■カウンセリングサービス の浅野寿和 です。いつもご覧いただきありがとうございます。
日曜あたりからの大寒波、凄いですね!
名古屋も雪が降り未だに自宅の周りに雪が残っております。普段、雪に慣れた生活をしていないものですから、なかなかドキドキしますよ。
そして月曜の夜のこと。先月、名古屋・鶴舞にできましたカウンセリングルームから駅に向かう途中に、渡らねばならない歩道橋があるのですが、なんとそこが凍てついていて!・・・実は3回ほど滑りました
スロープが凍って滑り台状態。危ないなぁ~と学んだはずなのに、自宅の最寄り駅を出た瞬間、また滑りました・・・
コケたら痛いでしょ、ココロが(笑)ちょっと恥ずかしいですからねぇ。まぁいろんな意味で今年の滑り納めだと思うことにしてますが?しかしここまで滑るって・・・もとい凍るって凄い。
寒さ厳しくなってきてます、みなさまもお体ご自愛下さいね。
■さて今日のテーマはこちらです。
愛情を循環させてますか?
例えばこんなケース。今日は「愛したい人」「助けたい人」についてのお話です。
「彼ともう何年一緒にいるだろう?最近彼の表情がいつも冴えないんです。
恋が始まったことは本当に幸せで楽しい記憶ばかり。どこにいても何をしてもも楽しくて幸せを感じていた。
けれど彼と一緒にいる時間が長くなって、なんだかスレ違いが多くなってきて。昔はお互いにお互いのキモチや好意を喜べたはずなのに・・・今は何だか空虚な感じさえするんです。
私が彼のためにしてあげるコト。それはきっと彼のためになると思って頑張ってきたことばかり。
彼が私のためにしてくれるコト。それがきっと彼の愛情だって信じてきたんです。それを一度も疑ったことなんてない。
きっと彼も同じだって思う。そこも疑ってないんです。
でも、最近の彼はいつも元気が無い。励ましてあげても、優しくしても、そっとしておいても元気が無い。
それが最近凄く気になって、凄く嫌な気分になるんです。
そんな彼が口にする言葉はいつもこんな感じ。
「いいよ」「大丈夫」「無理、しなくていいから・・・」
私、無理なんてしてないつもりです。でも本当はどうなんだろう?って最近思うんですよ。やっぱり無理してるんでしょうか?それとも・・・元気がない彼こそ、何か無理をしているんでしょうか?
彼が元気になるにはどうしたらいいの?私は彼の笑顔がもう一度見たいんですよね。」
オトナの恋愛、僕達がいう「与えることが愛情の証」だと感じている男女の恋愛の中では、こんなスレ違いが起こることもあるようです。パートナーを愛したい、でもパートナーが元気じゃない。それがずっと気がかりだというケース。
時にはその気がかりが不安に変わって、二人の関係を少しづつ疑い始めたりすることもあるかもしれませんね。
今日はそんな男性がうかない表情を作る理由。もちろんたくさんあるんですが、その一つを書いてみたいと思います。よろしければお付き合いください。
■多くの男性が男性がうかない顔を作っている時って、一言で言えば自分の中で何かしらの「不十分さ」を感じている事が多いようです。その理由はもちろんの男性ごとで違うんですけどね。
ともかく男性の愛情表現は現実的、物質的になりやすく、しかも「与える」という行為に価値を見出していくものです。それがうまく循環している「与える」→「受け取ってもらえる」という形が成り立っているとき、男性がうかない顔をすることはあまりないのかもしれません。
僕の師匠がよく話しているんですけどね。
男が「お前は(楽できて)いいよなぁ~」なんてニュアンスの話をする時は、男性の中に自分の愛情が十分であると実感している時だ、という話。正しいかどうかは別にして、感覚として本当にそうだなぁと僕も思うことがよくあります。
その逆のお話。
以前にも書いたかもしれませんが、僕が以前に見たあるドラマのセリフ。それは「夫婦のピンチ」のシーンにこんなものがあるんですけどね。
女性が「あなたは私のこと、何もわかってない!」と話すと、男性が「うるさい!俺だって必死だし、俺は今仕事で認められているんだ!」と返す、というシーン。
女性のわかってほしいという想いに、仕事で認められていると答える男性。冷静に捉えると何だか咬み合わない会話ですよね?
