2/10(sabado)
最近、ペレットストーブの灰を完全に粉にするまで育て上げる(?)のにハマっているRikanです。
たまに混ぜてまんべんなくくすぶってもらい、ほんのり温かくて、だいぶかさが減って粉になっていくさまを見届けるのが楽しいです。
先日は丸一日、くすぶり続けていました。
絵本ゼミで翻訳家のさくまゆみこさんを取り上げて研究をしていました。
するとちょうど、JBBYのノンフィクションの翻訳テーマのオンライン講座があり、それをチームのみなさんそれぞれ視聴されたのですが、私は釧路へのバス移動のときに見ました。
さくまさんだけでなく、他にも何人か翻訳される方が登壇されていたのですが、その中で気になって読んだのがこちら。
作 ユリ・シュルヴィッツ
訳 原田勝
小学館、2022
『よあけ』や『おとうさんのちず』で有名な絵本作家で、コールデコット賞も受賞されています。
ユリ・シュルヴィッツはユダヤ人。
第二次世界大戦のときは4歳。
ポーランドを脱出し、各地を転々。
その壮絶な人生がこの1冊にギュッとなっています。
こちらは児童書のカテゴリー。
「北海道青少年のための200冊中学生向け」にも選ばれています。
戦争モノって重苦しいイメージがありますが、重苦しいのは重苦しいのだけれど、とにかく読みやすい。
お話が細かく分けられていて、リズムよく進んでいきます。
でも内容はとても過酷です。
食べるものがなかったり、給料をもらえなかったり、家を出なければならなかったり、仕事がなかったり、大変な肉体労働だったり、差別されたり・・・。
それでも尊厳を失わない人間の強さを見ることができます。
ユリ(文中では「ウリ」)という名前のために証明書が作れないとか、それでも両親は作らない方を選ぶとか、生き延びるためにいろんなことをやりつつも、譲れない部分は大切にしているのがとても良いなぁと思いました。
戦争が終わったからといって、安心ではない、真の平和はまだまだ先の方にあるってこともよくわかります。
途中、絵本にもなった『おとうさんのちず』のエピソードが出てきます。
思わず「キター!」と言ってしまいたくなりました。
絶望の中、満足に食べるものがないなか、お父さんは大事な大事なお金でパンではなく、地図を買ってくるのです。
そのエピソードについては本書か