「日本が1ヶ月間ついてきた嘘の数々」-ル・モンド紙 など2本 | 福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

双方とも原発大国でありながら、福島の原発事故に対して日本メディアと論調が違うフランスメディア。その中から毎日いくつか記事をピックアップして、日本語での要約を掲載。

皆さんこんばんは、今回は2本の記事を要約します。

1本目はAREVA側が更に8人の作業員を日本に派遣したとする声明、2本目はル・モンド紙が掲載したこれまで一ヶ月間日本政府や東電、原子力安全・保安院が犯してきた
会見、声明などでのミスを羅列した記事です。


AREVA - 仏独原子力産業複合企業
4月11日付

Spécial Japon : huit experts en renfort de l’équipe en place à Tokyo
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<要約>
・AREVAは日本へと、新たに8人の作業員を追加で派遣しました。

・彼らの専門は、主に使用済み核燃料の処理、放射能汚染物質の除染、汚染された現場や汚染水などの処理です。これらの分野にて、どのように東電を援助できるかを検討していきます。

・先週末すでに日本にて活動しているAREVAの作業員達に合流し、行動を開始しています。

・以上の様に我々AREVAは東電への更なる支援を強化し、問題解決への手助けを続けていきます。


以上です。
続いては、ル・モンド紙の記事です。



LE MONDE
4月12日付

Fukushima : un mois d'erreurs de communication

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福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳



<要約>
・一ヶ月前に起きた地震、津波により、日本では1万3千人が亡くなり、1万4千人が行方不明となっている。

・そのような中、日本政府、東電、原子力安全・保安院は、とんでもないミスや嘘、矛盾した説明を繰り返してきた。それらの一部始終をまとめてみた。


福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳



3月11日
地震や津波の衝撃的な映像が世界中を巡っているが、まだ誰の目も福島第一原発へと向けられていない。日本政府は冷却システムが故障したものの、「放射能漏れが起こる可能性は低い」と発した。

3月12日
第一回目の水素爆発が起こる。メディアの多くが周囲での放射能汚染を報じ始める。第一号機付近では、「通常時の1000倍もの放射能物質が検出された」と共同通信は発表した。日本政府は、周辺の10KM圏内の住民に避難するよう指示した。しかし菅直人首相は、共同通信の情報は嘘だと否定している。

この当時日本国民は一般的に日本政府に賛同しており、海外メディアの報道を「煽っている」、「不安の種をいている」、「大袈裟」などと非難していた。

3月14日
新たな水素爆発が発生した。しかし枝野幸男官房長官は慌てて「放射性物質の流出の可能性は低い」とコメントした。

3月19日
東京の水道水で初めてヨウ素が検出された。政府は乳幼児が飲用しても問題ないとした。

日本国民の多くは、この時点でも大した問題はないと認識し、事態を直視することを避けている。


3月21日
福島周辺産のホウレン草から放射性物質が検出される。ホウレン草などの菜っ葉の野菜の多くの出荷が規制される。しかし日本政府は「健康には害が無い」と矛盾した説明を続ける。

ここにきてやっと日本国民は、大気汚染や食・水の安全に対する情報の欠如と不透明さに我慢できなくなり、同国の政府やメディアの批判を開始する。しかし主にTwitterでだ。


3月24日
水道水内の放射能濃度が、再び基準値を下回ったと発表される。石原東京都知事は浄水場へと出向き、カメラの前で水道水をコップに注ぎ、飲み干すというパフォーマンスをやってのける。それでも東京都民はペットボトルの水を求め続け、品薄状態が続く。

3月26日
日本政府の原子力産業賛美のロビー活動と、政府の東電への甘さが問題視されだす。追求された海江田産業大臣は、ひ弱で頼りない声で「状態が落ち着いたら、東電のあり方を検討する必要がある」と話した。

しかしこれ以降も政府と東電の過ちは継続される。海へは高濃度の汚染水が漏れ続けているものの、「問題ない」「心配ない」との台詞が永遠と繰り返される。

3月31日
IAEA国際原子力機関や環境団体・グリーンピースが避難指示圏外でも高濃度の放射能汚染を検出し、警告を発したにも関わらず、日本政府は避難指示圏の拡大を拒否した。枝野官房長官名は「そのような対処は必要ないと認識している」とし、原子力安全・保安院の審議官は「周辺の住民には安心してほしい」と言った。しかし日本政府はそれと同時に、「事態は深刻」と逆のことも発している。

4月7日
日本を強い余震が襲い、4人が亡くなる。女川原発でも被害が生じたと伝えられる。東電は水漏れが起きたと伝え、再び恐怖が蘇る。しばらくして東電は「水漏れではなく、容器からはみ出た」だけと訂正する。

世界各国が日本産の農作物の輸入を大きく制限している状況で、日本政府は福島周辺産の食品の出荷を再開する。

4月11日
プレッシャーに耐え切れず、日本政府は避難指示圏の一部拡大をついに発表する。東電の清水社長は謝罪で福島に訪れるが、3月13日以来公の場に姿を見せたのは、これが始めてである。


以上です。

こちらでも繰り返し起きている日本の余震、および危険度がチェルノブイリ級のレベル7に上げられたことが大きく報じられています。次はこれらに関した記事を要約したいともいます。

早く事態が収まってほしいものです・・・