さて、今回の記事なのですが、放射能が海に流失続けている中、魚を食べて安心なのかを検証した記事です。
SLATE.FR
3月24日付
Alertez les poissons, de Fukushima et d'ailleurs
http://www.slate.fr/story/36039/poissons-radioactivite-japon
<要約>
・福島では、海への放射能の流失が続いている。このような状況下、魚を食べても安全なのであろうか?
・現時点では、日本においてこの問題に触れる者は皆無といえる。それは魚達を怯えさせないためなのでろうか・・・
・気象予報によると、この数日間で大量の放射能を含む風が太平洋のほうへと吹いている。それらが海へと落下することによる影響はあるのであろうか。また忘
れてはいけないのは、原子炉の冷却のためには海水が使われていたことだ。使用済みの海水は放射能と共に海へと再放出されている。
・日本政府は、出来るだけ問題に触れないようにしている。日本だけで世界中の5%にも及ぶ魚介類を消費しているのだから!
・当然の結果といえるのだが、先日日本政府は福島原発付近の海水から、許容量をはるかに上回る量のヨウ素とセシウムが検出されたと発表した。
・世界保健機関(WHO)は、魚に関しても、牛乳やホウレン草と同じように「セシウムとヨウ素の存在は、人体の健康に害を及ぼしかねない」としている。
・福島付近の漁港は壊滅的なので、それらの海域の魚が市場で回ることがないという日本政府の見解は、日本国民、そして世界中の人々の不安を和らげるのには不十分であろう。
・CRIIRAD(説明はhttp://ameblo.jp/louis323/entry-10836673384.html
参照)は、「日本政府が健康に害がないと発表するには、それを証明する数値、データが必要だ」と発している。そして「大量の放射線物質が近辺の海域に放出されているのだから、風向きも考慮しつつ、影響を実際に検証すべき」とも続けている。もちろん近辺の漁場よりも範囲を広めてだ。
・問題になるのは、プランクトンから始まる食物連鎖の面である。プランクトンは性質上(科学的詳細は割愛m(_ _)m)
放射線を吸収しやすい。そのプランクトンたちを小海老などが平らげ、それをニシンなどの小魚が食す。それを鯖などの中型魚が捕食し、さらにマグロなどの大
型魚が鯖等を飲み込む。そして人間、あるいはサメがマグロを餌食にする。もちろん鯨やジンベイザメなどの超大型魚が、プランクトンや小海老などを直接吸収
することもあるが・・・
・いずれの場合であっても、プランクトンが放射線によって汚染されていれば、食物連鎖全体が影響を受ける。小海老、ニシン、鯖、マグロ、鯨(特に日本人な
ら)にしても、人間の大好物だ。魚達の遊泳性、および海流の流れを考慮すると、福島近辺の海域に限った問題ではなくなる。
・もちろん、放射能は海水内で広まることによって、濃度が少しずつ薄くなっていくのは事実である。どのようなシナリオになるかを検証するには、正確な数字が必要ではあるが・・・
・日本国民はこの問題に現在直面している(それ以外の国民にも言えるかもしれないが)。彼らはどこにっ魚を求めに行くのであろうか。日本の漁船は、世界中の海に進出している。汚染度が少ない海域まで、探しに行くのであろうか。顕著な例なのが、日本が世界の8割の消費量を誇る本マグロである。絶滅危惧にある地中海にまで、補魚に繰り出すのであろうか。
・もう一つの問題は、乱獲にある。国連が発した声明によると、現在の世界の漁獲量は2割ほど許容量をオーバーしている。地域によっては、漁獲量が既に限界なエリアもある。放射能汚染されていないそれらの海域に、漁船が集結するのであろうか。
・とはいえ、この現状に恩恵を受ける魚種もあるのかもしれない。たとえば、鯨である。調
査目的も含めて、日本は捕鯨を行っている国の一つだ。今年日本は、850頭の捕獲が認可されていた(実際には170頭に納まったのは特筆する必要があ
る)。放射能汚染の影響により、福島周辺にも到来する鯨の漁獲量が減少し、絶滅危惧が解消されるかもしれない。そのためには、彼ら自身が放射能による健康
の被害を誘発しなければであるが・・・
・海水における放射能の分散、推移、影響にしろ、今回の福島の事故が初のことであり、研究者達は正確なデータを持っていない。この現実が、今のところ彼らの静寂を招いているのであろうか・・・
以上です。
一日も早く福島の原発問題が収まることを、心から祈っています!