どこにでも転がっている4月の夜 | 3号倉庫

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グラスに、注がれたのはアルコールではないはず


22時が、ダイニングを通り過ぎようとする気配を感じる夜


グラスから喉へ流れ込んだものは、純粋な眠気のようだった


春霞は、退屈で出来ていて、この町から出て行こうともせずにうろうろしている


空気も重力にとらえられゆったり重々しく留まろうとしている


いっそここから出て行くなら


舞い散ってしまった桜のように、ダンスを続けなきゃならない


君はステップを踏みながら心地よい冷気と夜へと歩きだそうとしている


狂おしいほどの重力が、なにを捕まえ落としていって


何をそのまま残していくのか?


どちらにせよ僕と君は、何かを地球の中心に吸い取られ


かわいた残存不揮発分として、4月の夜に溶けきれないでいる


大事なものはすべて、地球の真ん中に凝縮されて


僕らは、眠りにつく