■カウンセリングサービス
の浅野寿和
です。いつもご覧いただきありがとうございます！
それでは今日のテーマはこちら。
「ケンカの後。彼が黙りつづけているんです・・・」
例えばこんなケース。
最近、彼とどんどん距離ができているんです。昔は本当にいつも一緒にいて分かりあえてたんです。でも、一度大ゲンカしてから、彼の態度がガラッと変わったんですよね。
（ケンカの理由はお互いの気持ちのすれ違い、彼の仕事のこと、２人のいろんな価値観・恋愛観の違いなどなどを当てはめてみてください。）
彼がホント、何も言わなくなったんです。私と一緒にいても表情は曇りがち。昔とは違っていつも辛そうっていうか。いつも何か考え込んでるような感じで。
その時は感情的になって酷いこと言っちゃったけど、言い過ぎちゃったと思って。たくさん謝ったし、それから彼のためにできることはしてきたつもりなんですよ。彼も私に「悪かった、もういいよ」って話してくれたし、これでもう大丈夫かな？と思ってたんですけど。
どうやっても彼の態度は変わらない。私はもう一度昔みたいになりたいのに。どうしたらいいのか分からなくなって・・・。
ケンカが終わっても変わらない彼の沈んだ態度。どこかあなたから気持ちが離れていっているような感覚。感じるだけで辛いですよね。一緒にいてもより辛くなる、苦しくなるなんてこと、あるかもしれません。
あなたが頑張っても彼の態度が変わらないその理由。今日はその辺について１つの考え方を書いてみたいと思います。よろしければお付き合いくださいませ。
■今回のケースのように「黙っている彼は一体何を考えているの？」というご質問を受けることがあります。
もちろん僕も黙っている彼の気持ちを読むなんてことはできないのですが、２人の間に起こった出来事をお聞きしていくと、なるほど彼が黙る理由もわかる気がするなぁ～と感じることがあります。
今回のケースのように彼がだんまりを決め込んでいるとき。心理的にはひきこもっているときなんですけど。２人の間に横たわっている感覚って少し重くてネガティブなものが多いものです。
例えば、罪悪感。相手を傷つけてしまったという後悔のような思い。
例えば、無力感。相手の言葉で自分の痛い部分をつつかれると、自分って無力だなぁと感じてしまうこともあるでしょう。
このようなちょっと感じたくない感情を、彼は黙り込み感じないように頑張っていることが多いものです。だから、あなたが彼の心をつつこうとすると彼はより黙ったり、あなたから距離を取ろうとするんですね。感情的になることを回避したい度合いだけ。
■また、心理学独特の考え方なんですけど、「今のあなたが感じている感情」と「彼が抑えている感情」が同じである場合がありますよ、という見方があるんです。よくいう「パートナーは鏡ですよ」の感情バージョンのようなものなんですけどね。
その側面から見ていくと、例えば、彼との関係を修復したくてあなたなりに謝ったり頑張ったり。でも彼の態度が沈んだまま、何も変わらないとき。あなたは一体どんな気分になるでしょう？という部分。
おそらくあなたはとても切ない気分や何をやってもダメだという「無力感」を感じることでしょう。その結果、悲しくなったり、彼に対して怒りを感じたりするものです。
だとすれば、彼も強い無力感を感じているケースは少なくない、ということ。
例えばケンカのときに、彼の触れられたくない自信のない部分にグサッと矢が刺さっていたり。どこか「あなたは何も分かっていない」「私の役になっていないわよ」的なメッセージを投げかけていたり。彼自身も大ゲンカしてしまったこと自体に後悔していたり・・・。まぁいろいろ考えられるんですけどね。
基本的に男性は「無力感」がとても苦手で、自分に自信のあるなしに関わらず「誰にもアテにされない」ことで自己価値を失ってしまうことってとても多く起こります。
だから、無力感をこれ以上感じたくないから、あなたの前でずっと黙っていることだって考えられるんです。
また無力感は、私たちに「もう一度前をむこう」「行動しよう」という感覚を奪い、諦めに似た辛い感覚をもたらすことが多いもの。だとすれば、ダンマリを決め込んでいる彼は今、「何もしたくない」「何も聴きたくない」といった思いを持っている可能性がとても高いんですね。
そんな彼にあなたが愛情をもって一生懸命関わっていったとしても、彼からの反応はとても冷たいものになることが多くなるという感じ。
こんな関係が長い時間続けば、やっぱりお互いに消耗しちゃいますし、愛情があったとしてもそばにいることが辛くなってきて、結果別れにつながっていくこともありえますよね。ちょっと悲しい話ですけど。
■じゃ、こんなときはどうすればいいの？という話。
今回のようなケースって、２人が感情的に無力感でつながっていることってよくあることなんです。だから、お互いに相手に必要とされていないのでは？相手にとって不十分なのでは？と感じやすくなっていきます。これが最大の罠です。
なのでまず、お互いに無力感の罠にハマっているんだなと気づくことが大切なんですね。２人の関係をなんとかより良くしようと頑張っているあなたの思いをまず認めてあげて欲しいのです。
そして彼の無力感をどうやって拭ってあげられるかという発想が必要になってきます。
が、今回のようなケースで多いのは、あなたが無力感を感じた結果、不安に振り回され、彼の気持ちを取り戻したい一心で必要以上に尽くしたり、相手の顔色を伺った言動をしてしまうことなんですよ。
実はこれって逆効果になることが多くて、逆に彼にネガティヴな印象を与えてしまうことが多いんですよね。
相手のご機嫌をとるだけでは、彼の無力感は消えません。むしろ彼が優しい人であればあるほど、あなたに気を遣わせているような感覚を覚えてより心苦しくなったり重く感じてしまうことだってあります。
そうではなくて彼に「何だかんだ言ったけど私はあなたの事をいい男だと思ってるよ」的なメッセージを伝えていくほうがよりベターなんですね。
例えば、無反応な彼だけれども、少し彼をアテにしたような言動をしてみるだとか。一緒にいて本当に嬉しいだとか。もっと言えば、あなたが彼に伝えたいこと、その本音の部分を焦らずゆっくり伝えていくこと。リキんで伝えるというより、できるだけナチュラルに伝えていくことができるとよりいいですね。こんな時って何より深刻さが最大の敵になりますから。
最後に、どうしても出てきてしまう不安や焦りが見えなくするものも多いケースなので、少し冷静になれる時間や場所があるといいですよね。それはあなたも、そして彼も同じ。少し疲れたら少し距離を置くぐらいの感覚があってもいいのかもしれませんね。
今回は以上です。皆さんの参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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