いきなりの質問で申し訳御座いません。
ITプロジェクトの成功確率はどれぐらいだと思われますか?答えは文中に御座います。
A. 65~80%
B. 35~60%
C. 15~30%
今回は改めてプロジェクトマネージメントについて考えてみることにしました。5~10年前まではWebサイトと言ったらHTMLで書かれた会社案内のようなものが多く、技術的な難易度も高くは無かったのですが、ここ数年の開発案件はそれなりに複雑なものが多く高度な技術が要求されるようになっています。皆様が普段ご覧になっておられる有名サイト例えば、Yahoo, Google, ebay , Amazonや各業界のトップブランドと言われるような企業のサイトは幾度ものリニューアルを経て本当に素晴らしくなってきました。 様々なものが進化を遂げておりプロジェクトを発注する側も受注する側もギアチェンジ(意識変革)する必要性を強く感じます。
仮に御社がサイトリニューアルされる際もそういったレベルの高いサイトをご参考になさると思います。当然のことながら開発の難易度や開発期間、投入予算も大きくなってこざるをえません。従来のように小規模プロジェクトであれば業者任せでなんとかなった部分があるかもしれませんが、今後はより高度なプロジェクトマネージメントが必要になってくるとお考え下さい。そこで、今回のニュースレターでは「プロジェクトを成功させる為の4つの力」と題し、開発プロジェクトを成功させる要点をご紹介したいと思います。
まず開発プロジェクトは単純に2つに分けることが出来ます。
1.成功プロジェクト
2.失敗プロジェクト
このいずれかです。1-2間のグレーゾーン、途中で止まている、焦げ付いている、泥沼化しているプロジェクトは「失敗」とお考ください。
さて、最初の質問にある、成功と失敗それぞれの確率は何パーセントぐらいだと思いますか?答えはC. 15~30% です。ある調査報告によると、2007から2008年度に稼動したプロジェクトが成功だったのか失敗だったのかについて対象企業8800社問い合わせし、回答を集計したら成功率は 31.1%だったそうです。ちなみに2003年度の調査では 26.7%だったそうです。
又、ある開発ツールベンダーが調査した昨年米国で遂行されたプロジェクト約17万件における成功率は16%だとか・・・。俄に信じ難い数字ですがそれだけプロジェクトを成功させるのはむずかしいと言うことですね。評価方法は、品質、コスト、納期の3点について当初計画を順守できたか否かを基に算出されますので少々ハードルが高いかもしれません。
更に、「企業IT動向調査2006」(社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)調査によれば、システムの仕上がりに満足と回答したユーザーは10%前後にすぎないそうです。
この数字をご覧になって「えっ、そんなに低いの?」と思われたのではないでしょうか?私自信も驚いたと同時に「~ってことはうちって優秀なの?」ってちょっと安心しました。正直に告白しますと弊社でも年に1件ぐらいは泥沼化し頓挫するプロジェクトがあります。しかしながら半分以上は品質、コスト、納期の3点をクリアしており、それ以外の案件もさしたる問題もなく納品させていただいております。過去10年200件ぐらいのプロジェクトが対象です。ただし、年々ハードルが高くなっているという実感はしています。
そこで、ここからが本題「プロジェクトを成功させる為の4つの力」です。プロジェクトを成功させるためには、大きく分けると4つの力が必要になります。1つ目は正しいゴールを設定できる「判断力」。2つ目はゴールに至るまでのシナリオを入念に練り上げる「企画力」。3つ目はその企画を実行管理する「技術力」。4つ目は開発途中で起こる問題を円滑におさめていく「人間力」です。以上4つ力を整えることなくプロジェクトを行き当たりばったりで実行していたら、ほぼ確実に失敗します。プロジェクトを成功させるためにはゴールに至るまでの道のりをプロジェクト関係者が明確にイメージして共有し軸をブラさないことが重要なのです。
1.正しいゴールを設定する判断力
なぜこの開発プロジェクトをやるのか?明確な意味や具体的な目標抜きに成功は有り得ません。背景も含め、それらをプロジェクトに関わる全員で共有できるようにします。頭の中で思っている、口頭で伝える事だけではボケて伝わる可能性が大ですので、必ず文章化して確実に伝わるようにしておきましょう。
