中学生の頃に持っていた本に〈練乳の缶に圧力をかけるとキャラメルクリームになる〉という話が載っていました。
インターネットが発達すると動画で話題になりましたし、大人になってお菓子作りをするうちに、イギリスのバノフィーパイに使われるクリームの作り方でもあるということを知りました。
バノフィーパイの”バノフィー”とは、バナナとトフィーの造語です。
ショートクラスト生地にトフィーとバナナを敷き、ホイップクリームを乗せ、コーヒー粉を少し散らして完成。
家庭ではビスケットで土台を作り、コーヒーではなく削ったチョコを散らす作り方も一般的ですが、その作り方を嘆いたバノフィーパイ発祥のお店の店主さんが、後に本来の作り方を公開したのだとか…
私は缶を圧力にかけるのが怖かったのと、練乳缶を製造している日本の会社の”本来の用途の目的外であることや火傷の面からもおすすめしていない”とのコメントを見かけたことがあるので、やってみたいと思いつつ先延ばしにしていたのですが、そういえばいつの間にか練乳缶自体を近所では見かけなくなったような気が。
調べてみたところ、販売されていないわけではないようなのですが、業務用や輸入品が主な様です。
圧力ではなく練乳の缶を何時間か茹でることでも作れるそうですが、時間がかかることと、人気の定番スイーツで需要も高いので、本国ではトフィーの状態ですぐに使える缶も販売されているそう。
またバットなどに広げた練乳を低温のオーブンに入れ、1~2時間かけて熱して作る方法もポピュラーです。
ただ一度に使う量は少なくとも300~400g、サイズによってはその倍ほどと必要量が多く、練乳をそれだけ買うと普段のおやつとして経済的ではないのは気になるところ。
せっかちな私は出来上がるまでの時間もそんなに待てず、“バターで砂糖を溶かしたところに練乳を加えて炊けば数分でできる”という話を聞き、試してみたこともありました。
その方法だとキャラメルのようにしっかりと切り分けられるほど硬く、色もだいぶ淡くなってしまったので私には向かなかったのですが…
↑こちらがその時のもの
近年は、30分ほどゴムベラで絶えず混ぜ続けながら煮詰める、生キャラメル作りに似た方法に落ち着いています。
大量の練乳のかわりにそれなりの量の砂糖を使うので、毎度慄きそうになりながら…笑
先日久しぶりに作る機会があり、そのレシピで焼いたのが1枚目の写真でした。
一度に使う材料が贅沢だったり、濃厚なため、たまにしか作らないのでなかなかブログにも載せられていないお菓子がいくつかあるのですが、バノフィーパイもそのうちひとつ。
その日は別の場所に持ち運んだため切り分ける前のものしか写しませんでしたが、次に焼いた時には断面も撮影して、レシピも載せたいと考えています。