私は一時にはお一人の患者さんしか予約をいれません
鍼だと二人同時に来ていただいて、一人に置鍼(鍼をうって時間をおくこと)している間に
もうお一人の施術ができるのですが
つい、辛そうな他の箇所を触ってしまうので実際のところ時間中は指圧なりお灸なり
何かしら施術し続けていて
とてもお二人同時には拝見できないのです
これが貧乏の秘訣でしょうか
たいてい鍼灸を主体でしているところは隣のお喋りが筒抜けなので
それでは自分だったら寛げないと考えているからでもあります
先日の美しい患者さん。主訴は首周りでした。
一通り鍼をしてから気になっていた腰に触れました
すると患者さんが突然「私は先生に触っていただきたくて来たんです」
「はい?」
「マッサージして頂いていても、途中でもうやめてって思うことがあるんです」
どうやら、施術をうけるにも相性があるということをおっしゃっているらしい
それは人間ですからお互い「気」も発し合っているでしょうし、合わないと感じることもあるでしょう
しばらくしてから首に触れました
その時再び「この前も、そうやって触って下さったんですよね」
「はい?(ドキドキ)」
そう言われてやっと思い出しました
去年お茶の席で知り合いに紹介されて
具合が悪くて病院にも鍼にも通っていると話していたことを
しかし、もう鍼にもかかっているのなら私の出る幕はありません
そう思いながら、つい、いつものくせで首に触ったのでした
私はバーで飲んでいても気になる箇所があると
「ちょっと触っていいですか」
と、言う癖があります
その場でイエス様のようにたちまちクララが立ったりはしないですし、相手の方には何の得にもならず申し訳ないのですが、ただ確かめたくなるのです
大勢の席では、黙って心の中で観察するだけにしています
気をつけないとセクハラ容疑で近い内に捕まるでしょう
と、言うわけで私はその時も自分の欲望のままに、その美人の首に触り、すっかり忘れていた
でも彼女はそれを覚えていて施術を受けにきてくれたと言うわけです
ありがとうございます
セクハラ容疑に怯えつつも、触っておくものですね
そして鍼だけして放って置かなければ美人の告白も聞くことができるんですね
いつか貧乏からもセクハラ癖からも抜けられるのだろうか。