セルフヒーリングや、カウンセリングなどで、
過去のトラウマに対処する場合、対象となった相手を「許す」
そしてその経験を「手放す」ことがプロセスに組み込まれています
人間の脳はだまされ易いので、お題目のようにこれを唱えることで
効果があることは確かです
しかし、本当は許せていないのに、「許す」選択をしたという事実ばかりが先行し
今度は本当には「許せていない」自分を責め
逆に、対象に捕らわれてしまっている例をたくさん見てきました
これは、たとえ脳がだませても、「心はだませない」せいなのです
人間の心は、経験値や慣習から判断を下すため、脳ほど柔軟性がありません
学生時代を日本で過ごした韓国人が、
本来韓国では、価値がないとされる「小さな」プレゼントをもらったとき
それが例え高価なものであるとわかっていても
「頭で理解できても、心が許せない。自分が軽んじられているように思える」
と、言っていました。
小さくは嫁舅、大きくは国境の争い
皆、このことを端的にあらわしていると思います
だから、私は患者さんやクライアントには「許さなくていい」
と、言うことにしています。心の準備ができるまでは
心で許せるようになるには段階が必要ですし
本当に必要なのは「許す」ことではなく
対象に向き合える心の柔軟さ
代償となるものへの帰属
自分への信頼や自信や愛情
なのです
一朝一夕に、ましてや机上で手に入れられるものではありません
それでも必ず見つけることはできます
たとえ時間がかかっても
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