2.シナリオを練り上げる企画力
ゴールを達成する為に必要な要素を洗い出しましょう。どの手順で何をするべきなのかシュミレーションします。昔と違い現在のシステム開発はスクラッチから始めることは皆無ですから、企画はシステムに詳しい人間を巻き込んで行いましょう。例えばEコマースをやりたいとします。通常市販のEコマースソフトを購入しそれをニーズに合わせてカスタマイズするのが今日の開発手法ですので、まず大枠で何がやりたいかが決まったら、次にやるべきことは必要機能を満たしたソフトを探す事です。ERPでもCRMでもEコマースでも大方の機能は市販ソフトで間にあいますが、問題は玉石混合の中から中長期的な観点でどの製品を採用するかです。丁度いい商品が見つかればプロジェクトはほぼ成功したと言っても良いかもしれません。
さて、自社の要望と市販ソフトの機能に開きがある場合はカスタマイズを行います、どの部分をどうカスタマイズすべきかを検討しプライオリティー付けをし、予算と開発スケジュールを決めていきます。この作業はくどいほどしっかり行う必要が有ります。後々必要になってきますのでなるべく精細なタスクリストを作りましょう。最終チェックリストとして使えるレベルのものが出来れば申し分有りません。あとは、このリストを社内の開発チーム、外注する場合は開発会社に確認してもらい、漏れ落ちや無理がないかを吟味した上で開発に取り掛かります。
3.開発を実行管理する技術力
入念に練られたシナリオとタスクリストを1つずつ押さえていく作業です。直接の開発担当者がその道のベテランである事が理想ですが、実際にはベテランはマネージメントに回っていることが多いものです。又、小規模プロジェクトでは専任者がつかないケースもあるので、タスクリストとスケジュールを見ながら進捗をしっかりマネージしていく管理能力が必要になります。又、コンテンツを揃える等発注側がやらなければならない作業も多くありますので、その作業時間も確保し、スケジュールにしたがって責任を全うするように心がけましょう。上司や本社の決裁を仰ぐ必要がある場合はあらかじめ余裕を持ったスケジュール組みをしておく必要があります。
社内開発する場合はその担当者又はチームがそのプロジェクトをこなせるだけの経験と技術力があるのか見極めましょう。そしてエンジニアを遊ばせないようスケジュールをしっかりと組みます。
開発作業は一旦エンジンをかけアクセルを踏んだらなるべくブレーキをかけずに最後まで一気に走りぬくのが効率的に仕上げるコツです。走ったり止まったりではうまくいくプロジェクトもうまくいかなくなってきます。
4.問題対処できる人間力
プロジェクトを進めていく過程で必ずと言って良いほど想定外の問題が浮き上がってきます。小さな問題であれば現場の努力で消し込む事ができますが、大きな問題であれば発注側と受注側の話し合いが必要になります。話し合いはあくまでも対等な立場で進めなければなりません。「問題」というものは双方が「うちの責任じゃない」と思うから顕在化してくるものです。つまり問題の原因は双方にあるものです。それを理解せず、又、相手の立場に立つことなく一方的に自分の主張をすると、鏡の法則如く相手もそうしてきます。そうなる前に理解を得られるような妥協案を出すようにしましょう。プロジェクト成功の為ならどっちが正しいかはこの際どうでもいいと割り切れるぐらいの感覚が必要です。因みに殆どの問題はちょっとした配慮やお金で解決できますから少々無理を聞いてやれるだけの余裕も最初から確保しておきましょう。弊社が外注先へ作業依頼する場合も、プロジェクトの難易度に応じて発注額の25~50%は追加予算として確保しています。もちろんそれを使わないように節目毎に労いや感謝の言葉をかけることによって相手の協力を得るようにしています。 開発チームとはいい関係を作れるようにしましょう。
以上が「プロジェクトを成功させる為の4つの力」です。1~3番は当然だと言えますが、案外見落としがちなのが4番目の「人間力」。簡単なプロジェクトもこれが欠けていると問題に繋がり、難しいプロジェクトでも人間力が高ければ成功させることができたりします。やはりシステムは発注側と受注側の人間が協力して作るものですね。
