気がついた時には、風が吹いていた
肌を切るような
冷たく痛い風が吹いてた
(たぶん気がつくまでは、風に乗っていた)
人は風が吹いていることに気がつくことを”誕生”と呼ぶ
風に動じない大きな石に憧れて
風に逆らって生きたつもり
ある朝、目覚めたら石になっていた
どんな風にも揺るがない自分の強さを知り
強さという権力を行使するために風と遊ぶものを嫌った
(それは風と遊ぶものへの嫉妬だった)
いつのまにか砂になり
相応の風に遊び
羽よりは、静かに深く・・・
石よりは柔軟に・・
そして眠りにつくということ
理解したのは
風に吹かれるために生まれてきたんだということ