『せどり男爵数奇譚』梶山季之 | 本と散歩と珈琲と
せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)/筑摩書房
¥861
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“せどり”(背取、競取)とは、古書業界の用語で、掘り出し物を探しては、安く買ったその本を他の古書店に高く転売することを業とする人を言う。せどり男爵こと笠井菊哉氏が出会う事件の数々。古書の世界に魅入られた人間たちを描く傑作ミステリー。


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古本つながりで、この本をチョイス。

私が手にした本は、上に紹介した文庫版ではなく、夏目書房版なのだ。


アマゾンで買おうかな~とも思ったのだが

このところ、学業系の書籍代が嵩んできたので
小説は、なるべく図書館で・・。

さて、この本であるが私がこのところ読んでいる本に

何度か出てきたのだ。

もちろん、紹介している作家は違う人。


これは一度 読んでおかないとならないなあと思い

読み始めることに。


「せどり」は、あの せどり である。

語り部は、小説家という設定であるが、語られている内容は

その小説家が出会った「せどり男爵」と渾名される人物が経験してきた

古書にまつわるエピソードである。


ミステリーと紹介されているが、これはミステリーなのだろうか??

話の最後が、ちょいと グロテスクなエピソードとなっているので

澁澤系の幻想文学 一歩手前な感じでもある。


この本を読みながら、ちょっと思い出したことがあった。

それは、嘗て父が

「妻も子供も居ずに、食いつぶして良い財産があったとしたら

自分は、ビブリオマニアになりたい」

と言っていたことだ。


残念ながら、彼には妻(私の母だ)や子供(私だ)が居るし
食いつぶせるような財産もなかったことから

結果、ビブリオクレプトと成り、人間の道から外れることもなく

まっとうに生きてきてしまったのだが、

まあ・・・父のその気持ちは 私にもよくわかる。



本と散歩と珈琲と  そんな彼から、受け継いでしまった厄介なものがもう一つある。

それは・・・・・

『柿を食べると 胃が痛くなる!!』

という体質だ。
まあ・・・食べ過ぎると痛みで転げまわるほどの激痛なので
普段は用心して・・というか
自ら買ってまで食べないのだが
ちょうどこの本を読んでいるときに
お歳暮として 高級柿 をいただいてしまった。

これは、一つくらいは食べておかねば!という卑しさで食べたら・・・
やはり・・・痛くなった。
すご~~く 痛くなった。
いや~~~~~~な汗が出るほど 痛くなった。
1つを夫と半分づつ食べたので、嘔吐とまではいかなかったものの
食後から翌朝まで、それはそれは 痛くて
口もきけないほどになってしまった。

ネットで調べてみたら、私以外にも

同じ症状になる人が、たくさん居るようで

安心(?)した。

色も形も味も好きなのに

なぜだろう?なぜなんだ~~??


と・・・胃痛への恐怖に怯えながらも

このblogを書きながら 柿を一つ 剥いてみる・・・・。