人間の「欲」!!
人間をダメにする要素として、「怒り」、「欲望」、「愚痴」があります。
欲望、愚痴、怒りの三毒は、百八つある言われている煩悩のうちでも、
ことに人間を苦しめる凶器であり、
また逃れようとしても逃れられない、人間の心に絡み付いて離れない「毒素」と言えましょう。
人間というものは、この三毒に囚われて日々を送っているような生き物です。
人よりも良い生活がしたい、早く出世したい。
こういう物欲や名誉欲は誰の心にも潜んでおり、それが叶わないと、
なぜ思った通りにならないのかと怒り、返す刀で、それを手に入れた人に嫉妬を抱く-
大抵の人はこういう欲に四六時中とらわれ、振り回されています。
これは子供や赤ん坊でも、然程変わることがありません。
勿論、欲望や煩悩というのは人間が生存していくためのエネルギーでもありますから、一概に否定するわけにはいきません。
しかし同時に、人間を絶えず苦しめ、人生を台無しにしてしまいかねない猛毒も有している。
・・・
人間とはなんとも因果な生き物でしょうか・・・
自分たちの生存に不可欠なエネルギーが、そのまま自分たちを苦しめ、滅ぼしてしまいかねない毒でもあるのですから・・・^^;
そこで、面白い物語を紹介しましょう^^
長くなりますが、
是非最後まで読んでいただきたいですm(u_u)m
これが、欲に囚われた人間の実相である。

-秋も深まったある日、木枯らしの吹く寒々とした景色の中を旅人が家路を急いでいます。
ふと見ると、足もとに白いものがいっぱい落ちている。
よく見れば、それは人間の骨です。
なぜ、こんなところに人の骨が・・・
と気味悪く、不思議にも思いながら先へ進んでいくと、向こうから大きな虎が吠えながら迫ってきます。
旅人はびっくり仰天し、なるほど、この骨はあの虎に食われた哀れな連中の成れの果てかと思いながら、
急いできびすを返して、今来た道を一目散に逃げていきます。
しかし、どう道を迷ったものか断崖絶壁につきあたってしまう。
崖下は怒濤逆巻く海。後ろからは虎。
進退まって、旅人は崖っぷちに一本だけ生えていた松の木によじ登ります。
しかし虎もまた恐ろしく大きな爪を立てて松の気を登りはじめている。
今度こそ終わりかと観念しかけましたが、目の前の枝から一本の藤づるが下がっているのを見つけ、
旅人は藤づるをつたって下へ降りていきました。
しかし、つるは途中で途切れており、旅人は宙ぶらりんの状態になってしまいます。
上方では虎が舌なめずりしながら睨んでいる。
しかも下をよく見ると、荒れ狂う海には赤、黒、青の三匹の竜が、今にも落ちてきそうな人間を食べてやろうと待ち構えています。
さらに、上のほうからガリガリと音がするので、目を上げると、藤づるの根のもとを白と黒のネズミが交互のかじっている。
そのままでは、つるはネズミの歯に噛み切られて、旅人は口を開けている竜目がけてまっさかさまに落下するほかありません。
まさに八方ふさがりの中で、旅人は何とかネズミを追い払うべく、つるを揺すってみました。
すると、何か生ぬるいものが頬に落ちてくる。
舐めてみると甘いハチ蜜です。
つるの根もとにハチの巣があり、揺さぶるたびに蜜がしたたり落ちてくるのです。
旅人はその甘蜜の味のとりこになってしまいました。
それで、いま自分が置かれている絶体絶命の状況も忘れて-虎と竜のはさみ打ちにあい、
たった一本の命綱であるつるをネズミにかじられているのにもかかわらず、
何度も何度もその命綱を自ら揺すっては、うっとりとおまい蜜を味わうことを繰り返したのです。
それほどせっぱ詰まった危機的な状況に追い込まれてもなお、甘い汁を舐めずにはいられない。
それが私たち人間のどうしようもない性であると!!
私は、この物語を人間の生き様、あるいは人間のもつ欲望の根深さを表現した例え話としては、
これ以上のものはないように思われます。
ちなみに、
虎は死や病気を表しています。
松の木はこの世での地位や財産や名誉を表し、白と黒のネズミは昼と夜、
すなわち時間の経過を表しています。
絶えず死の恐怖に脅かされ、追われながらも、生にすがろうとする。
しかし、それは一本の藤づるほどに頼りないものでしかない。
そのつるも時間とともに摩滅していき、私たちは年々歳々、逃げてきたはずの死に近づいていくのですが、
それでも自分の寿命、生命を縮めてでも「蜜」を欲しがる。
そんなあさましいほどの欲望といっときも縁の切れない存在。
それが人間の偽りない実相だと・・・
蜜とは、人間の欲望を満たしてくれるさまざまな快楽のことでしょう。
そして人間が落ちてくるのを待っている竜は、人の心が作り出したもの。
いわば人間が抱く醜い思念や欲望をそのまま投影したもの。
つまり赤い竜が「怒り」、黒い竜が「欲望」、青い竜は妬み、恨みといった「愚痴」で、
それこそが「人生をダメにする」要素であり、
逃れようといても逃れられない、人間の心にからみついて離れない「毒素」ですね。
では、
「美しい心」があらわになり、綺麗な願望を描けるようになるにはどうすればよいのでしょうか?