ITプロジェクトの成功確率はどれぐらいだと思われますか?答えは文中に御座います。
A. 65~80%
B. 35~60%
C. 15~30%
今回は改めてプロジェクトマネージメントについて考えてみることにしました。5~10年前まではWebサイトと言ったらHTMLで書かれた会社案内のようなものが多く、技術的な難易度も高くは無かったのですが、ここ数年の開発案件はそれなりに複雑なものが多く高度な技術が要求されるようになっています。皆様が普段ご覧になっておられる有名サイト例えば、Yahoo, Google, ebay , Amazonや各業界のトップブランドと言われるような企業のサイトは幾度ものリニューアルを経て本当に素晴らしくなってきました。 様々なものが進化を遂げておりプロジェクトを発注する側も受注する側もギアチェンジ(意識変革)する必要性を強く感じます。
仮に御社がサイトリニューアルされる際もそういったレベルの高いサイトをご参考になさると思います。当然のことながら開発の難易度や開発期間、投入予算も大きくなってこざるをえません。従来のように小規模プロジェクトであれば業者任せでなんとかなった部分があるかもしれませんが、今後はより高度なプロジェクトマネージメントが必要になってくるとお考え下さい。そこで、今回のニュースレターでは「プロジェクトを成功させる為の4つの力」と題し、開発プロジェクトを成功させる要点をご紹介したいと思います。
まず開発プロジェクトは単純に2つに分けることが出来ます。
1.成功プロジェクト
2.失敗プロジェクト
このいずれかです。1-2間のグレーゾーン、途中で止まている、焦げ付いている、泥沼化しているプロジェクトは「失敗」とお考ください。
さて、最初の質問にある、成功と失敗それぞれの確率は何パーセントぐらいだと思いますか?答えはC. 15~30% です。ある調査報告によると、2007から2008年度に稼動したプロジェクトが成功だったのか失敗だったのかについて対象企業8800社問い合わせし、回答を集計したら成功率は 31.1%だったそうです。ちなみに2003年度の調査では 26.7%だったそうです。
又、ある開発ツールベンダーが調査した昨年米国で遂行されたプロジェクト約17万件における成功率は16%だとか・・・。俄に信じ難い数字ですがそれだけプロジェクトを成功させるのはむずかしいと言うことですね。評価方法は、品質、コスト、納期の3点について当初計画を順守できたか否かを基に算出されますので少々ハードルが高いかもしれません。
更に、「企業IT動向調査2006」(社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)調査によれば、システムの仕上がりに満足と回答したユーザーは10%前後にすぎないそうです。
この数字をご覧になって「えっ、そんなに低いの?」と思われたのではないでしょうか?私自信も驚いたと同時に「~ってことはうちって優秀なの?」ってちょっと安心しました。正直に告白しますと弊社でも年に1件ぐらいは泥沼化し頓挫するプロジェクトがあります。しかしながら半分以上は品質、コスト、納期の3点をクリアしており、それ以外の案件もさしたる問題もなく納品させていただいております。過去10年200件ぐらいのプロジェクトが対象です。ただし、年々ハードルが高くなっているという実感はしています。
そこで、ここからが本題「プロジェクトを成功させる為の4つの力」です。プロジェクトを成功させるためには、大きく分けると4つの力が必要になります。1つ目は正しいゴールを設定できる「判断力」。2つ目はゴールに至るまでのシナリオを入念に練り上げる「企画力」。3つ目はその企画を実行管理する「技術力」。4つ目は開発途中で起こる問題を円滑におさめていく「人間力」です。以上4つ力を整えることなくプロジェクトを行き当たりばったりで実行していたら、ほぼ確実に失敗します。プロジェクトを成功させるためにはゴールに至るまでの道のりをプロジェクト関係者が明確にイメージして共有し軸をブラさないことが重要なのです。
1.正しいゴールを設定する判断力
なぜこの開発プロジェクトをやるのか?明確な意味や具体的な目標抜きに成功は有り得ません。背景も含め、それらをプロジェクトに関わる全員で共有できるようにします。頭の中で思っている、口頭で伝える事だけではボケて伝わる可能性が大ですので、必ず文章化して確実に伝わるようにしておきましょう。
