第九章 シヨウ発動
シュランは、朝からオフィスを抜け出し、ランドの母、すなわちシヨウを訪ねた。
シヨウは、シュランを見て、はっとしたが、何食わぬ顔で、ソファーを勧めた。
シヨウは、ジャメルより七歳上で、彼女の側近として仕え、かつ国王の重要会議にも出席していた。
ジャメルとミュランは結婚するはずだった。あのラムランの事がなければ・・・。
飲み物を入れながら、シュランの成長した様を感じとっていた。さすがに、国王になるべきだった男だ。
とてつもないプレゼンスがある。なのに、人生相談かよ~。何相談する気だよ!まさか、恋愛相談じゃないだろな?等と考えつつ、シュランに飲み物を勧めた。
『シュランさん、今日は、どのようなお話でしょうか?』
シュランは、じっくり考えこんだあと、こう言った。『実は、悩みがあるのです…。』
シヨウは、落ち着いて、とりあえずこう言った。『わかります。その澄んだ瞳の奥に、あなたの動揺がみえます。』
シュラン:以下Sh『わっわっかりますかぁ~。』
シヨウ:以下Si『勿論ですとも!。』
アホやな、悩みがあるから来てるんだろうが…。シヨウは、頷きながらそう返した。
Sh『さすがだ~。実は、』
Si『実は?』
Sh『実は、実は、実は』
Si『実は、実は、実は?』
Sh『実は、・・・』
Sh『何と相談したら良いか・・・・・』
ガクッ。
Si『悩みとはそんなもんです、・ ̄・。』
Sh『わかりますかぁ~。さすがだ。』
オ~イ。何だよコイツ。シヨウはそう思いつつ、
Si『おそらく、あなたが心を開ききれていないのでしょう。それだけ深海の如く、奥底に眠っているのです。』
Sh『そっそう、そういう感じ。』
Si『あなたの悩みは北?いや北東の山のごとく・・・。』
Sh『そっそうです、北東のラムラン帝国の事なのです。』
セーフ。それか~。シヨウは微動だにせずこう言った。
Si『あなたは、成すべきことがあると思っている?』
Sh『あっ、そう、それ!』
Si『それを話してごらんなさい。』
Sh『ハイ。』
シュランは、あの一件のあとに、何事もなかったような、現在のラムラン帝国との関係について、非常におかしいと訴えた。
Si『そうです。あなたのなすべきことは・・・。』
Sh『なすべきことは?』
Si『あなた自身が知っている。』
Sh『.・・・それを・・・』
シュランが、呆気にとらわれた時、表の戸が急にあいた。
??『あち~は、今日は・・・・。』
逆光に立っていたのは、ジャメルだった・・・・。
シヨウは、スイッチが入ったように、真顔になった。
つづく