「最悪のシナリオは?」-FIGARO など3本 | 福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

福島原発に関するフランスメディアの記事の要約、日本語訳

双方とも原発大国でありながら、福島の原発事故に対して日本メディアと論調が違うフランスメディア。その中から毎日いくつか記事をピックアップして、日本語での要約を掲載。

さっき言ってた記事を紹介します。

Figaro紙
3月17日付 ''Crise nucléaire au Japon : les scénarios catastrophe'''
http://www.lefigaro.fr/international/2011/03/16/01003-20110316ARTFIG00741-crise-nucleaire-au-japon-les-scenarios-catastrophe.php


<要約>
・ (下の記事でも紹介した)政府スポークスマンのBaroin氏による発言「最悪の結末の場合、インパクトはチェルノブイリ以上である。その結末の可能性はぬぐえない」に対して、専門家たちはチェルノブイリとはまったく比べ物にならない(良い意味で)と語っている。

・「原発の事故は2種類に分けられる。チェルノブイリのように炉心への誤った操作、措置が連鎖し招くもの、そして今回やスリーマイル島でのように冷却系の故障によるものにだ。」(ASN、国家原子力安全委員会・副委員長、Olivier Gupta氏)

・とはいえ、福島の原発の冷却系のトラブルは並大抵のものではなく、想定外だ。歴史的地震、津波、冷却系の不作動など想定範囲外の問題が連続し、カオスの状態を招いた。

・このような状況下、事故の結末の重大性を「分けるのは二つの要素がある」(Gupta氏)。まず炉心が完全に融解し、格納容器が損傷するか否か。そうなった場合、原子炉全体に亀裂が生じXanonなどの放射線が大量に大気に放出される。これは最悪のシナリオで、現在までに起こったことがない(スリーマイル島でも)。

・二つ目が燃料棒に対する冷却の遅れである。遅れれば遅れるほど燃焼によるダメージが加えられ放射線が増大する。圧力を低下させるために弁を開ける際にそれがいっせいに流れ出す。「現状では燃料棒たちにどれだけのダメージがあるのか正確にはわかっていない」(Gupta氏)

・使用済み燃料棒のプールが剥き出しになっている第4号機に関しては、熱傷による結末および被害は完全に予測不能の世界にある。福島に関わらず使用済み燃料棒のプールが建物により保護されていないという、原発全体の欠陥を露にした。

・東電は事態改善のために全力を尽くしている。チェルノブイリで猛威を振るったヨード131の発生量を既に制御することに成功している。



Figaro.fr速報
3月17日付12時49分(フランス時間)付
http://www.lefigaro.fr/flash-actu/2011/03/17/97001-20110317FILWWW00509-japonnucleaire-110e-de-tchernobyl.php

・「現状をチェルノブイリと比べると、被害は10分の1だ。」(ISNAフランス原子力安全委員会委員長、Thierry Charles氏)


超最新のAFP通信の速報、Liberation紙による注釈付き
3月18日付01時10分(フランス時間)、日本時間18日09時10分付
http://www.liberation.fr/depeches/01012326209-course-contre-la-montre-pour-refroidir-les-reacteurs-de-fukushima


・アメリカ、フランス、ロシアなどの原発大国は次々と日本に協力を申し出ているが、それと同時に(それらの国のを含む)外資系企業が東京からの撤退を急ピッチで進めている。

・「最悪の場合、日本政府による避難勧告圏が現状の20KMから60~70KMまで広げられる可能性がある」(ASN、国家原子力安全委員会委員長、Comets氏)。