2.シナリオを練り上げる企画力
ゴールを達成する為に必要な要素を洗い出しましょう。どの手順で何をするべきなのかシュミレーションします。昔と違い現在のシステム開発はスクラッチから始めることは皆無ですから、企画はシステムに詳しい人間を巻き込んで行いましょう。例えばEコマースをやりたいとします。通常市販のEコマースソフトを購入しそれをニーズに合わせてカスタマイズするのが今日の開発手法ですので、まず大枠で何がやりたいかが決まったら、次にやるべきことは必要機能を満たしたソフトを探す事です。ERPでもCRMでもEコマースでも大方の機能は市販ソフトで間にあいますが、問題は玉石混合の中から中長期的な観点でどの製品を採用するかです。丁度いい商品が見つかればプロジェクトはほぼ成功したと言っても良いかもしれません。
さて、自社の要望と市販ソフトの機能に開きがある場合はカスタマイズを行います、どの部分をどうカスタマイズすべきかを検討しプライオリティー付けをし、予算と開発スケジュールを決めていきます。この作業はくどいほどしっかり行う必要が有ります。後々必要になってきますのでなるべく精細なタスクリストを作りましょう。最終チェックリストとして使えるレベルのものが出来れば申し分有りません。あとは、このリストを社内の開発チーム、外注する場合は開発会社に確認してもらい、漏れ落ちや無理がないかを吟味した上で開発に取り掛かります。
3.開発を実行管理する技術力
入念に練られたシナリオとタスクリストを1つずつ押さえていく作業です。直接の開発担当者がその道のベテランである事が理想ですが、実際にはベテランはマネージメントに回っていることが多いものです。又、小規模プロジェクトでは専任者がつかないケースもあるので、タスクリストとスケジュールを見ながら進捗をしっかりマネージしていく管理能力が必要になります。又、コンテンツを揃える等発注側がやらなければならない作業も多くありますので、その作業時間も確保し、スケジュールにしたがって責任を全うするように心がけましょう。上司や本社の決裁を仰ぐ必要がある場合はあらかじめ余裕を持ったスケジュール組みをしておく必要があります。
社内開発する場合はその担当者又はチームがそのプロジェクトをこなせるだけの経験と技術力があるのか見極めましょう。そしてエンジニアを遊ばせないようスケジュールをしっかりと組みます。
開発作業は一旦エンジンをかけアクセルを踏んだらなるべくブレーキをかけずに最後まで一気に走りぬくのが効率的に仕上げるコツです。走ったり止まったりではうまくいくプロジェクトもうまくいかなくなってきます。
4.問題対処できる人間力
プロジェクトを進めていく過程で必ずと言って良いほど想定外の問題が浮き上がってきます。小さな問題であれば現場の努力で消し込む事ができますが、大きな問題であれば発注側と受注側の話し合いが必要になります。話し合いはあくまでも対等な立場で進めなければなりません。「問題」というものは双方が「うちの責任じゃない」と思うから顕在化してくるものです。つまり問題の原因は双方にあるものです。それを理解せず、又、相手の立場に立つことなく一方的に自分の主張をすると、鏡の法則如く相手もそうしてきます。そうなる前に理解を得られるような妥協案を出すようにしましょう。プロジェクト成功の為ならどっちが正しいかはこの際どうでもいいと割り切れるぐらいの感覚が必要です。因みに殆どの問題はちょっとした配慮やお金で解決できますから少々無理を聞いてやれるだけの余裕も最初から確保しておきましょう。弊社が外注先へ作業依頼する場合も、プロジェクトの難易度に応じて発注額の25~50%は追加予算として確保しています。もちろんそれを使わないように節目毎に労いや感謝の言葉をかけることによって相手の協力を得るようにしています。 開発チームとはいい関係を作れるようにしましょう。
以上が「プロジェクトを成功させる為の4つの力」です。1~3番は当然だと言えますが、案外見落としがちなのが4番目の「人間力」。簡単なプロジェクトもこれが欠けていると問題に繋がり、難しいプロジェクトでも人間力が高ければ成功させることができたりします。やはりシステムは発注側と受注側の人間が協力して作るものですね。

