浅野 
カウンセリングサービス浅野寿和 です。いつもご覧いただきありがとうございます。

さて、今日のテーマはこちらです。

「男性の劣等感と執着について」

カウンセリングなどでたまにお受けする質問にこんなものがあります。

「以前付き合っていた彼が私を責めるようなことを言う人だったんです。付き合い始めてからある程度たった頃から一方的に怒りはじめたり、君は僕のことを何も分かっていないと強く言われて。一時期は本当に私が悪いのかな?と思っちゃって。
もちろん彼とはお別れという形になりましたけど、別れるまで大変だったんですよね。最後まで別れたくないと言い続けてきて。そういう男性の心理ってどんな感じなんですか?」

パートナーである彼があなたを責め立てたり、否定的な言動ばかりする。とても辛いことですよね。だから時としてお別れという形を選択肢として持っておくことは大切なことかもしれませんね。

ただ、過去に付き合った人がそういう男性だった場合、どこかで男性に対して怖れを感じやすくなったり、不信感を感じやすくなることがあるようです。

ということで今回はネガティヴな男性の心理について書いてみたいと思います。もしあなたが今、同じような男性に対する恐れや不信感を感じておられるとしたら、一つの理解、心の消化剤になればいいな、という願いを込めて。よろしければお付き合いください。(男性に対する痛みがあまりに強い時は無理にご覧にならなくても大丈夫ですよ。)

■私たちはパートナーに好かれたいという思いを当然のように持つものです。が、時としてその思いとは全く違う形の言動をしてしまうこともあるようです。それが相手への攻撃性を持った言動になったり、相手の否定になることもあるようなんですね。もちろんそれはとても悲しくて辛いことなんですけれど。

では、彼は自分の素直に気持ちを伝えたり、パートナーと向き合うことよりも、なぜより嫌われてしまうようなことばかりしてしまうのでしょうか?

今回のようなケースの男性の思考レベルでは、何とか彼や彼女をつなぎとめておきたい、何とか私の愛を相手に伝えたい、わかってほしいと思っていることが多いものです。

が、感情レベルではどうも違うことを感じていることが多いようなんですね。

それが「パートナーは自分の気持ちを理解せず、自分以外の人のところに行ってしまう」といった感覚。転じて「自分は愛されるにふさわしい人間だとは思えない」という恐れや劣等感という感覚なんですね。

男性がこの感覚を感じる場合、仕事などの問題や経済力、男性としての魅力、強さ、少し深いレベルでは父親など権威や力を持つ人々との葛藤を抱えているケースが少なくありません。彼の中でどこか自分が男としてちっぽけな存在だと感じてしまうと、この傾向は強まるんですね。

もちろんこれは彼の中にある怖れが作り出した「自己概念」から生まれているもの。この感覚を強く持つとどうしてもこの恋愛がうまくいくとは信頼できなくなっていくんですよね。そして相手が自分のことを選び愛しているという部分が見えなくなってしまいます。

なので、彼の中ではパートナーは自分の愛情をわかっていないと感じます。時には相手がどうして自分と一緒にいるのか?その理由が分からなくてその答えを一生懸命探そうとするのかもしれません。

彼がそう思う度合いだけ、自分の恐れが強くなりすぎて、この恐れが刺激する不安が怒りという形で出てくることがあるんですね。「どうして君は僕のことを分かってくれないんだ!」といった形でね。これが別れ際の執着になることもあるんですよね。もちろんこれがいいか悪いかは別の話として、です。

ただ、その恐れは彼の中で自己完結しているもので、実際パートナーである女性がどう感じているか?は別のものだったりします。

■さらに言えば、私たちは「怖れ」を感じた時に、その怖れをできるだけ早く解消したいと思うものです。

例えば、よくテレビのバラエティ番組である光景のようなものを想像してみてください。

あなたの横に大きな風船があってその風船がどんどん膨らんでいると思ってください。あなたの横にある風船はいつ割れるかわからないので、あなたはいつ破裂するのかに恐れを感じ、いつ破裂するのだろうかとビクビク怖れてしまいます。

そこでもしあなたが一本の針を持っていたとしたら・・・あなたはどうしたくなるでしょうか?

多くの人はその針で風船を破裂させてしまいたい!という欲求を持ってしまうのではないかと思うんですよね。

なぜそうなるか?と言いますと、風船がいつ破裂するかわからない(怖れを感じている状況)のであれば、自分の手で破裂させてしまおう(恐れを感じる状況から逃れたい)と思うから

そして、風船が破裂した瞬間にその恐れから解放されるので、それが自分の中での目的になってしまうことがあるんですね。

ここで、この風船を恋愛に置き換えて考えてみると・・・二人の関係がどんどん前に進めば進むほど、自分の中の自己概念が膨れ上がってきて、怖れが強くなっていくということなると思いませんか?

このような状態のとき、私たちはパートナーのことが気になって気になって、気が気じゃなくなって何かをしようとするのです。

そんな時の行動の動機はほとんど怖れからきているので、後で冷静に考えれば「なんであんなことをしてしまったのだろう?」と思えるような、後悔してしまう行動に走る傾向が強くなってしまうのですね。

つまり、二人の関係が進めば進むほど怖れが強くなる。そして怖れが強いゆえに相手を責めてしまう。そんな自分の言動で関係が悪化していくと「どうせ壊れてしまうものならば、その破壊を自分でコントロールする方がまだイイ」と思ってしまい、二人の関係に決定的な亀裂を起こすような言動に出てしまうケースも考えられるんです。

ただ、今回のケースの彼が本当に執着しているのは、目の前のパートナーではなく、彼が信頼している「自分は愛されないのではないか?」というネガティブな自己概念だと言えるんですよね。

■ということで、今回のケースのような彼が求めていたものは、彼が安定した関係や安心できる状況だったということでもあるんです。

が、それはあくまで彼の内面で起きていることであって、その欲求はわかりやすい形で出てくることは少ないんですよね、このような状況では。

そして彼が感じられるとよかったものは、誰と比較するのでもなく、自分にも愛されるにふさわしい部分があることや、パートナーが見ている自分なのかもしれません。

しかし、実際にパートナーである女性が今回のケースのような状況に置かれると冷静さを失ったり、自分が悪い?と罪悪感を感じて、彼の言動を引き受けてしまったりすることがあるんですよね。特に愛情深い方は彼を何とか受け止めようとされますから。そして時には深く傷ついてしまったり、深い悲しみや強い恐れを感じることもあると思うんですよね。

そんな時は、少し本音を言いますと、あまりに辛いならばあなたの幸せを一番に考えてもいいのではないかと感じるケースもあります。もちろんコミュニケーションで解決できるならその方がいいんですけどね。

相手を理解したいという女性の気持ちは素晴らしいと思います。ただ時として相手の言動に振り回されることなく、距離をしっかりとる、お互いに冷静になれる時間をつくるという選択肢を持っておいていただきたいと思うんですね。

もちろんこのような心理は多かれ少なかれ誰もが持っているものでもあります。ただ、あまりに不安や恐れが強いとその感情を相手に強くぶつけてしまうことがあって、ちょっとこれはお互いに悲しいことかもしれません。ここで求められているのは、自分の気持ちをだれかの助けを借りてもいいので、自分で受け止めていく、そして自分の中のネガティヴな誤解を解くプロセスなんですよね。

今回は以上です。少しネガティブな内容に偏ってしまいましたが、何か少しでも皆さんのお役にたてればと願っております。最後までご覧いただきありがとうございました!


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