前回に引き続いて相変わらず専門外の原油の話です。

 

 

 

 が、ホルムズ海峡の問題と日本のエネルギー問題に関して悪い知らせと少しだけ良い知らせがあったと考えており・・・先に悪いニュースを書きますと、原油流入がストップしている中でナフサの供給ルートが途絶えていることにより日本国内の透析患者の治療に支障をきたす可能性が現実として迫っているといわれている(ただし時期などについては諸説あり、3月17日時点で4か月分を確保可能との報道も)ことと、ペルシャ湾内に日本人船員24人を含む45隻の日本関係船が実質身動きが取れなくなっていることす。

 

 

 真剣に人の命が左右される事態が目の前に迫ってきているということです・・・。それに、この問題は結局遅いか早いかの問題で日本中の人に降りかかってくる問題だろうと自分は考えています。

 

 

 

↑3月27日ロジスティクストゥデイ「透析34万人の命綱、樹脂が届かない」

 

↑3月25日現代ビジネス「「ガソリン以上に深刻」ホルムズ海峡封鎖で迫る日本の医療崩壊――医師が警告するナフサ不足で起きる危機」

 

https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2025/20260317001.html

↑3月17日経済産業省「赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要」・・・文中の赤沢大臣の発言。「現時点で、直ちに需給上の問題は、まず生じていません。その上で、川下在庫の活用に加えて、米国あるいは南米等の国から輸入する、加えて、国内で原油から精製もできますので、それによりトータル国内需要の約4か月分を確保可能と見込んでおります。」

 

3月4日テレ朝ニュース「ホルムズ海峡“封鎖” 船員の安全確保へ初会合 日本船主協会が情報共有の徹底を確認」

 

↑3月25日時事通信。「船主協会長、海峡通航へ「糸口を」 ペルシャ湾内の日本関係船」

 

 

 まず前提として・・・先の記事にも書いた通りイランは日本船の通行を認める方向で調整中という声明を出している中でこれらの事態が発生しており、SNSやデモなどで政府の対応を批判するたくさんの声も見られます。

 

 加えてここ数日の中で、各国がホルムズ海峡を渡るケースが増えてきました。自分が知る中では中国、タイ、インド、ギリシャ、パキスタンなどがホルムズ海峡を通過したと。(ギリシャは前回記事で書いた通り3月9日。ほかにもトルコやマレーシアなどはすでに合意を得ていると発表。)

 

 

↑3月21日バンコクポスト「ホルムズ経由のタイタンカーの通過には「料金は請求されない」
 

↑3月27日インディアTV「ジャグ・ヴァサントのタンカーがホルムズ通過後、グジャラート州のヴァディナール港に16,000メトリックトンのLPGを積んで到着」

 

https://www.arabnews.com/node/2636597/pakistan

↑3月16日アラブニュース「イラン閉鎖にもかかわらずパキスタンのタンカーがホルムズ海峡を通過」

 

↑3月25日サウスチャイナモーニングポスト「中国所有の船舶がイラン戦争が続く中、ホルムズ海峡通過を珍しく確保」

 

 

 他にもたとえば韓国などはロシア産石油の確保を進めているような報道も。

 (日本は残念ながらロシアとの折り合いが良くなく、2022年には岸田元首相、林現総務大臣、そして高市現首相などが入国禁止の措置を受けておりその後の措置終了などの報道はなさそうですので、期待ができそうにはありません・・・

 

 

↑3月25日ソウル経済日報「ロシア・ナフサの輸入が承認され、米国は二次的な制裁がないことを確認」

 

↑2025年11月産経新聞「「上等やないかいっ」高市氏もリスト入りのロシア入国禁止制裁 第1弾での報道最多は産経」

 

 それに対して、これまでに日本の動きとしてホルムズ海峡を通らない紅海経由のルート確保に向けた動きの噂がありましたが、現在のところこれらの動きが功を奏するかどうかは不明です。

 

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-24/TCDT4WT96OSH00

↑3月24日ブルームバーグ「ホルムズ海峡通らない原油タンカー、日本に28日に到着予定-代替ルート

 

↑3月25日ヤフー(元記事ブルームバーグ)「2.5倍遠い迂回ルートで中東原油を日本に輸送視野、政府や顧客意向で」

 

↑3月14日CNN「「出口はない」:紅海の石油の生命線も危機に瀕している」

 

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-26/TCHF9ZKJH6V500

↑3月26日ブルームバーグ「商船三井社長、紅海配船はイラン戦争終結まで困難-攻撃リスク上昇で

 

 

 ただ、そうした中でもいくつかの転機を示す報道もあります。

 

 ひとつめはカザフスタン産石油のルートなどの開拓検討、という報道です。もちろん世界的な原油危機の中これ一つで解決というわけはありませんが。

 

 

 

 また伊勢崎議員ら有志の野党議員らから中東諸国に対し働きかけがなされていることは先の記事にも書いた通りなのですが、ここにきて岸田前首相の動きもみえてきたところで。

 

↑3月26日X(旧ツイッター)駐日イラン大使の表敬訪問を受けた件。対応は山本ジョージ議員と伊勢崎賢治議員とのこと。

 

 

  岸田元総理大臣は自身が会長を務める日・イラン友好議員連盟で「日米同盟という関係を基軸としながら、伝統的な友好関係を維持してきたイランとの関係、このバランスをしっかり取りながら、日本の国益をどう守っていくのか」 と述べたとのことです。

 

 

↑3月26日メーテレ「日・イラン友好議連で岸田元総理 「極めて難しいかじ取り」 駐日イラン大使も出席」

 

 

 3月12日のイフタール(中東諸国の要人を集めた日本主宰の晩餐会。2005年以降毎年開催、昨年は石破首相が参加)の高市首相の欠席以降表立って見えなかった自民党内部の中東側との交渉の動きが見えてきたように感じます。

 

↑3月12日産経新聞。「高市首相、風邪の疑いで食事会などの公務を取りやめ 公邸で医務官の診察受ける」

 

 

 原油が枯渇して生活基盤が壊れてしまうまでのことはそうそうないと願いますし考えたくもないのですが・・・結局のところイラン情勢が早く収束に向かうことを祈るばかりですし、加えて日本政府が適切な対応を取ってくれますようにと願います。

 

 

↑3月25日MSN)(元記事ブルームバーグ)ホルムズ海峡で他国船も護衛を、自衛隊派遣へ特措法提案-自民・長島氏」

 

↑ご参考に。3月18日時事通信「自衛隊派遣は困難 「今は戦争している状況」―石破前首相

 

 

 最後に少し・・・仮定に仮定を重ねたものですが自分の危惧に触れておきます。

 

 

 このままアメリカの軍事行動に同調してイランに自衛隊を派遣するなら日本がイランからの敵国認定を受ける可能性が高いと自分は考えています。

 

 その先の日本の原油事情と日常生活がどうなるものかは想像がつかず、またそのときにはイラン側から自衛隊艦船への攻撃を受けるなどして自衛隊員に被害が出る可能性は否定できないものでしょう。

 

 そうなった後に日本のメディアがその自衛隊員の殉職を愛国心をあおる美談として報道するならば、それが憲法改正の発議のための実質的な世論誘導となっていないかを注意して見る必要があるだろうと自分は考えています。

 

 戦争禁止の縛りを弱めてしまう憲法改正が成立した先にあるのはアメリカの圧力を受けての自衛隊の戦争参加ではないのかというのが自分が一番危惧するところです。

 

 杞憂であることを切に願います。