が聞き返したら、ただ「ごめん。もう二人で合うのはやめよう」って。
よくよく話を聞くと、彼には学生時代から長く付き合っていた女性がいて別れてしまった。彼女との事が今も忘れられない、彼女に申し訳ないことをした、とずっと気になっていると言うんです。そのことが引っかかって恋愛にはまだ前向きにはなれない、と。
「こんなことを話すのは本当に申し訳ないし、君のためにもならないから、もう一緒にいないほうがいいんじゃないか？」って。
その場はそっか・・・としか言えなかったんですけど、時間がたつほどショックで。それから彼からの連絡は全くなくて。たまに他愛のないメッセージが来る程度で。
私は一体どうしたらいいんだろう？って。友達に相談すると「やめときなよ」って言ってくれるんですけどね。
ということで、真面目でいい人だけれど、過去に恋愛で受けた傷を持っていて前に進む気がおきない男性について今日は書いてみたいと思います。よろしければお付き合いください。
■今回のようなケース、女性のお友達がいう「やめときなよ」ってアドバイスはある意味頷ける意見だなと思う部分があるんですよね。
こういう話を友人にすると、友人が信じられない！って怒っちゃったりすることも少なくなくて、そういう友人がいるって素晴らしいことだと僕は思うんですけどね。
今回のような男性の行動って、今までずっと付き合う気がないのに付き合ってるような態度をずっととってきたと考えられるから。純粋に彼を好きになった女性の気持ちって大切にされてないことになっちゃいますからね。
あなたのことを自分のことのように捉えてくれる友人ってありがたいものですしね。
さて、このようなお話を聞くと、彼の良い人っぷりは健在で、ある意味嘘をついていなかったり、彼なりにですがあなたに対する誠意を見せようとする態度が見えないわけじゃないから逆に辛いというか。
もちろん彼のことが好きという気持ちがあるから、彼を責められない私と出会っちゃって、感情的にも態度的にも我慢が募ってしまい苦しくなってしまうのかもしれませんね。
確かに彼はあなたに前触れもなく「別れよう」というトドメを刺しているんですけどね。彼をひどい人とバッサリ切り離せないというか。それがいいかどうか別にして、感情的にはまだそう出来たほうが楽なのかもしれない、と僕もお話を聞いていて感じることがあります。
そして何より、さっきまで一緒にいて楽しかった二人の関係が一気に崩れた。その現実をなかなか受け入れられないこともあるかもしれませんし。
■さて、このようなケース。「彼は一体何を考えていたの？彼の気持ちが知りたい」というご質問をいただくことがあります。
そんな時、僕がお伝えするポイントがいくつかあるので、今日はその部分について書いてみたいと思います。もちろんこれは一例でこれ以外に言えることはたくさんあるんですけどね。
・確かに彼は「真面目で誠実」なタイプと言えそう
こういうお話を聞くと、彼が彼なりの「スジ」を通したくなっているのだろうと僕はいつも感じます。男性は何事も筋道を立てて物事を考える傾向が強いですし、今回のケースでは自分を許せないという部分、これを変えないことで自分の中での心の安定のようなものを感じたいと思うことが少なくないからです。
目の前にいるあなたのこと云々、というよりは、このようなケースでの彼の発想は「自分の中での責任をとる」みたいなもの。過去に女性を大切にできなかった自分を悔いていて、そんな自分を罰し訂正するまでは誰とも付き合わないという発想。
これをあえていい意味で捉えれば誠実な発想やストイックさを持った男性だと言えるんですよね。
だから付き合っている間、彼がどんなつもりだったか？は横において考えると、きっと女性に対して酷い態度や辛い言動はあまりしないタイプであることが多いです。僕の経験上、これが嘘ってことはあまりないと思いますよ。
ただ、あなたと一緒にいる間、彼がどんな気持ちだったか？を考えると・・・。「あなたと一緒にいる時間の楽しさや充実感で満たされ、心理的な自己攻撃が減って楽になっていた」ことと、「このままではいけない」といった抵抗感が生まれていても不思議じゃありません。
彼だって揺れるのです。誰だって自分を愛してくれる人や自分の愛情を受け取ってくれる人と一緒にいたいと思いますからね。
二人の関係が曖昧なままであれば、彼は自分の中にある感情を見なくて済む。ここに彼のあなたとの関係性の唯一の心の置き場所ができるから、これがいいかどうか別にして、曖昧な状態を続けたくなる。
これは彼の中でも「甘え」だと認識される事が多いかもしれません。また、彼自身の中には昔の恋愛が色濃く残っていて、今あなたの好意を受け入れることにもどこか「甘え」のようなものになってしまうと感じる男性もいるんですよね。
すると彼は今の関係は受け入れられなくなる。あなたの好意を受け入れることは、「許せない自分をあなたに渡す」ような状態になると考えるからです。それは彼のストイックさが許さないわけです。
・ただ女性の気持ちが見えているかどうかは？
確かに一緒にいる間、彼はあなたを大切にしたかもしれません。このようなタイプの男性は女性を大切にするのが当たり前だと考えてる部分はあるでしょう。
