「オッペンハイマー」ついに日本公開決定 | 読む人の従容たる日常

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今年アメリカで公開されて話題となった「オッペンハイマー」が来年日本でも公開されることが決定した。


「原爆の父」という不名誉な呼び名まで与えられてしまったオッペンハイマーの半生を描いた映画で、いかにして原爆が作られ、軍事転用され、使用された後の後悔にまで至ったのかを知ることができる。

ドキュメンタリー風ではあるもの、映画は映画なので、全てが史実という訳やないけど、少なくとも学者の探究心や欲望が必ずしも人々の幸福に繋がるものだけやないことが、彼の人生からもよく学べるんやないかとワイは公開を待ち望んどった。


もちろん、日本は世界唯一の被爆国。

それだけに原爆を題材、ましてやその開発者を主人公とした作品への配慮はかなりあったんやろう。

けれど、軍事武器へ使用したのはオッペンハイマーやなく、「マンハッタン計画」として遂行した軍にある。

大統領やったトルーマンですら原爆投下後に事実を知ったという話もあるくらい、軍が独断で準備から手配まで行ったという。


そして、忘れちゃならんのは、日本もまた実用化に向けた原爆開発を行っていたということ。

そして、その場所がワイの故郷でもある福島県やった。

もっとも開発は東京とかで行われたそうやが、空襲が酷くなったことで疎開して福島県石川郡に作った工場を中心にして、それこそ鉱石採掘までも行われていた。

実用化には至らなかったが、少なくとも同じ時期に同じことを日本もまた考えていたということは知らなきゃならんことやろうし、一歩間違えば日本がおかれる立場も逆転しとった。

(そして、同じ地域で3.11による原発事故が発生したというのは、何とも皮肉なことやった)


憎むべきは戦争であって、それを指導した側こそ叩かれるべきで、学者や研究者をその道具として使われただけ。

そこには悲劇が連鎖のように起こり、多くの犠牲となった方々もおられる結果とも繋がった。

国に対して誇りを持つことは、そういった過去の過ちを正しく知り、2度と起こさなくするために教訓としておかなければならないとワイは思う。

映画の内容云々を観る前から問題視することが許されるのは、日本では原爆が投下されたことで被爆され、辛く苦い期間を過ごされ、多くの生命すら奪われた広島と長崎の方々だけや。