ビートルズの「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」は、結局1964年3月14日付まで7週連続で1位の位置を保ってしまった。で、その次の週の1位はと言うと、これがまたビートルズで、「シー・ラヴズ・ユー(She Loves You)」。これが2週連続の1位。ではその次はと言うと? これがまたまたビートルズ。1964年4月4日付の1位は「キャント・バイ・ミー・ラヴ(Can't Buy Me Love)」である。

 

そしてこの1964年4月4日のビルボード・ホット100はビートルズが1位から5位までを独占したチャートとして知られている。即ち1位「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、2位「ツイスト・アンド・シャウト(Twist And Shout)」、3位「シー・ラヴズ・ユー」、4位「抱きしめたい」、5位「プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me)」である。2位の「ツイスト・アンド・シャウト」はアメリカ独自のシングルで、本国イギリスではチャート・インしていない曲だが、ジョン・レノン(John Lennon 1940-1980)の見事な唱法が光る、カヴァー曲ではあるが、大傑作ナンバーである。

 

で、この「キャント・バイ・ミー・ラヴ」は1964年5月2日付のチャートまで5週間連続の1位となっている。ではその翌週5月9日のチャートの1位は? ここまで何と3か月以上に渡ってビートルズが1位を独占していたのだが、そこに割り込んだのはルイ・アームストロング(Louis Armstrong 1901-1971)の「ハロー・ドリー(Hello, Dolly!)」である。

 

それではブリティシュ・インヴェイジョンはそこまでか、というとそれじゃ僕の書くブログの題材にはならない。「ハロー・ドリー」が1週、モータウンのメリー・ウェルズ(Mary Wells 1943-1992)の「マイ・ガイ(My Guy)」が2週間。そして続く64年5月30日付のチャートの1位はまたまたまたまたビートルズで何と「ラヴ・ミー・ドゥ(Love Me Do)」である。

 

何だ、それじゃブリティッシュ・インヴェイジョンじゃなくて、ビートルズ・インヴェイジョンじゃん、と思われる方もいらっしゃるでしょう。もうしばらくお待ちください。

 

はい、出ました。1964年6月27日付チャートでようやくビートルズ以外のブリティッシュ勢が1位に輝きます。それはピーター&ゴードン(Peter Asher 1944-、Gordon Waller 1945-2009)の「愛なき世界(A World Without Love)」です。ま、実を言うとこの曲もレノン=マッカートニーのコンビの作品(厳密にはポール・マッカートニーの作品)なので、ビートルズのフォロワーであるのは間違いないのですが。

 

さて、長くなってきたので今回はこの辺にして、次回はピーター&ゴードンについて掘り下げて行きたいと思います。なお、本ブログの執筆にあたりましては、かまち潤氏監修、ジョエル・ウィットバーン著の「ビルボード・トップ10ヒッツ」という書籍を参考にしていることを、明記しておきます。