ただ気になるのが・・・彼はその自分の気持ちの裏で、一体何を見て何を感じていたのか？
正直、そんなにまでに自分の内面に向かっている彼の意識があったとして。では今まであなたに向いている時間はどれだけあったのだろう？と僕は考えてしまいます。
それは彼があなたと過ごした日々で見せた表情・話した言葉が全て「嘘だった」ということが言いたいわけじゃないんです。
いい人だったり何事も正しさやスジを通そうという意志が強いって、それはそれで良い事なんです。が、自分の中の信念や価値基準が強くて、悪意なく相手の気持ちを踏み倒してしまうことがあるんですよね。
だから・・・少し客観的に見ると彼の言動は結構ハードなんですよね。
あえて表現すれば、あなたと付き合うような素振りを見せて、でもあなたが愛情を確認した瞬間ノーと告げる。相手を振り回す言動になりかねないわけで、あなたにそう思われるリスクがある態度とも言えなくはないわけで。
でもこれが、彼の価値観や信念の中で、良い事だと思っているフシがあるところがこのタイプの特徴と言えるかもしれません。
今の自分では、あなたと向き合い切れない。ならば、自分は結果的にあなたが幸せになるような態度をとっていると感じている。これが心のブラインドになって、現状を冷静に捉えられなくしている部分があると言えそう。
それは彼の内面にある「自分は女性を大切にできない、不幸にする」だとか「自分の中に過去の女性がいる限り誠実ではない」という部分が根拠になっていることが多いものですけどね。
ただ、それが実際どうなのか？はまた別問題なんですよね。正直、このタイプの男性はこういう発想にハマりやすいかも、と思います。
・そんな彼はもしかすると自分を変えたいと思っているかも？
さて、彼はどうして自分を許せず、自分を愛してくれる女性を遠ざけるのか？という部分。
ここを彼自身が変化させたい、自分を変えたいと願っている部分って少なからずあるような気がします。でなければ、恋をしようと思わずに一人でいることを選ぶはず。でもどうすればいいか？分からなかったり、自分を諦めちゃってる部分があるのかもしれません。
そんな時、恋愛の中で自分の気持が変わるかな？とか。自分が熱中できるものがあれば大丈夫か？とか、色々考えることもあるのかもしれませんけどね。
恋愛での傷は恋愛が一番の特効薬。確かにそうなんですが、恋愛での傷が既に自己攻撃や自己批判にまでいたっていると、ちょっとすぐには自分を許せなくなることもある。
そんな時、男性は仕事に打ち込んだり、プライベートを充実させたり・・・いろいろと自分を高めたり整える行動に出ることがありますね。そうやって自分を許せるだけの材料を手に入れようとするのかもしれません。
だからこそ、今の自分ではダメ、という発想。これが別れよう、ごめん、という彼の発言に繋がる。「今はまだ」彼にとって恋をするタイミングじゃないということ。今は少し時間が必要なのかもしれないんですよね。
だから、彼との関係をもう一度・・・と考えるならば、今すぐには答えが出ないケースも少なくないんです。
一度客観的に状況を見て、そしてそれでも彼がいいと思うなら、一度関係を手放して、少し距離をおいた感じで彼のサポートや関わりを持つ方が、とりあえずはベターかと思います。
そこで、いろいろな意味で彼を応援してあげる、彼の価値を見てあげる、彼を見守るいう手法は使えないことはないんですよね。もちろんあなたにその余裕があれば、という大前提があるのですけれども。
逆に彼の想いを一気に爆破すると関係性が戻ってこない可能性がすごく高まると言えそうです。
■とはいえ、このようなケースでNOを出された側の心理って、計り知れないほど苦しくて切ないものだと思うんです。
まずはこの気持のケアは大切にしてほしいなと思います。一人で抱えきれないならそれは誰かに話す、頼りにすることから始めてもらえればと思います。
そして今回のケースは「あなたに何かが足りない」だとか、「彼の気持ちは嘘だったの？」という部分にハマるとより苦しくなると思うんですよね。もちろんハマっちゃいけないということじゃないんですけどね。
こういったお話をお聞きするとまず僕は「あんまり無理してしまうと逆効果かも？」というお話をすることが多いでしょうか？
彼を追いかける、彼に何で？って迫る。逆に何も出来ずに一人で耐える、忘れる努力ばかりする。どちらにしても結果、ご自分を責めるコトに繋がっちゃうことって少なくないものですから。
私が気づかなかったのがダメ、私に魅力が足りなかったせい・・・。それだけじゃなく「彼にあんなことを聞くんじゃなかった」と後悔してしまうこともあるのかもしれませんね。
でも、あなたの持っている答え、おそらくどれも違うかもしれない・・・と僕は考えてしまいます。
少し時間が必要なケースだからこそ、まずは自分を大切に扱うことから始めてみては？と思います。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
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