ようやく時間が取れましたので、約2か月振りのブログ更新です。この2か月の間にCamelの32枚組ボックスや大瀧詠一の「Each Time」の40周年記念VOXなどがリリースされましたが、それらについては後程書くことにして、今回は前回言っていた通り、ライヴ・アルバムを一つ取り上げたいと思います。

 

 もう既に過去のバンドになってしまいましたが、僕の大好きなプロコル・ハルムのライヴ・アルバムを取り上げます。ブログのタイトルは字数の関係から省略していますが正式なタイトルは「Procol Harum Live: In Concert With The Edmonton Symphony Orchestra And Da Camera Singers」です(長い)。

 本アルバムは1971年11月18日にカナダのエドモントンで収録されたもので、オーケストラとクラシック合唱団との共演アルバムです。収録されているのは5曲。B面はセカンド・アルバムで発表された18分の大作「In Held ’Twas In I (邦題:神秘なる東洋の世界)」1曲のみが収録されています。

 

 当時のプロコル・ハルムのメンバーはピアノとヴォーカルのゲイリー・ブルッカー(Gary Brooker 1945-2022)、ギターのデイヴ・ボール(Dave Ball 1950-2015)、ベースのアラン・カートライト(Alan Cartwright 1945-2021)、ドラムスのB・J・ウィルソン(B.J. Wilson 1947-1990)、オルガンのクリス・コッピング(Chris Copping 1945-)、そして作詞のキース・リード(Keith Reid 1946-2023)の6人。こうしてみるとこの時のレコーディング・メンバー6人のうち、既に5人が鬼籍に入っているんですね。そうですよね、既にレコーディングから52年以上経過していますし、時間の経過は時に残酷です。

 

 しかし本アルバムは素晴らしいの一言です。オープニングの「征服者(Conquistador)」はシングル・カットされて、米国ビルボード誌で16位となるヒットを記録しています。アルバムも彼らのアルバムとしては破格となる、全米5位を記録します。彼らの音楽性を考えるとやはりオーケストラとの親和性は抜群ですが、オーケストラのアレンジはメンバーのゲイリー・ブルッカーが行っています。僕がこのアルバムを手に入れた当時、その「Conquistador」のシングル盤は日本では発売されませんでしたが、そのB面にはアルバム未収録の「ラスカス・デルフ(Luskus Delph)」のライヴ・ヴァージョンが収録されていました。今は2018年にEsoteric Recordingsからリリースされたヴァージョンにボーナス収録されています。

 

 今はもう過去のバンドになってしまって悲しい限りですが、今でも本アルバムを聴くと当時中学生だった頃の自分が蘇ってしまいます。本当に素晴らしいバンドに出会ったな、感謝するばかりです。