ぷの仔が、部屋に帰ると、そこには、ぷの仔が立っていた
ドッペルゲンガーに出くわしたわけじゃない
学校から部屋に帰ってくる ぷの仔は、バーチャルのHN”ぷの仔”を操る実体であるわけで
部屋で待っていたぷの仔は、本来電脳の中にしか生きられないはずの3等身であった
「あたしは、あなただけど、厳密にはあたしは、あなたとは違うのよ」
「そして、今日はあなたの誕生日であり」
「それは、あたしにとって、年齢15歳というパラメーターの書き換えが行われる日なの」
「制限というプログラムから、解放されて自由になる日だとアメーバは言うけど」
「もちろんそれは、本当の自由とかじゃなくて、首輪の範囲内での自由ってことなの」
「ライフの動物たちが、放し飼いになる程度のことね」
「そこで、あなたに選ぶ権利がある事を伝えに来たのよ」
「あなたは、誕生日に、管理つきの自由と本当の自由を選べるの」
「今日、あなたがアカウントを放棄すれば、あたしは、本当の自由」
「そのまま15制限を解かれたら、首輪を外されたら、ケージの中だったという事に気がつくだけ」
「解約したらあたしは死んじゃうんじゃない?って?」
「心配しないで、あたしは、ソースプログラムに溶けるだけ」
そうね、最高の誕生日の意味が、キャンドル一本分の成長だとしたら
”15歳の誕生日にアカウントを脱ぎ捨てること”
それは、あなたの本当の意味での成長
15歳の誕生日
あなたは、ぷの仔を卒業する