悪を観て。 | 小池花瑠奈 オフィシャルブログ「こはるびより 小花瑠日和」Powered by Ameba

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先週は紀伊国屋ホールで岡本貴也さん作・演出の舞台「惡」を観ました。


「クローン人間」という興味深いテーマだったので始まる前からとても楽しみにしていたのですが
実際に観たら、その期待をこえていました。

舞台や映画で泣くことはあまりない私ですが後半は涙ぼろぼろの鼻水だらだら(笑)


鑑賞記録を書いたのですが
まだ公演中ですし、ネタバレになってしまうこともあるので
これから観る方・内容を知りたくない方は、
せっかくブログを見に来て下さったのに申し訳ないのですが
ここから下は読まないことをおすすめいたします。











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「悪」を観て

クローン人間という新しい存在を通してみえてくる
善悪・愛という人間の本質とは何かを考えさせられました。


「人から愛されたい」と願う
人間たちのなかに作られた
「人を愛したい」と願う
クローン人間は
カラカラの砂場に咲いたお花のようで
その健気さや皮肉さに驚き涙がこぼれてしまいました。


本当にクローン人間を作ったとして、もしクローン人間たちが
このような「人間であるために人を愛したい」という想いを持ち始めるとしたら
世の中はどうなっていくのだろうなぁ。
携帯電話のように、新しくて受け入れ難かったものが、徐々に進化して
かけがえのない日常の一部となっていくこともある
なにがあってもおかしくないのかもしれない
10年後、50年後、100年後はきっと
今では思いもよらぬことが当たり前になっているのかもしれない。
何事にも始まりや誕生があって今も存在するんだからなぁ。
そんな新しい考えも舞台の最後の最後で生まれました。

差し出した手に
藤子・F・不二雄さんの「流血鬼」を思い出しました。


事務所の先輩である陳内将さんが出演されていたのですが
すごく嫌なやつと思われる役をしながらも、徐々に、心には温かな血が通っているのを感じさせ
そのお芝居にどんどん引き込まれていきました。
6人の出演者の方々、本当に素晴らしい役者さんだらけでした。

そして特に高岡奏輔さんのお芝居にはとても感動してしまいました。
一人二役のお芝居をされていたのですが、

愛されたい/愛したい
という点では二役は正反対であるものの

愛されるために善人でありたい/人間であるために愛したい
と、願いに動機がつくことによって
実は真反対ではないのかもしれないとも思いました。
とても複雑な役だったなぁ。。

実験室でのシーンは
記憶に新しい去年の事件も彷彿とさせ、
最初から最後まで、いろんな視点からみて楽しめる舞台でした。

あれからたまにこの舞台について
ぼんやり考えるのですが
誰が悪だったのか、答えは結局出ていません。

誰にも共感出来る点が、あるからかな…
ということはわたしがいちばん悪なの?とかも思ったり…

高校生の受験勉強のとき、小論文を勉強していたときに出会ったテーマ
「あなたは性善説派か、性悪説派のどっちか」っていう考えごとが
いまでも結構すきなのですが
やっぱり善と悪が天秤にかかったように
ふやふやとアンバランスにしてるのが人間なのかなとか思うんですよね。
でもこの考えって中途半端でずるいのかな・・・笑
また人生経験を重ねたら考えは変わってくるのでしょうか。
やっぱりどちらかといえば性善説を信じてる人でいたいけどな


ちなみに私は最初にも書いたように、
舞台を観て結構泣いてしまったのですが、周りの様子を伺う限り
泣いている方はいらっしゃらなかったので
みなさんにとっても、涙を誘う舞台かどうかはわかりません…
わたしが特に興味を持っていたテーマだったから、余計にヒットしたのかなぁ・・・

観た人みんなに聞いてみたいです