潤side


今日は午前は稽古して、そこから移動して初めて会場の下見。

あぁ、、ここはれいの会社の近くだ。


いねぇよなぁ、、、、と思いながら外を見てると、

時田シュウが1人で電話しながら歩いていた。

ジムで何度か顔を合わせてるからもう完全に覚えた。



さすがにれいを見かけなかった。



ここで偶然見かけたら、

それはそれですげーよ。

時田シュウとは何かしら縁があるからな…… 



会場の下見して、反響のこととか

どれくらいのセットが組まれて

そこから自分が動ける範囲の確認とか。

稽古はある程度そのあたりも加味してやってるけど

実際の会場につくと、また違う雰囲気に感覚が狂いそうになる。



また稽古に戻ってジム行ったら

時田シュウにばったり会う。

別に、、もう慣れた。



「よく会いますね。」


「ですね。」


「俺ら、普通に友達になれたと思いません?」



……危うく頷きそうになる。

たぶん、、っていうか絶対に俺らの趣味趣向は同じだ。

まったく同じ。

寸分も狂いもなく、同じだろう……

と思う。



「思わない。」



時田シュウにはそう答えたら、鼻で笑って

「言うと思った」と言った。


「恐らく一瞬は認めた。

だけど、時田シュウと趣味が同じとは認めたくない。って思ったはず。」


「……んなわけねぇよ。俺らは真逆だろ。」


「じゃあ、聞いてみます?」


「誰に?つか聞く必要ある?」


「うーーーん、聞くならここのインストラクターか、もしくは、れいちゃん?」


「くだらね。聞いたところで友達になるとはまた話が違うだろ。」


「まぁ、たしかに。」



ていうか、今普通にれいの名前だしたし、どういう…

って思って時田シュウを見ると「大丈夫、なんもない。大丈夫。」って俺をなだめるように手を出した。


俺、おちょくられてる?


***