恋愛テクニック-大野愛子
みなさん、こんにちは!カウンセリングサービス 大野愛子 です。

木曜日は、「不倫と浮気」をテーマにしまして、大門昌代・大塚統子共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。

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「ヤマアラシのジレンマ」という言葉、みなさんは聞き覚えがあるでしょうか?


「近づき過ぎると針が刺さって痛いし、離れすぎると寒い」というあのお話です。
ドイツの哲学者・ショーペンハウアーの寓話が「ヤマアラシジレンマ」という言葉の元になっているようですね。


このお話の解釈は諸説ありますし、時代と共に解釈の捉え方も変化をしているようですが、「人間関係の距離感と葛藤」という側面から捉えてみると、とても興味深いお話だと思います。

今回は少々抽象的なお話になりますが、お付き合い頂けたら幸いです。


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ヤマアラシのジレンマ


とても冷たい冬のある日のこと。
二匹のヤマアラシは凍えてしまうのを防ぐために、ぴったりくっつきあった。
だが、くっつきあうと身体を覆っている針(針毛)がお互いを刺すので痛い。でも、離れると凍えてしまう。
そして、ヤマアラシはそれを繰り返すのです。


・・・・というお話。


「近づきたいけれど、近づけない」というジレンマとも捉えられますし、
「紆余曲折の上で、お互いにとって居心地の良い距離に気が付く」と肯定的に捉えることも出来ますね。


これに似たようなことは、わたし達の普段の人間関係でも起こっていることではないでしょうか?


「近づきたいけれど、近づけない」ということ


このお話でいうところの「近づきたいけれど、近づけない」というのは、身体を寄せ合って互いの存在と痛みを確認し合った上での葛藤。
いうなれば、“親密な関係をもちたいと思いながら試行錯誤するジレンマ”を表現しているようです。


ですが、現代社会における繊細さを加味してみると、もう少し複雑な心境が見えてきます。


「これ以上近づいてもいいのだろうか?」
「自分も傷つくかもしれない」
「離れ過ぎると相手に嫌われてしまうかもしれない」

“親密な関係性をもつ手前からあれこれ頭で考えてしまうので躊躇してしまうジレンマ”があるようなんですね。


時には傷つけてしまったり傷つけられたりしながら、それでも親密になりたくてお互いを理解するために葛藤をするのか?
「傷つけるのが恐い」「傷つくのも怖い」という、自分の中にふたつの気持ちの板挟みがあって身動きが取れないことに葛藤するのか?


「近づきたいけれど、近づけない」という葛藤も、上記のふたつはデリケートに違うわけです。どうもわたし達の心の世界は、少し複雑な心境を抱えているようなんですね。


わたし達がもつパーソナルスペース


わたし達の心には、パーソナルスペースというものがあって、そのスペース内に人が入ろうとする時には、いろいろな感情を感じます。


人が近づいてくることに恐いと思うこともあれば、それが好きな人であればドキドキしながらも嬉しい、ということもあるでしょう。不安感を感じることもありますが、ロマンスや親密感を感じられるものでもあるようです。


パーソナルスペースは、実際の物理的な距離感のことも表わしますし、心理的な距離感のことも表わします。


近づきたいけれど近づけない時、恋愛であれば、“彼といつも距離がある、分かりあえない感じ、あいまいな関係”など。

「なぜか近くに感じられない」という問題が起こりやすくなるのかもしれません。(もちろん、すべてそうであるわけではありませんが。)


対人関係がうまくいかなかったり、いつも「さみしさ」を抱えるような関係性が多い時には、 「傷つけるのも怖い・傷つくのも恐い」というふたつの気持ちの板挟みが心の中に潜んでいて、身動きがとれなくなってしまうものなのかもしれませんよね。(´-┃


自分を守るためのもの


ヤマアラシさんの針は、外敵から身を守るものであるのですが、私達のもつ「恐れ」も身を守る“防衛”としてはとても役に立つのです。痛い目にあわないように、もう傷つかないように、自分を守るために働く防衛本能なんですね。


恋愛でいうならば・・
「この人と付き合っても大丈夫なのかなぁ?」
「浮気とかするんじゃないの?」
「こちらがあまり好きになって嫌われるのはツライから、あまり好きにならないようにしておこう」


かけひきしてしまう、コントロールしてしまう、というのも一種の防衛なんですね。
一定の距離から親密になれない、なんだか途中で逃げたくなる。そんなふうに感じることもあるかもしれません。


痛みを感じすぎると、次は痛みを感じる前から回避したくなるものなんです。(あんな思いはもうしたくない、という感じでしょうか。)


ここにひとつ大きな問題があるとすれば、今現在目の前にいる相手がどんなに愛してくれても防衛する限り十分に受け取れない、ということでしょうか。


傷つかないかわりに、本当に欲しい関係が手に入らない。
傷つくことを回避して、十分な愛を受け取れない関係のままにしてしまう。
傷つけることを恐れるあまりに、距離をとりすぎてしまうので、いつもさみしい。


わたし達は、誰でもヤマアラシさんのジレンマの部分を抱えているようです。


ひとつの物語から


人との距離が上手にとれないなぁと悩む時、なにかふたつの気持ちの板挟みになっているのかもしれません。


好きだけど、嫌われたくない。
相手を知りたい、でも自分はどう思われるんだろう。
話しかけたい、でもどんな反応をされるのだろうか。


誰もが傷つけたくはないし、傷つきたくもない。
でも、心が寒いのはイヤだし、孤独も嫌い。

そんな気持ちって、正直、あると思うんです。


あなたが悩んでしまうように、もう一匹のヤマアラシさんだって、身動き出来ないでいるのかもしれません。
上手には出来ないかもしれない。でも、あのヤマアラシさんのように、あともう少しだけ近くに。愛


お互い寄りそっているけれど、針が刺さってしまって本当は痛い、なんて関係もあるのかもしれません。
それならば、少し離れてみることも必要なのでしょう。


この物語から感じるものは、ひとりひとり違うことでしょう。


最後に・・。
実際のヤマアラシさんは針のない頭部を寄せ合って温め合い、上手に睡眠をとっているそうです。夜空


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