さて、昨夜はなんだかんだとしているうちに夜が更け、一日のお休みをいただきました。

快晴の大朝日山頂から、小屋へ戻ったところまでおはなしは進んでおりましたね。

小屋に着くと、ちょうどヘリが降りてくるタイミングで、風でなにか飛んでくるといけないので、小屋へ入り、風の落ち着いたところでヘリを見に行きました。
このヘリは、朝日連峰の各山の標示などを補修する資材と人員を運ぶ途中でした。
作業員が乗り込んで行き、
山の草とか花とか虫とか-ヘリと鐘

やがて飛び立ちました。
山の草とか花とか虫とか-ヘリ飛ぶ

近くで見るとなかなかの迫力ですね。
山の草とか花とか虫とか-ヘリさようなら

カメラマンさんがあれこれ撮影し、その後にお昼ごはんを食べると時間はもう14時30分を回っていました。下山しながら撮影するものもあるようです。ちょっと急がなくちゃいけません。
ガンガラ沢方向のダケカンバ。スポットライトを浴びたようでした。
山の草とか花とか虫とか-夕陽射すダケカンバ

中岳方向。
陽が傾くと、山肌に表情が深くなりますね。
山の草とか花とか虫とか-中岳

下山は、前の週に小屋にデポしてあったカメラマンさんの食糧や寝袋などを詰め込んで登りよりも重くなっています。それとテレビカメラの三脚。ずいぶんしっかりした三脚で、脚自体はカーボンで軽そうですが、雲台がかなり丈夫で重そうでした。
帰りはぼくの背中に背負子が乗ります。
背負った際の足の感じからは20kg(肥料袋)以上30kg(米の袋)未満、というくらいでした。
実のところ重さはよくわかりません。
山の草とか花とか虫とか-背負子

やっぱりダケカンバを眺めます。
雰囲気がありますね。
山の草とか花とか虫とか-ガンガラ沢付近

ナナカマドは赤い葉を落とし、実だけが残っています。
でもなんとなくめでたい色合いです。
山の草とか花とか虫とか-ナナカマド

小朝日岳。
こないだは赤と黄色だったのだけれど。
山の草とか花とか虫とか-小朝日

陽が傾くと、なにを撮っても劇的な雰囲気がでますね。
画面に明暗、コントラストのリズムが出るように思います。
山の草とか花とか虫とか-コントラスト

カメラマンさんは、小朝日のこの斜面をたいへんに気に入ったようで、帰りもなめるようにじっくりと映像に収めていました。
山の草とか花とか虫とか-小朝日の撮影

熊越えから見た小朝日岳斜面とその向こうに白い月。
山の草とか花とか虫とか-白い月

小朝日岳は巻き道を行き、古寺山側の分岐を通過すると、鳥原山近くの田代清水のあたりに小朝日岳の影が落ちていました。
影小朝日岳、です。
山の草とか花とか虫とか-影小朝日

10月中旬ともなると日暮れも早いものですね。16時をちょっと過ぎるとこのくらいの夕方の雰囲気でした。
赤味増す西陽に映える古寺山。
その向こうに障子ヶ岳。
山の草とか花とか虫とか-古寺山へ

古寺山を過ぎ、三沢清水を下りたところで、こないだ作業した修繕箇所があります。
ここの直した経緯などについて、カメラマンさんからあれこれ聞かれここも撮っておりました。
山の草とか花とか虫とか-補修箇所

そんな取材をしている間に日は沈み、ハナヌキの分岐に付く頃にはまもなく18時とかなり夜が近くなっておりました。ヘッドライトを出して進みます。
山の草とか花とか虫とか-ハナヌキ分岐は真っ暗

一服清水を抜け、時折見覚えのある木や曲がり角、沢の音を聞いて古寺鉱泉が近くなるのを感じながら下っていきました。
古寺鉱泉に着くころには完全に夜の帳が下りた後でありました。
灯りが見えてくると、ああ、着いたんだなという安心感がありました。
山の草とか花とか虫とか-古寺鉱泉も真っ暗

朝の5時から行動を開始して、帰りは19時近く。約14時間の日帰りの山になりました。
たっぷり遊びましたね。
山の草とか花とか虫とか-月光の下山

というようなことで、快晴の大朝日岳に行ったおはなしはこれにておしまいです。
この数日後には、冬型の気圧配置が強まり、小屋番さんが週の中ごろに下山してきたのですが、その日には小屋付近はひざくらいまでの積雪であったそうです。
これからもまだ溶けることがあるかもしれませんが、朝日連峰は短い夏を終え、再び雪の季節を迎えます。
大朝日山頂は普段は見られないような人数が集まっていました。
快晴の大朝日岳、このような日に来られた方は幸運でしたね。
山の草とか花とか虫とか-山頂へ

