中国に来ちゃった会社員 ブライツです。
 
今回は、読書感想文です。

たぶんこの作家の本は全部読みたいと思っている人の一人です。
津村記久子著 「これからお祈りにいきます」 です。
 
この本は『サイガサマのウィッカーマン』と『バイアブランカの地層と少女』の2編になります。
題名があまりにも個性的過ぎて、コピペしてしまいました。
この本には、本の名前になっている「これからお祈りにいきます」という話は出てきません。
しかし、2編とも祈りが関係する話になっています。
 
『サイガサマのウィッカーマン』では、地元のお祭り、奇祭が中心の話です。
サイガサマに願い事するために、自ら粘土などで体の一部を作りそれを燃やすという祭りです。
地元の人は、とても祭りに熱心でそれを当たり前だと思っています。
ちなみに、隣町の人には全く理解されません。
 
主人公は、地元の高校生です。
4人家族で、父は浮気をしてるみたい、母はうっとうしい、弟は中学生で現在引きこもりと、いろいろありそうな感じです。
主人公は、中学生のころ、この祭り「サイガサマ」の調べて学校から表彰されます。
周りの人からは、とても祭りに熱心な高校生とみられていますが、実際はすでに興味を失っており
関心はありません。
そんな主人公が、望んでもいないのにまた「サイガサマ」にかかわることに。
 
このような感じで話は進んでいきます。
感想文を書くときに、何と書こうか悩んでしまう話でした。
読書メーターの感想レビューを読んでいて共感したのが二つありました。
 
一つは、とても読みにくいことです。
最初の3ページは、リズムがつかめないといううか、なかなか読み進められない。
なのに後半になると、ぐいぐい読めてしまう。
とても不思議な文章です。
 
もう一つは、主人公は男子高校生なのですが、考えてることがめっちゃ共感できる。
というか、自分も昔こんなこと考えてたなあ。と思うところが多い。
でも、著者は女性です。 なんでこんなに男子高校生の考えがわかるのか不思議です。
 
写真の本の帯にもありますが、「自分のためでなく、誰かのために」祈る。
かなり不思議な話ですが、ご興味ある方はぜひ。
 
読後感は、なんとも言えない少し爽やかな感じです。