「家族でいること」の意味 | 六太のうつ病闘病記

六太のうつ病闘病記

2005年夏 発症
2006年1月 初めての精神科受診
2010年1月 精神障害福祉手帳3級認定
2012年1月 精神障害福祉手帳2級に変更
2013年12月 発病以来 初めての入院

寛解しては再発を繰り返す「反復性うつ病性障害」六太のうつ病闘病記です

「家族でいること」の意味

自分で言うのもナンですが 六太はとても忍耐強く
人の気持や状況を 深いところまで読み取ってしまうタイプです

特に相手が家族ともなれば 尚のこと

ココからは 少し過去の話(実家のこと)になりますが
下半身不随で車いす生活の父と 重い統合失調症の弟を10年近く介護しました
(父は他界し 弟はアルバイトが出来るくらいに回復しました)

父は生命保険に入っていましたが 弟は無保険
ふたりとも重篤な時期があって差額ベット代などがべらぼうに高くて……
当座の入院費を支払うために 六太は仕事をいくつも掛け持ちしました

サポートエンジニア
シンガー
音楽教室の講師を3箇所5講座掛け持ち
苦手な水商売
自宅に帰宅してからは 電話カウンセリングの仕事を深夜まで

父、弟の療養費を支払うこと 六太が必死で稼ぐこと それはそれで構わないのです

だって それが“家族”だから
助けあうのが“家族”だから
稼げるヒトが稼いで手を差し伸べて でも六太が倒れた時には助けてね…って
支えあうのが“家族”だから

でも 六太はほんとうに孤独でした

統合失調症の弟の妄想は「きょうだい(六太)は自分の情報を悪の組織に際限無くリークする敵の一味」との内容で
いわれのない詰問や尋問で 一晩中寝かせて貰えないことがあったり
胸ぐらをつかまれて怒鳴られたりした

父は心筋梗塞で脳に血液が回らず一気にボケた上 その一年後に
結核により頚椎と脊髄を損傷して車いす生活となった

母と妹はいわゆる“天然”で お金の流れや 父弟の治療計画を
冷静に論理的に分析出来るタイプでは無い上
母は六太のやることなすこと全てが気に入らず まるで嫁いびりのような仕打ちを受け続けたし
「お金はどこからか湧いてくるもの」とでも考えているようだった

統合失調症の弟
ボケた父
山口にお嫁に行っており いまいち他人ごとで天然の妹
実の娘イビリをする母

六太は 誰からも感謝されることも 労られることもありませんでした
もちろん そんな言葉が欲しくて頑張っていたんじゃない
家族みんなが シアワセで元気で そして笑顔でいて欲しいと願うからこそ
文字通り 身を粉にして働きました

でもね…
「六太ちゃんが頑張ってくれてるから 助かるわ」とか
「そんなに働いて 体調は大丈夫なの?」とか
家族の誰かが声を掛けてくれていたら……

六太の いちばん最初のウツ病発症のきっかけは この厳しかった家族関係にも一因があると考えています

六太には結婚に近いパートナーシップへのあこがれというものがありませんでした
その六太が「パートナーシップを築きたい」と考えるようになったのは
父や弟の入院を通じて「家族」で無ければ出来ないことが余りにも多い…ということを
痛いほど体験したから

火葬 葬儀 埋葬 役所や銀行などへの手続きなど……
当時既に結婚して鶴家の籍を外れている妹が 何かの手続きで役所に行ったら
「戸籍謄本を取ってきて」と言われてすごすごと戻ってきたこともあった
(山口県から駆けつけているのだから、そんなのすぐには取り寄せられるはずもない)

そして パートナーシップ願望のなかった六太が “家族”を求める心境に至ったのだ

秘密にしているわけでは無く
でも 積極的に公表もしていないのですが
六太にはパートナーがいます

5年前に ひっそりと戸籍だけを共にしました

六太がパートナーと法律上家族になったのを公言しないのも
お披露目をしなかったのも
「プライベートなことを公言したくない」というパートナーの意向を汲んでのことでした

だから 表ブログにも mixiの全体公開日記にもパートナーは登場しません
パートナーのことを書く時は「家族」「ごまちゃん」「ゴマフアザラシ」と呼んでいまし た

パートナーはミュージシャンですが 既婚/未婚で人気が左右されるタイプでもなく(笑)
浮気も全く心配無いので 理由はそこではないでしょう

医師の診断を受けたわけではありませんが
パートナーはアスペルガー症候群だと思われます

★アスペな大人の接し方 http://asperger.nerim.info/

★Wikipedia「アスペルガー症候群」 http://ja.wikipedia.org/wiki/ %E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%AC %E3%83%BC%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE %A4#.E3.82.BF.E3.83.AC.E3.83.B3.E3.83.88

六太が長年関わってきたIT業界には アスペルガー的な方たちが多かったように感じ ます
特にエンジニア気質が高ければ高いほど そしてエンジニアとして優秀なほど
アスペルガー的な気質も高かったように
六太の経験からは感じています

はじめにお伝えしておきますが 六太は決してアスペルガーの人たちが嫌いではあり ません
純粋で裏表がなく ものすごくピュアで むしろ好もしいと感じているくらいです
パートナーに限らず これまで長く付き合うコトになった恋人は アスペ的な人が多かったか もしれませんね(笑)

このヒトと家族になりたいと思ったのは
音楽に対する純粋で真摯な取り組み
今までこんなに練習するヒトに 六太は会ったことがない
心の底から尊敬しています

そして ふつーなら「アタマおかしいんじゃないの?」と言われても可笑しくない
六太が“大いなる者”と直接つながる感覚や体験を バカにせず 受容してくれたこと

テンパッてアワアワしがちな鶴家のメンバー(笑)と違って
善き時も悪しき時も 常に平常心で事を進められる冷静さが 六太にはありがたかった

あとね……
関西人やから オモロイねん(笑)
コレ 重要(笑)

共感力に乏しかったり コトバの裏の意味や比喩表現を理解出来なかったり
空気を読む 相手の感情や状況を判断したりといったことが苦手なことも
パートナーが自らのBassの技術を向上させること以外 全く興味が無いということも

すべて理解し 納得した上で「それでもこの人と人生を共にしよう」と決めたつもりでした

が アスペルガー的で風変わりなパートナーとの暮らしは 想像以上に大変でした

外食 スーパーのお惣菜などが苦手なため 食事は全て手作り
買物に付き合うのも苦手なため パートナーが独りでスーパーに行き買ってくる
六太は 友だちを呼んで手料理を振る舞ったりするのが好きなのですが それもNG
誕生日 結婚記念日 クリスマスなどのイベント事が苦手なため 全てスルー
彼の実家 六太の実家に関わらず 親戚の集まりも苦手で なんとか理由をつけて避けようとする
同じMusicianでありながら 六太のライブに足を運んだり 機材を運ぶ手伝いをしてもらったこともない

今回の入院につながる不調の引き金になった出来事があるのですが
長くなったので 明日 書ける元気があったら続きを記します