祝瓶の奥、飯豊連峰がふもとの霞から頭を出して横たわっております。
この青く霞む様子、なんとも言えない雰囲気です。
山の草とか花とか虫とか-飯豊方向

山なみの中央付近の山肌に見える白っぽい部分が石転び沢でしょうか。
ううむ、望遠レンズがあったら素晴らしかったのだけれど。(荷物背負いも兼ねて来てるので贅沢はいえませんが)
山の草とか花とか虫とか-石転び沢が見える

この日も佐渡が見えていました。
山の草とか花とか虫とか-佐渡方向

平岩山方向を見ると、足元に相撲取り場が見えます。
あそこにも行ってみたいなあ。
相撲取り場のこちら側の斜面の波打ったようなところはきっと風で出来た地形というか表面の模様があるのでしょう。どんな様子か気になります。
山の草とか花とか虫とか-平岩山の相撲取り場

ぼくらがのんびり山々を眺めたりしている間も、カメラマンさんは取材のお仕事でした。
取材する相手がたくさんいてよかったなあと思いました。天候がいまいちだと山頂にこんなに人がいませんものね。
このあと、360度を見回した風景を資料として撮っておきたいというので、何度か調整したりしながら撮影されていました。(バッテリ1パック使い切るほどでした)
山の草とか花とか虫とか-取材中

ぼくらは待機中・・・。
吾妻連峰が見えておりますね。吾妻は山形の南東の一番むこうです。
台のように平らな不思議な山なみです。
朝の登ってきた時よりも、霞が濃くなったような気がしないでもないです。
山の草とか花とか虫とか-吾妻連峰

吾妻のふもとに見えているのは米沢や高畠のあたりでしょうか?
いや、赤湯のあたりかな?
山の草とか花とか虫とか-米沢方向

こちらは内陸の天童、東根、村山市方向。
その奥に奥羽山脈、向こうにはちょっと雲があります。
この日の雲は、多くてこのくらいでした。
山の草とか花とか虫とか-天童市方向

月山と鳥海。
月山は山形県のほぼ中央、鳥海は北端ですね。飯豊、吾妻が南の県境で、東の県境の奥羽山脈ももれなく見えましたから、この日は山形県を一望できた、そのような展望でした。
山の草とか花とか虫とか-月山鳥海

そしてなんと言っても朝日連峰の以東岳までくっきりと見えるのが素晴らしいです。
なんだか普段よりも以東岳が近くに見えるような・・・。
あちらまでほいほいほいっと駆けていかれるような気分でありました。
山の草とか花とか虫とか-朝日主稜線

じゃじゃん。
カメラマンさんの山頂での撮影が一段落し、今度は別なものを取材するようです。
山の草とか花とか虫とか-カメラ

なにを撮るのかしらん?と思いましたら、一昨年あたりから朝日連峰のハイマツに見られるようになったマツノクロホシハバチの幼虫のようでした。
昨年にはかなりの数が発生し、林野庁などで手で捕まえて対応していたとのことです。
そのためなのかどうなのか、今年は昨年ほどの数はいないと小屋番さんの談。
カメラのマイクのもふもふしたもののちょっと右下のマツの葉にいくつかの幼虫がいるのが見えます。
こんなにカメラを近づけられるとは彼らも思ってもみなかったことでしょう。
ひぇ~!なになに??きゃ~、と声が・・・聞こえませんけれどもね。
山の草とか花とか虫とか-虫さんにインタビュー

