何年も前は
私の家からも花火が見えた。
海側に高い建物達が建つ、ずっと前。


「今日の花火は音だけだったよ」
とメールしてみると
「昔はそこからも綺麗に見えたのにね」
と返事が来た。


ちょっと前まで
あなたと私の家は歩いて10分も掛からなかった。

何年も前のあの花火、きっと同じ時に見ていたんだね。
あなたはあなたの家で、一人。
私はこの家で、一人で。



思い出の中の炎の色を
帰らない自由だった日々を
それぞれ思い出すだけなんて。
こんな綺麗で悲しい花火は
これが最後になりますように。



いつか同じ花火を
隣で見よう。
昔の事なんて思う隙もないくらいに
あなたのすぐそばに立って。
私達だけの時間は
瞬きより
あっという間に
過ぎて行く


いつだって
「今」は
とても
短いけれど


それでも
こんなにも
互いの想いを
思い知る


許されるのなら
何もかも
もう
見えなくてもいいほどに


見送る時の言葉に
後から届いた心
あなたの短い
名前を呼んでみる




外は春の雨
今日は
満ちた月すら
見つけられない

もうすぐ
あなたに
会える


そう考えると
何もかも
手につかなくなるほど
ドキドキして来る


でも本当は


考えようと思ってなくても
気付くと
あなたの事を考えている


今日は
あなたも同じように
私の事を
思ってくれてたらいいな