何だか二人の間に表現されていない「感情」があって、かなりの行数がすっ飛ばされている感じです。
それは、男性が「どうして仕事を頑張っているのか?」だとか。女性がその男性の頑張りをどう感じているのか?だとか。いろいろですね。
でも、実際にケンカになった時にこう答える男性は少なくないだろうと僕も思いますし、僕自身もこう話したくなるだろうと思うんですよ。その気持ちはわかる気がするんです。
あえてネガティヴに理由を書けば、毎日自分が仕事で頑張っていたり、いろんな意味で与えていることを理由に、相手の言葉で刺激されている罪悪感を回避したくなるって感じでしょうか?
それぐらい与えられない自分って、男性にとっては心苦しい自分を感じることだったりするんですよね。そしてそもそも「自分が相手の好意を受け取る」という発想をかなり持てない男性が多いということも事実のようです。
■一方、与えたい男性がいるように「与えたい女性」がいらっしゃることも事実。
もちろん与えることはとても素晴らしいことです。それ自体に問題なんてありませんよね。しかし与えようとすることは受け取る意識とのバランスが悪くなっている可能性にも繋がります。
言い方を変えれば、与える愛情表現が大切だと感じられる「成熟さ」が強すぎる場合、という方がいいでしょうか。
心理学でいう「男性性」と「女性性」。
これをあえて簡単に表現すると「男性性」は何かを与える力、「女性性」は何かを受け取る力を司ると考えられています。
ここで今回のケースについて考えてみましょう。
上で書いた例のように、彼が元気が無い、彼が「無理しなくていいよ」と話している時って、彼は自分の男性性、与える力に自信や良い評価を与えているでしょうか?という問。
僕の答えは「良い評価を与えていない」事が多いだろう、です。そしてそのネガティヴな自分への評価は彼自身も自覚できないほど漠然とした感覚になっていて、慢性的に不安や不全感を感じている可能性が高いぐらい思います。
そこに女性の愛情が「与える」という形で入ってきた時。彼は彼自身をどう感じるでしょうか?というのが今回僕がお伝えしたいことだったりします。
どちらにも悪意なんてありません。むしろ愛情しかないケースだってありえるでしょう。
それでも、です。
元気が無い男性に女性が与える形で愛情を注いだ時、妙なことが起きることがあるのです。
それが「男性は女性のその愛情で自分を責めてしまう」ということ。こんな男性の心理パターンって多いものなんです。特に男性が与えたい人であればあるほどに。相手の愛情を感じた時に、そのコントラストで、自分の愛情の不完全さを感じてしまうんです。
そう考えると、どこかで男性には分かってほしいことが別にあるのかもしれません。しかし分かってほしいという気持ちは「ニーズ」つまり依存心です。愛したい人にとっては扱いにくいジャンルの感情です。
だから、分かってほしいと伝える前に我慢したり、さらに別の形で愛そうとして自分の感情表現したいことを間接的に示しているのかもしれません。
ただ、この状況がずーっと続くと男性が女性に向き合えなくなってくるなんてことも起こります。
心理的には、自分に対する不全感だけでなく無力感などを刺激したり、愛したい人だからこそ生まれる「うまく愛せない、という罪悪感」が男性の心を締め付け始めるんですね。
この状態、自立男性にとってはかなり苦痛です。そもそも受け取る事=甘え、弱さだと感じやすい傾向のあるのが男性。だから甘え方もお願いも下手と言えば下手だし、受け取る事がやっぱり苦手な方が多いんです。
すると、与えることが自分の愛情の価値と直結して、彼の中で自分は不十分じゃないのか?と疑いの渦がどんどん生まれてくるんですね。なのであなたが悪意はなくとも彼の愛に反応できないと、彼は受け取ってくれる人のところに愛情を持っていこうとするケースもありえるんですね。
もちろんいつもそうなるわけじゃありませんけれど、それが時として彼の中の浮気や不倫を作ったり、別れの理由になっていく事もあるぐらい。もちろんそれがいいかどうかは別として、です。