ぼくにあれこれ、この虫についてなど質問しながら取材が進みました。
ええと、あとでもっと詳しい方に内容を確認してくださいね。と念押しを。

これは昨年に食べられた枝の様子です。
枯れてしまう枝もあるのですが、新しい葉の生えて来ているものもあります。
山の草とか花とか虫とか-生えてきた葉

葉を食べる虫となると、駆除したくなるのが人情ではありますが、生き物のあり方を考えると、この虫たちもマツを食べつくしてしまっては世代が長続きしないわけで、バランスよく生きていくような仕組みがあるのでないか、という気がしております。
ほかの山域では、この幼虫に寄生するハチがあったり、ネズミなどの小動物に繭が捕食されたりしているようです。
虫たちは一気に発生することもありますが、それはおそらくそういった天敵がまだ分布が追いついていなかったり、鳥なども気が付いていないのかもしれません。
この幼虫はハイマツも枯らしてしまうこともあるようで、それだとハイマツで生きているほかの生き物や、根っこで押さえられている土などが崩れたりも考えられるので、昨年の対応で、とりあえず見える範囲を捕まえておく、というのは妥当な判断だったのかな、というように今は思っています。(薬品などをまかれたりしたら困りますが)
虫たちと植物たちと、絶妙なバランスがあり、たまに崩れることもあり。
そういった点は、なかなか人知の及ぶところでは無く、この虫が悪いわけでなく(なかなか可愛いんです)、難しいものですね。ぼくにはまだよくわかりません。
古寺山へ到着すると、大朝日岳がすっきりと見えました。
空には雲ひとつありません。
山の草とか花とか虫とか-古寺山 大朝日を望む

で、こういったところでは撮影しながら進んでいました。
古寺山山頂付近にも登山者がたくさん。
この日は駐車場がかなり混みあって、登山口からかなり離れたところに停めないといけなかった方もあったようでした。
山の草とか花とか虫とか-撮影中

撮影を終え、道を進みます。
オオヒゲナガカリヤスモドキの穂はふんわりと開いておりました。
これくらい何度も書けば、オオヒゲナガカリヤスモドキの長い名ももう忘れません。(たぶん)
山の草とか花とか虫とか-オオヒゲナガカリヤスモドキ

明るい秋の道を行きます。
先輩は重めの荷物ですが、ぼくはもう近所の散歩みたいな感じです。
山の草とか花とか虫とか-秋の道を行く

振り返る古寺山方向。
木々の葉が落ちているものが目立っています。
こないだの初雪(12日夜)と翌日に風が強く散ってしまったのでしょう。
山の草とか花とか虫とか-振り返る古寺山方向

小朝日岳は巻き道を行き、熊越えを過ぎて小朝日岳がよく見える箇所に来ました。
こちらは風のあたり具合の違いなのか、まだ紅葉の色づきが残っているようです。
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳南西壁

畑の畝のようにもこもこしています。
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳南西壁アップ

南に遠く、特徴的な形の山が見えます。
あれは磐梯山ですね。青く霞む向こうにシルエットがくっきりと見えました。
山の草とか花とか虫とか-磐梯山が見える

と、ここでも撮影です。
カメラマンさんはお仕事ですからね。
そのカメラマンさんの足元に先輩がしゃがんで三脚を固定しておりました。
山の草とか花とか虫とか-小朝日撮影中

と、ぼくは時間をもてあまして草の観察をしたりして。
ゴゼンタチバナの葉っぱだけのもの。
山の草とか花とか虫とか-ゴゼンタチバナ 葉だけ

撮影がひと段落して、また進んでいきます。
歩くルートをまるっと一望できます。
山の草とか花とか虫とか-大朝日岳

アカミノイヌツゲの実が赤くなっておりました。
この木の実が赤くなったのを見ると、なんとなくクリスマスを思い浮かべます。
山の草とか花とか虫とか-アカミノイヌツゲ

すっきり晴れ渡った空の下、周りは背の低い木々のところを道を進みます。
山の草とか花とか虫とか-小屋へ向かう

銀玉水を過ぎ、振り返ると、10月の始めに紅葉の赤い絨毯のようであったところは木の枝だけの光景となっておりました。
カメラマンさんは、ここの様子を下見でたいへん感動して撮りたいと思っていたようで、ちょっとがっかりしておりました。
山の草とか花とか虫とか-銀玉水 紅葉の終わり

銀玉水を登り、奥の院の祠のあたりから中岳。
中岳の下、大朝日岳との鞍部にある金玉水の上の残雪は、一週間前にはちょこっとだけあったはずですが、もう無くなっていました。
山の草とか花とか虫とか-中岳方向

そろそろ小屋に着きます。
ここで11時をちょっと過ぎたところでした。
撮影に時間はかかっていましたが、5時間ちょっとで到着でした。
山の草とか花とか虫とか-小屋へ到着

このあと、小屋に顔を出し、山頂ですっきり晴れた景色を眺めました。(カメラマンさんはお仕事してるわけですが)