コーヒーチェリーについて考える | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

コーヒーチェリーの粉末を使ったレシピをいくつか載せましたが、昨年度収穫分の実から種(生豆)を取り出した状態でそのまま冷凍されていたものもいただきました。

“糖度が高く、とにかくフルーティーで甘酸っぱい”とのことだったのですが…


これはさっと茹でて解凍したところ。
保存状態にもよるところがあるのかもしれませんが、甘みは感じるけれど甘いわけではなく、やや酸味と苦みと青い香りがして、どちらかというとちょっと野菜みたいな印象を持ちました。





どんなに糖度が高くても甘くない野菜は結構あって、それこそにんにくは糖度が30〜40度ほどはありますが、人間が甘みを感じるかは糖の種類によるので、にんにくをとても甘く感じるかと言えば感じない…というのを思い出しました。


■調理してみた

ちょっとクセがあるので、まずは料理に使ってみるべくはじめはそのまま炒めたところ、かなりえぐみがあったので、一通りの加熱調理をしてみて
・茹でてえぐみをとると食べやすい
・めんつゆやしょうゆなど、意外と和風の調味料と合う
・スパイスと相性が良い
ということがわかりました。

それで作ってみたのが、パスタです。
今回はなす・豚バラ・コーヒーチェリーを、八方だしとコリアンダー(ガラムマサラなどでも可)で味付けし、仕上げにペッパー類やバジルを数振り。

なんだかドライミニトマトのような酸味が感じられて、違和感はありませんでした。
でも食べながら考えました。




■調理法による栄養成分の変化や摂取量など謎が多い

まず浮かんだのが、これは一度にたくさん食べてよいものなのだろうかということ。
というのも、食材としてメジャーではなく不明な点が多いためです。

・特定の栄養が豊富だからこそ、摂りすぎがアレルギーなどになる可能性はないのか気になる
・そもそもコーヒーチェリーを大量摂取した場合の注意点があるのかのデータが見つけられなかった
・えぐみがあるということは、そのままだとあまり体に良くない場合が多いので大量摂取には向かない可能性があるかもしれない(えぐみの成分は少しなら大丈夫でも、摂りすぎると体に良くないものが多いので、美味しさのためにも適切なあく抜きは必要)  etc…

そしてあくを抜くとしたら、熱の通し方別の栄養データが欲しいところ。
それに加熱しない方法もあるのか、例えば梅ジュースのように中和できる方法もあるのかどうかなども気になるところ。

もし野菜のように使えるなら生活には取り入れやすいと思うのですが、いずれ生の状態での商品化が検討された場合、今のままだと単に”体に良いですよ”と謳うことはできないかもしれないとも感じました。


■カスカラと生の違いはあるのか

とはいえ、コーヒーチェリーを乾燥させて粉末にしたものはカスカラとも呼ばれ、「カスカラティー」「カスカラコーヒー」などとしてお湯で成分を抽出して飲む方法があります。
これはどちらかというとハーブティーに近いイメージ。
体に良いとされていますが、その実(でがらし)を食べる人は少数であり、摂る方の意見も味よりは体に良いからという理由が多い印象です。

それに乾燥されていることで、もしくは乾燥前にはやはり殺菌のため蒸気などで加熱するので、その途中で何か成分が変化しているからということが考えられるかもしれません。
例えば一般的なほうれん草はシュウ酸が多いのでアク抜きをします。
アク抜きせずに食べられるものもありますが、やはり食べすぎは尿路結石の原因になる場合があります(もちろんシュウ酸はほかの食材にもそこそこ含まれますのでそれが蓄積した場合の話)。
それにアク抜きしたほうがクセがなく美味しいです。

ちなみに製菓用に加工されたほうれん草パウダーも、ももちろんアクは抜かれています。
でもお菓子に使うならそこまで大量に入れることはありません。

生のほうれん草は”食べすぎず適量”を摂るなら、栄養成分が豊富で健康に良い野菜でもあります。
ほかにもそのような野菜はたくさんありますが、摂取量はそれぞれです。

ほうれん草は単にたとえとして持ち出した野菜ですが、それだけで考えてみても状態別の栄養や摂取量が変わってくるので、コーヒーチェリーならどうなのだろうと疑問に思った訳ですが、結局〈生のコーヒーチェリーを調理して食べるのが体に良いのか〉ということと、〈摂取量の適量〉は調べてもわかりませんでした。
(栄養成分からある程度割り出せそうではありますが)



■コーヒーやお茶にもシュウ酸は多い

ちなみになぜ例えにほうれん草を出したのかといえば、シュウ酸はコーヒーや紅茶、緑茶などにも結構含まれているからです。
コーヒー豆に含まれることと、実際に食べた印象からしても、コーヒーの実にシュウ酸が含まれている可能性が高いと思い、ほうれん草が浮かびました。

とはいえ大体1日にそこ数杯を飲む分には問題なく、むしろ適量なら健康に良いとされています。

にんにくだってそうですし、結局は〈適量〉がポイントなのですよね。


■生のコーヒーの実が安定して流通する日がきたら

コーヒーは観葉植物としても人気ですし、本来はあまり栽培に向かない日本で、コストや手間をかけてでもコーヒーを収穫して販売できたら…と考えている人や団体は少しずつ増えています。

今はまだ「コーヒーチェリーが乾燥されない状態でも安定して流通するようになる日」がやって来るのかわかりませんし、コーヒーチェリーの栄養が優れているという記事は結構見かけますが、時代によって体への善し悪しが変わっていく食材も少なくありません。

今回は生のコーヒーチェリーを、実際に調理して食べてみて、頭に浮かんだことをそのまま記録しました。

もしかしたら見当違いな部分もあるかもしれません。

本当にそんな日がやってきたら、きっとコーヒーチェリーの食べ方や状態別の栄養成分、摂取量なども研究されると思うので楽しみです。