なのでこういうケースではとりあえずの対策として「見守る愛」が有効なケースが多いと僕は感じています。もちろんすべてのケースでそうだとは言いませんけどね。
■さて、その上で関係をより良くしていくためにはどうすればいいか?について書いてみたいと思います。
やはり愛情を与える側がいるならば、その愛情を受け取る側も必要になります。そうしないと愛情や想いが二人の間で循環しないんです。
どこかでお互いに相手の思いを受け取っていくことが何より大切なことになると思うんですよね。
僕の経験上のお話ですが、「愛したい人」って「愛されることに若干の抵抗を感じていることが多そう」なんです。
「愛されること=相手に負担をかけている」
そんな感覚を覚える方もいらっしゃいます。
どこか「自分がいるから愛する人が頑張ってしまって苦しむ」という感覚が強い方はそうなります。すると、自分自身も愛するんだけど受け取らない、という方が生まれてくるんですね。
ただ、その受け取らない愛し方って、愛されている方からすると罪悪感を感じやすくなりがちですね。自分がもらっている愛は、誰かの痛みでできていると誤解しますからね。
この感情の循環の中にいても罪悪感が強化されてしまうだけで、本当の想いは伝わりにくくなるのです。
なのでお互いに「愛したい人」なんだなぁ、と感じた時、僕はこんな事をお伝えすることもあるんです。
「あなたには見えない形かもしれないけど、今まで、彼はあなたのことをたくさん心配してませんでした?」と。
例えば、仕事をされている方ならあなたの仕事の心配や、彼の仕事のことや経済的なこと、将来のことなど。それだけじゃなく「今度はどこにご飯に行く?」「次はどこに出かけようか?」といった2人の楽しみについてだったり。
男性ってこういう部分に愛情をかけて紡いでいくものなんですよね。
■以前、ある方に僕からこんなお話をさせていただいたことがあるんですよ。
「2人の関係に疑いがないのだとすれば、もしかすると、あなたが愛したいと思うように、彼もまたあなたを愛したいと思っているんじゃないでしょうか?
今までに何度も、彼は彼なりにあなたのハートをノックして、愛情を届けようとしたのかもしれません。
もし仮に、彼が彼なりの想いで届けようとした愛情を、あなたも愛したい人だからこそ、相手の負担にはなりたくないと思ってうまく受け取っていなかったとしたら。彼はどんな気分になるでしょう?
今まで、そんな時間がずーっと二人の間に流れていたのかもしれませんね?どうでしょうか?
あなたは彼の愛情を疑ったことはなかったのですよね。それは本当に素晴らしいことです。
ただ疑わないことと、信じることは似ているようで違うんです。信じるということは、愛情がそこにあると認めること。
「いいよ」「大丈夫」「ムリしないでね」
あなたもまた彼に負担をかけたくなくて、同じ言葉を言い続けていませんでしたか?
僕達の世界ではパートナーは鏡である、と言います。
彼が本当に欲しかった言葉ってそれだったんでしょうか?そして今、あなたが彼から聞きたい言葉は何なんでしょうか?
「いつもありがとう」「あなたといて本当に良かった」
そう言って欲しかったのかもしれないな、なんて思いますよ、彼。あなたの笑顔が見たかったのかもしれませんよ。今、あなたがそう思うように、です。」
二人がかけがえのないパートナーならば、そう信じているならば、相手の気持ちをちゃんと受け取るプロセス、大切にしてほしいなと思います。そして相手にわかるように伝えて欲しいと。
そんなお話をしながら、一緒にパートナーに対する想いを整理していただく。そんなプロセスを実際のカウンセリングの中でご提供することもあります。
ビジネスの世界であれば需要と供給っていうじゃないですか。いくら売り手がいても買い手がなければ循環しない。愛情の同じ側面を持っているのかもしれません。
時には「愛した分だけちゃんと受け取る」意識も持っていただきたいなと思います。それは女性だけでなくお互いに、ですけどね。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
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