腎不全食だと、
タンパク質、塩分、カリなどが制限され、イメージとしては薄味、水っぽい、少量といったところだろうか。入院中の楽しみといったら、この食事につきるわけだが、配膳された食事を見て、がっかりすることなどよくあることだ。
日常生活をなんとなくこなしているとハンバーグなんて、いつでもどこででも食べれてしまうのだが、
今現在置かれている状況からしてみれば1番を争うほどの御馳走といえる。無論、外食屋で食べるようなデミグラスソースもかかってなければ、チーズなんてものも乗っかっていない。質素とも言える程、肉もはいっておらず、非常に薄味である。しかし、それですら、ごくたまのことだから御馳走だろう。茹でた茄子やら山芋ばかりよりは遥かに食べれたものだから輝いて見えるのもある。
入院生活のなかでこういった苦痛に対しては、考え方を変えていかに苦痛を和らげるかということを普段から考えるようになっている自分がいる。逃避なのかもしれないか、とにかく、少しでもご飯くらい美味しく食べたいのだ。
その時出ている食事のなかで、1番食べれるものでご飯を食べ、食べたくないものは最初に食べてしまう。そんな食べ方をしている。
普通の食生活を送っていれば、なんとも思わないであろうが、ほんの少しの御馳走が出る喜びというものを気付かせてくれる。なんてことを考えるのはボジティブすぎるだろうか。
9ヶ月の子持ち。
子供はまあ、かわいいが入院してからというもの、どうも自分のことを忘れてしまったようである。
仕方がないか。顔を合わせる機会が減った訳だし、何より自分の子供への愛情が足りないのかもしれないのだから。
子供の面倒は殆ど奥さん任せ。仕事から帰ってからは疲れて動く気がしないし、入院する前は吐き気と悪寒に耐えるだけですぐに横になったりしていたから。奥さんとはつまらないことで言い争いになる。ことの発端は100%自分の方が悪い訳だが、結婚してから今まで一度も自分の方から謝ったことはないと来ているので、なおさらたちが悪い。まあ、言い争った後はたいてい自分のほうからこえをかけたり、仕事帰りにうまそうなスィーツでご機嫌とりするわけだが。
奥さんとは、職場が一緒で、後から入って来た奥さんをみて、
お、いいじゃない。
なんていういつものスケベ根性から、今思えばいきなり海に誘うなんていう大胆なことをやってしまったのが、ことの始まりである。あの頃は5年間続けていた、失恋を引きずるようにしていた片思いをやめようと、背伸びしていたんだと思う。
後から聞いたことだが、奥さんの方はまんざらでもなかったようだ。奥さんは同棲までしていた相手とだらだらと続いていたようだが、その自信がどこからきていたのか知らないが、当時の自分はうまくいかないと微塵もおもっておらず、強引に押し切ってしまった。その後職場に隠れて3年間交際を続けていると、なんとなく、そろそろかな、などと漠然と考えていたところ、奥さんの方が爆発したのをきっかけに、あとはあれよあれよと話しが決まって、いや、決められてしまった。30までには結婚したいという願望があったらしい。結婚式のスピーチでそれらしいことを言っていたと、かつての職場の上司からなにかの拍子に耳したのは後になってからのことだが。自分の方はというと、男は何かきっかけがないと結婚に踏み切れないものだとよく耳にするが、自分もその口でしかなかった。 ともあれ、あれから3年。結婚生活の間に子供もできた。